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2023-12

雪中・またまた2 ways of お茶の日 - 2014.01.21 Tue

先日、いやに冷え込むなと思ったら、案の定、朝起きると庭がこんなことになっていた。

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車の上に積もった雪深をはかるとゆうに10cmはあった。今季はじめての本格的な積雪。


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東山のうっすら雪化粧はほんとうに美しい。


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雪の朝に茶事茶会に招かれるくらい嬉しいことはないと思う。先日の夜来た弘道館は、この朝こんな感じでした。今日は月釜、今年初の茶会です。


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月に1回はほぼ来ているので、春夏秋冬の弘道館の風情をたのしめるけれど、雪の風情を見ることができたのは初めてかなあ。


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待合で、先日聞いたばかりの謡曲「髙砂」を宗一郎さんの謡で再び聞くことができた!

          ♪ 相生乃松こそめでたかりけれ

いただいた菱葩餅は(当然ながら)老松さん製。ただしこの茶会のため特別に作った川端道喜タイプ。味噌あんがとろりとろ〜りとしたたるので懐紙で包むように食べると着物をよごさないのだとか。古くより、宮中に菓子をおさめていた川端道喜に敬意を表し、他の菓子舗では店に並べる花びら餅は違うタイプの物を作るのが暗黙の了解なんだそうな。


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雪の露地を眺めながら軒下を通って七畳の茶室へ。冷泉為ナントカ(忘れた!)さんの懐紙切のかかる床には長い長い結び柳。


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「髙砂」は翁・媼がでてくるのでいまでこそ結婚式の定番と思われがちですが、本来謡曲では松の栄えは和歌の繁栄の姿として、歌道の栄えることを言祝ぐものなのです。なので歌守の家、冷泉家の懐紙がかかるのはなるほどと合点がいきました。

お点前は及台子・皆具を用いた濃茶点前。おいしく頂戴いたしました。雪中、よけいに一椀のあたたかさが身にしむ。


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端整な雰囲気のお茶を楽しんだ後、弘道館をあとにしてむかったのは、一転して寒風吹きすさび小雪のちらつく北大路の加茂川原。



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平成の売茶翁とおよびしているS坊さんが、週末やっておられる鴨川托鉢茶会。昨年晩秋におじゃましたときは露天でしたが、、、、ななな・なんと!進化している!風よけテントまで!


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これは待庵もびっくり!(いつもこのセリフになる^_^;)の一畳台目の茶室ではありませんか。

「こんな寒い日にこんなところでお茶をしている阿呆もおれば、それを飲みに来る阿呆もおる。のぞいていく阿呆もおるしな〜。」

S坊さんオンステージの笑かせてくれる話を聞きながら、それでも手元はきちんとお茶を点ててくださっている。お稽古で習う点前とはずいぶんちがうけれど、茶碗にいれる前に普通の茶漉しで丁寧にお茶を漉してくださる。信楽で自作の窯で焼いたお茶碗でいただく。お釜は、これも御自作の助炭囲いでかこってあるのでアツアツのお湯。

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テントがあってもすきまからビュービュー寒風は吹き込むのに寒いからツライとは少しも思わなかった。こんな阿呆たちの茶会をのぞいて声をかけてくれるご近所の通行人さんもいて、案外楽しい。
S坊さんによると京都は格段に声かけ率が高いのだそうだ。よその土地ではみんな遠回しに見ているだけ、、、なんだそうな。京都人、本音をみせないとこあるけど実は好奇心旺盛(^o^)

こんな日にここに来る人は少ないだろうと、S坊さん、あまりたくさんお菓子(これもご自作の芋と百合根の茶巾絞りなのよ)をご用意されていなくて、私たちは二人で行ったので一つ足りないことに。
う〜んと考えてS坊さん、おもむろにひきだしの容器からふかした細いサツマイモをとりだし一口大にカット。目の前で茶巾でこれを絞って出して下さった。

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目からウロコ!
そしてこの日一番感動した。
高価なお菓子は確かにおいしい。でもこんな素朴な口どりほど感動することはめったにないだろうと思った。
これが茶の湯の原点ではなかろうか。


S坊さん、思いついたら週末植物園そばの加茂河原で托鉢茶されてます。ご喜捨はタダから上は決めもうさず。機会がありましたらのぞいてみてください。堅苦しい作法はかえってNGなのでお茶を知らないかたこそ是非。



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● COMMENT ●

う〜ん!
私も実は同じコースでした。きっと私の方が早かったのね。
まだ芋金団は普通にありました。
時折 雪が入ってきて それなのに寒くはなく 一度は伺いたいと思っていた侘びた席で
それはそれはすばらしかったですねえ。

しぇるさんのとこのお庭、素敵!!やっぱり北は寒いんですねぇ。

ひいらぎ様

鴨茶のあとは、またまた円真の自主稽古をしておりました。貴重な休日、朝から友までほぼお茶三昧、これもありがたい幸せです。

花咲おばさん様

北っていっても、うちはまだ今出川越えてませんよ〜(^_^;
庭は一瞬雪景色でしたが、昼前にはもうとけちゃってました。

 弘道館、私も行きました。太田さんのお話では、雪の日こそ露地の掃除を念入りにしなければならないとのこと、それも足跡を残さずに。
普段から雪に埋もれている私たちは、露地の掃除がないことだけは助かるなどと思っていたので、身が縮む思いでした。
 このところ連日茶友と語り、それにしても、人それぞれのお茶があるものだと改めて感じるこの頃です。  

そらいろつばめ様

あはは、、、確かにたまにしか積もらない京都で風流なことを言っていても、雪国の人には???かもしれませんね。実際積雪の多い地方での茶会ってどうだったんでしょう。金森宗和の庭玉軒かな〜。(^^)
私も最近茶を通じた知り合いがかなり増え、すごく励みになっています。がんばらなくちゃ、私なりに。お忙しい事と思いますがまたうちにも一服しに来てください。


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