topimage

2017-06

茂山狂言会〜四世茂山千作一周忌追善狂言 - 2014.02.19 Wed

茂山狂言と言えば「お豆腐狂言」。

まだ能狂言が一部の支配階級のものだった明治の初め、茂山家の狂言師たちは、地蔵盆やらお祝いの会やら庶民の会に顔を出し、どこでも演じていたため、仲間うちからどこにでも出て行く「お豆腐のような狂言だ」と悪口いわれていたそうです。(京都では常々おかずに困ったら「お豆腐にでもしとこか」と言うんですって)

それを逆手にとって、「お豆腐狂言上等!」(と言ったかどうかしらんが)と、「困ったときは茂山でも呼ぼか。」といわれるような狂言をやればよい、というので「お豆腐主義」が以来茂山家の家訓なんだそうな。


そもそもお豆腐狂言という言葉は、大ファンであるところの京極夏彦先生の「妖怪・豆腐小僧」で知ったようなもの。ご縁で先生は故茂山千之丞さん(千作さんの弟)のための書き下ろし狂言「豆腐小僧」を書かれたんです。


P21600023.jpg

ちなみにいかにファンだったか、豆腐小僧のTシャツ持ってることで証明?!( ̄^ ̄)ゞ

しかるに能狂言については、興味はあって、ちらちらとかじってはいるものの、超初心者のさらに入り口前といった状態。茂山一家もなんだかご兄弟がたくさんいらして、どなたがどなたのご子息やらなにやら名前を聞いただけではよくわからない。


P21600012.jpg


でも昨年なくなった人間国宝、四世千作さんのご高名は存じておりました。残念ながら実際の舞台を拝見する機会はありませんでしたが、画像で見る限りでてこられただけで、あのお顔を見ただけで、なんだか顔がゆるんでしまって安心して笑えるぞ〜と思わせる雰囲気のある方でしたね。


P21600081.jpg


で、金剛能楽堂(御所西)でおこなわれた一周忌追善講演会にまぎれこむ。入り口では切符のもぎりのなかにTVでもよく拝見する茂山宗彦さんのお姿もあり(「ちりとてちん」と「ふたりっこ」のイメージが強いなあ。)。ご挨拶のご夫人方、デビュー前?のひ孫世代のお子さんがた、ファミリー総出といった感じで、こんな風に守られる伝統芸能もあるのね、と思う。


P21600011.jpg

入り口の所で「太郎冠者のあせふき」という手ぬぐいを買って、ちゃっかり茂山あきらさん、千三郎さんにサインをいただく>^_^<


P21600091.jpg
(入り口付近のテラス。左手のフェンス向こうは車行き交う烏丸通り)

さて演目は、、、

1)枕物狂

   百才になる祖父が恋をしていると聞きつけ、孫二人がそれをかなえてやろうとするお話し。祖父役は千五郎さん(千作さんの長男)、孫の役を実際のお孫さんの小学生の双子ちゃんがやるはずだったのですが、一人が風邪でダウン、代役はちょっと大きいけど逸平さん(「ごちそうさん」や「オードリー」だわね)でした。これ、双子ちゃんだったらほんとうにかわいいだろうなあ。まだ小学生なので、途中で咳き込んだり、セリフを2回言ったりがほほえましい。将来彼らが狂言師を職業として選ぶかどうかはわかりませんが、これだけ下地ができていれば、、、ねえ。最後にでてきた祖父の思い人役の女の子が、またお孫さんで7才、とってもかわいい〜でもじじ冥利につきますよね。


2)船弁慶

   知盛の怨霊が金剛流宗家・金剛永謹さんでヤッタ〜!ええもん見られた!長刀をもって義経におそいかかる知盛の迫力のある舞いが最高。ちなみに義経をこれも千五郎さんの孫娘9才が演じられた。9才ともなるとかわいいというよりかっこいいわね。


3)無布施経

    お坊さん(茂山正邦さん・千五郎さんの長男)が、いつもはお布施をくださる檀家さん(宗彦さん)がなかなかだしてくれないので、あの手この手で謎をかけて催促するはなし。これが一番狂言らしい狂言だったかも。どこか千本ゑんま堂の狂言に似た感じで、ふたりの掛け合いがおもしろい。これは千作さんと弟の千之丞(千作さんに先立つこと3年)の得意の演目だったそうな。見たかったな。



4)唐相撲

    これぞ破天荒!こんな狂言があったなんてしらなかった!茂山一家43名総出の大芝居!あまりに現代でも通じる、というかドリフの「8時だよ、、、」(古っる〜!!)にも匹敵する肉体派どたばたに、新作かとおもったら、由緒ただしい古典名作なんですって。

中国に滞在していた日本の相撲取りが皇帝に,帰国を許してくれるよう願い出る。皇帝は名残にもう一番相撲を見たいと言うので、通辞を行司に,かかってくる唐人たちをみな負かしてしまう。最後に皇帝みずから相手をすることになる。

その間、唐人たちのデタラメな中国語(?)が笑える笑える。再現はようせえへんが、タモリの四カ国語麻雀みたいな。それにとんぼ返りはあたりまえ、4人キャタピラーみたいな大技や、橋懸かりを飛び越えたり、能楽堂の柱に登ってええんかい?と思うけど、登るんだよなあ。
こちらのオフィシャルサイト()に画像があるので、ご一見のほどを。雰囲気はわかります。

後半、約40人がずらっと並んでラインダンスのように足踏みを繰り返す場面があるのだが、あれだけたくさんの人がやっているのに足音ひとつしないのにはおどろき感心した。修行のたまものなんですね。

唐子の一員として、千作さんのひ孫たち、上は9才から下は2才まで7人が勢揃い。最後に舞台から引き上げるときは2才児さん、すやすやと爆睡してはりました(^_^;カワイイ!



千作さんは戦後まもなく弟の千之丞さんと兄弟で、演劇やオペラなどの異業種共演やTVや現代劇にも進出したり、地道な学校狂言廻りをしたりしたそうで、それが元で異業種共演を禁忌とする能楽界から追放されそうになったこともあるそうです。今でこそ、異業種共演は当たり前ですが、先見の明があったのでしょうね。そんな兄弟の努力がなければ能・狂言は衰退の一途をたどっていたかもしれません。

この日会場は満員御礼で補助席まででる盛況ぶり。これも茂山一家の新たな狂言ファン獲得の努力なくしてはありえないことだったかもしれません。

ホール前には千作さんのご遺影がお花やお菓子にうもれ、にこにこ、あの笑顔で笑っておられました。



<余談です>


金剛能楽堂のすぐ北側なので、ついつい終わったあと足をはこぶ。

P21600121.jpg


とらや菓寮一条店。


P21600131.jpg

むしやしないに赤飯を食べようと思ったら売り切れだったので、あべかわ餅をいただく。とらやは菓子屋なのにねえ、ここに来ると餅系が食べたくなるの。


関連記事

● COMMENT ●

行かれたのねえ。私も行きたかったです。狂言は能と違って楽しいですね。
能はそれはもう 美しいのですが。狂言も好きです。
この私は熱で寝てばかりと思いましたら インフルエンザでございました。

ひいらぎ様

インフルでしたか。お大事に〜。
私も風邪でまだ嗅覚と味覚がもどらないところへ花粉症もプラス。
えらいことになってます(泣)
能のあいまの狂言は何回かみましたが、狂言だけの会ははじめてでした。
あちこちにお豆腐よろしく出張されているので、また拝見する機会もあると思います。


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://cherubinpriel.blog.fc2.com/tb.php/235-f6e04899
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

きさらぎ雑記・2014 «  | BLOG TOP |  » 大雪の奈良〜第1回珠光茶会

最新コメント

プロフィール

しぇる

Author:しぇる
京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

最新記事

カテゴリ

未分類 (7)
茶の湯 (204)
茶事(亭主) (24)
茶事(客) (57)
京のグルメ&カフェ (49)
町家ウォッチング (7)
弘道館 (6)
岡崎暮らし (48)
MUSIC (4)
能・歌舞伎 (31)
京都めぐり2017 (18)
京都めぐり2016 (34)
京都めぐり2015 (34)
京都めぐり2014 (39)
京都めぐり2013 (36)
京都めぐり2012 (6)
本・映画 (8)
美術館・博物館 (47)
奈良散歩 (18)
大阪散歩 (1)
着物 (6)
京の祭礼・伝統行事 (35)
祗園祭2017 (1)
祗園祭2016 (18)
祗園祭2015 (16)
祇園祭2014 (13)
祇園祭2013 (14)
修二会2017 (4)
修二会2016 (3)
修二会2015 (3)
修二会2014 (3)
修二会2013 (3)
その他の町散歩 (2)
京都和菓子の会 (3)
パリ紀行2014 (7)
イスタンブール・カッパドキア紀行2013 (8)
京都でお遊び (5)
英国田舎紀行2015・湖水地方とコーンウォール (7)
古筆 (1)
ノルウェー紀行2016 (4)
ギャラリー (3)
中国茶 (21)
暮らし (4)
京都の歴史・文化について勉強 (1)
過去ブログ終了について (0)

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR