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2017-08

修二会2014・その2〜走り・達陀 - 2014.03.16 Sun

二月堂から一時帰ってご飯とお風呂をすませて仮眠をとり、ふたたび夜の22時ごろ二月堂をめざす。


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さいわいこの頃には雨は上がった。


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二月堂への道。



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この時間鹿はまだおきている。


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こんな遅い時間に来る人も少ないだろうと思い、実際参道ではほとんど人影がなかったのだが、、、、

甘かった!!!

二月堂の正面にあたり、香水をたまわったり達陀を正面から見られる西の局は扉をあけるともう立錐の余地がないほど参拝者であふれかえり、とうてい入れない。どうやらお松明の後、毛布など持ち込み長期戦でうたた寝をしながら籠もっていた人が多いらしい。


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なので比較的すいている北の局に入ることにした。こちらにも毛布持ち込み長期戦組の方がおられた。(半分居眠りされてたが)

もちろん初夜堂上してからお堂の内陣のなかではずっと行法が続いている。暗闇に目が慣れてくるとほのかなお灯明にてらされた内陣の様子がうかがえる。ゆらゆら影を作るつみかさねられた壇供の餅、糊こぼしの花、差懸の音を響かせて堂内を回る練行衆の姿、そして祈りの声。

何回も聞いていると、あ、これはあの声明だ、と耳がおぼえてくる。好きなのは、現代のポップみたいな節のものと有名な「南無観世音菩薩」がだんだん短くなり最後に「南無観 南無観 南無観、、、」となるもの。



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堂内はまもなく走りの行にはいった。差懸も脱いで裸足で堂内を走り祭壇をぐるぐる回る。練行衆の影がとびさっていくようだ。ときおり一人ずつ戸帳からとびだして五体投地をする激しい音が聞こえる。(西の局ならこれを見ることができる)

兜率天の天上界の一昼夜は人間界の400年に相当する。天上界の行法を人間界に写したいと願った実忠和尚は、普通に行を行っていたのでは間に合わぬ、だから少しでも行を早めよう、と願ってこの走りの行法をさだめたとか。


走りのあとは、前日閼伽井屋からくみあげられたご香水(こうずい)が参拝客にもちょうだいできる。ただし西の局だけ。(たぶんあの人の多さでは最前列の人だけしかたまわれなかったことだろうが。)
「礼堂に香水を参らせ〜」の声のみ聞く。

昨年は西の局で香水をいただいた。格子戸から手をさしだして注いでいただいた香水は量もたっぷりで、口に含めばまことに甘露であった。


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香水給りのあと、後夜(六時の行法の一)にはいり、四天王勧請、四方にて場を浄める四方加持がおこなわれるが、耳を澄ませばこの時、四方に洒水して浄めている水音が聞こえる。そして帷の影で練行衆が達陀の衣裳・達陀帽を身につけていくのが見えた。

いよいよだ。

(ちなみに達陀帽は、奈良国立博物館のお水取り展でほぼ毎年出されるから拝見できるよ。きわめて異国風で、きらきら金襴の赤い長い短冊のような物がたくさんついていて、修二会が終わった翌日、参拝者にかぶらせてくれる《達陀帽戴かせ》)



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正面の西の戸帳が巻き上げられ、西の局からは正面が見えるのだが、北の局からはかろうじて見えるし、内陣の所作はここでしか見られないので、かえってよかったかもしれない。

まずは八天の加持。

水天(もちろん練行衆がやってます)が小走りにあらわれ、身をかがめて何回かはずみをつけたあとピョンと跳び上がって香水を礼堂にぱっとまいてはすばやくひっこむ。このときのはずみを付ける動作がとてもユーモラスでどこか壬生狂言を思い出しちゃった。
ついで火天が同じ動作をして火の粉を撒く。
同様に芥子はハゼ(餅米をはぜさせたもので堂内を浄めるのによく使われる)、楊枝は楊枝を撒く。
大刀、鈴、錫杖などをそれぞれもって加持。


この間、鈴(コロコロという音でカウベルに近い音)と法螺貝の音がBGMで、これがまた雰囲気を盛り上げている。あの鈴の音も大好き。


そして3m、40kgある杵型の達陀松明に火がつけられるのだが、この火をつけるところが北の局からはよく見えた。

火天がこの松明をかかえて「ブ〜ン、ブン。ブ〜ン、ブン。」という独特の、一度聞いたら忘れられない法螺貝のリズムにあわせて松明を突き出したり引っ込めたり。この炎を洒水器と散杖をもった水天が同じような動作でこの松明を浄める。

ついで激しく燃える松明を堂内で引き回すのも北の局ならではよく見える。しかし大丈夫だとわかっていてもこんな狭い堂内で危なくないのか、火事になりゃしないかとどきどきする。
同じ所作を数回繰り返し最後にどっと松明を礼堂に投げいれて(ここもひやっとするわ)すばやく消火。

これにて達陀終了。


イメージがわくと思うので、本にのっていた写真をちょっと拝借。


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実際はこのくらいの暗さ。


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フラッシュたくとこんな感じか。

念願の達陀を斜め後からながら初めて拝見できて感動。こりゃやみつきになりそうだわ。

達陀は実に謎の多い行法らしい。一節では実忠和尚が修二会を行っている最中に、兜率天から八人の天人が下りてきて不思議な、人間には理解できないような行法を行ったのを写したものとか。それがあの不思議なユーモラスな所作なのか。仏教的と言うよりどこか遠くの国、ペルシャとかゾロアスター教とかそんなものが入り交じったような雰囲気。さすがシルクロードの終着点奈良だな、とひとり勝手に納得する。



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達陀がおわれば一日の行法はおわる。時計は午前1時半をとおに過ぎていたが、せっかくなので練行衆の下堂を待つ。童子たちが手松明を持って待機する。



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スミマセン。早すぎてこんな写真しかとれなかった、なにしろ下堂は、お松明が登ってきた階段を参籠宿舎まで一気に駆け下りるのでその早いこと、早いこと!


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後ろ姿だけかろうじて。


このとき童子たちは「手水(ちょうず)〜、手水〜」と大声で叫ぶ。これは「手水にいっているだけだ、すぐもどるぞ」とカラス天狗に知らせるためだとか。カラス天狗は好奇心が強く、お堂を留守にするとはいりこんで行法のマネをする、と言い伝えられているかららしい。なにからなにまでおもしろいというか、不思議な行法である、修二会は。
行くたびに新しい発見をし、新しい知見を得、どんどん深みにはまっていくようだ。(あと祇園祭もね)


この後懐中電灯で足元を照らしながら宿に帰ったのが午前2時過ぎ。いささか興奮していたので眠れるかな?と思ったが、朝まで爆睡(^_^;)










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● COMMENT ●

ジモティーなのに一度だけ、それもてきとーにお松明を見たことしかないので、今年は本を読んで勉強してちゃんと観ようと思っていたのにスペインと重なって観られず…。
今年も薬師寺花会式でお献茶でも観てお茶を濁そうかしら…。

relax様

京都人が金閣寺にいかないのと同じですね〜。ならまち振興会のおぢさんも松明みたことがないと言ってはった。まあ、そういうもんかもしれません。(^_^;


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