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2017-10

弘道館勧進〜宗一郎能あそび〜新春をことほぐ脇能 - 2014.01.19 Sun

久々にマッサージをうけにいったら、凝りすぎて体が猫背のまま固まっているから、ほうっておくともっと年とってから戻らなくなると言われました。確かにふと気がつくと背中は猫背、肩と首もすくめた状態(お腹も胸も圧迫した状態)、いつからこんなガチガチになっていたのかしら。お茶のお点前の時ももっと背中を伸ばして、とよく言われるしなあ。(点前の写真見て、あまりの猫背具合に愕然とした)

気がつけば背中を伸ばし、肩をおろして鎖骨を開くようにしているのですが、それをやると確かに気持ちがいい。ただ長時間になるとしんどくなって自然に猫背にもどってしまうけど。


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(夜の弘道館入り口)


なんで猫背の話になったかというと、今回の弘道館「宗一郎能遊び」で実際にお仕舞いの一節を扇を持って舞ってみよう、というコーナーがあったのです。仕舞の基本のかまえ、この姿勢が実に気持ちがよい!背中も伸びて、鎖骨間も広がり、さらに扇をもって腕を広げれば肩〜上腕のストレッチ!こりゃええわ!

(*基本のかまえ:足をそろえ少し前屈みになった姿勢から胸から上だけ起こす。胸をはった状態で脇の下に卵一つ分くらいの空きを作り、肘を外に向ける)


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(弘道館の夜の前庭)


リタイアしたら仕舞を習いたいな〜と漠然と思っていたのですが、俄然本気でやる気になりました。きれいな構えは見ていて美しいし、たくさん酸素を取り込めそうで胃腸への圧迫も減るし、健康にもいいはず。意識して日常生活にもとりこめれば肩こり・頭痛もこれで軽減するわ、きっと。点前の動作も美しくなるかな。


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さてさて、昨年の宗一郎能遊びに引き続き、今年の能遊びのテーマは、能の大きな分類「神・男・女・狂・鬼」を順番に楽しみながら勉強しよう、というもの。(ちなみに林宗一郎さんは江戸時代から唯一続く京都観世流シテ方名家のイケメン御曹司)

年の初頭はなんと言ってもめでたい「翁」。「神」の分類に入るものを脇能というのはこの「翁」に付随して(=脇)演じられるからなのだそうです。まずは宗一郎さんの「翁」を通しで拝見。

「翁」とは?

「能にして能にあらず」といわれ、能楽成立以前から存在していた芸能で、とにかく謎の多い演目なのだそうです。普通神が出てくる演目では、どこそこの神(加茂別雷の神とか住吉神社の神とか、、)と正体をあらわすのに、「翁」はそも何者なのか、どこの神なのか、わからない。


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(明倫の「ようこそ観阿弥さん」のポスターから「翁」の絵を引いてきました)


今年も元日に平安神宮舞殿で式三番(千歳・翁・三番叟)を拝見し、しろうとながらなんだか普通の能とは違って神事みたいだなあと思っていたのですが、まさしく「翁」は神事だったんです!

本来翁を演じる時は、精進潔斎、別火(家人と食事を作る火を別にする)をして臨み、(直面・面無し、で演じる時もありますが)翁の面を舞台の上でつける(=神がおりてくることを表すらしい)。そして失敗は絶対に許されない。天下太平・国家安穏を言祝ぐのに失敗したら国に災いがふりかかるとかこないとか。

翁の面も他の面とは異なっていて、切り顎(顎の部分が分離している)、長い髭と眉の植毛、黒目だけでなく、目全体がくりぬかれている、、、などの特徴がある。


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そして式三番冒頭の謎の言葉、、、、


  ♪ とうとうたらり たらりらちりやたらり たらりら
           たらりあがり ららりとう



笛の旋律を表した、という説もあれば、瀧の落ちてくる音を表したという説もあり(、、、たらりあがりららりとう鳴る瀧乃水鳴るは瀧乃水、、、と続くので)、やはり謎なんだそうです。

そういえば終盤

   ありはらや なぞの翁ども あれはなぞの翁ども そやいづくの翁、、、


って、自分で謎やって言ってるやん!∈^0^∋


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さて、その翁に付随する脇能もの、有名なもので「髙砂」の一節を20人くらいの参加者全員で体験するというコーナー。
全員にこの扇を配ってもらいました!扇は神の依代、持つとなんだかカッコええやん!

(以下専門用語はよくわからないので、間違ってたらゴメンね)

サシ:扇を持った手をやや高く正面に持ってきて大気中のエネルギーを集める
左右:左手を掲げて左に二足出た後、右手を掲げて右に二足出る。
正面に戻って扇を持つ腕を大きく広げ、集めたエネルギーを放出。そして基本の構えにもどる。

いや〜、これほんとうにいいストレッチなんですわ。
しかも扇をもってマネごとながらするとすごく良い雰囲気で、われながらカッコイイ(?!)

最後に、宗一郎さんのお話し。
おりしもこの日はあの阪神淡路大震災から19年目。(宝塚に住んでいた頃でミニマムながら我が家も被災しました)
東日本大震災の数ヶ月前にほんとかうそか東北の能楽師が「翁」を間違えたのだと。震災がその後おこったのは偶然であったにせよ、そういう予兆の如きものがあったとき、防ぐことはできなくても備えるということはできたかもしれない。震災の後、被災された方々のために能楽師としてなにができるだろうか。直接行って瓦礫を撤去する作業はできなくとも、自分の芸をひたむきに続けることで、なにかめぐり巡ってお役にたてることがあるのではないか。それは私も当時同じ事を思いました。自分の持ち場を守る。それによってめぐり巡って、、、例えば働くことによって経済が活発化する→被災地への復興経済援助の足しになる、、、きっとお役に立てる、ショックを受けてしばしうろたえたあと、そう気持ちを切り替えた。


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これは会の前後の呈茶ででる会の内容をふまえたお菓子。もちろん老松製。このたびは「髙砂」にちなんで、「松」。(「髙砂」にでてくる翁・媼は髙砂の相生の松の精)


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たっぷり能を堪能したあと、すっかり満ち足りた思いで弘道館を後にすると、、、


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冷え込んだ空気の中、御所・蛤御門の上に満月、寒月。よき夕べにございました。







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● COMMENT ●

ぼくもお仕舞習いたいです。
その前にお謡かなぁ…?
カイロプラクティックに行って姿勢を教えて戴いた時に、自分のあまりの猫背に驚いたことがありました。
気がついたら胸を張るのですが、すぐだら〜んとなっちゃいますね(笑)。

そういえば 仕舞をしている友達は姿勢がいいです。

私は午前の部で弘道館で初釜を楽しみました。
最初に高砂の謡を聞かせていただきました。そして 川端道喜風の花びら餅をいただきましたが 美味しかったです。

relax様

やはりお茶やってる人って能楽にも興味ある率高いですね。
謡の方はちょっと上手くやれる自信がない。(音痴だし、、、、って関係ないか)
身体動作は茶道に少し似ていてすこしはましにやれるような気がします。
しかしお茶やっててどうしてこんなに姿勢が悪いかなあ、、、、(・_・);

ひいらぎ様

弘道館の月釜は私も行きましたよ。
宗一郎さん、でずっぱりですね。
茶席で別の時間のグループの謡を襖越しに聞いていましたが、それぞれ違う一節を謡われていたようです。
まあ贅沢な時間ですよね。

しぇるさん、こんにちは

しぇるさん、博識ですね~

御blogに来ると、いつも勉強になります^^

今夜、冷えますぞ

雪かも・・・

御自愛くださいませ

高兄様

決して博識なわけではなく、知らないことが多いので調べ調べしながら書いています。
これが勉強になるんです。え?こんなこともしらなかったのか!と驚くことも多くて。

今夜も冷えますか。でも雪の京都ってほんとにフォトジェニックなので、それでもいい!


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