周利槃特に憧れて〜正午の茶事 - 2014.04.23 Wed
お釈迦様の弟子の中で一番愚かで頭が悪い弟子がおりました。名前を周利槃特(しゅりはんどく)と申します。どれほどアホウだったかというと、自分の名前が書けない、名前をよばれても自分とわからないというくらいのアホウだったそうです。

それを悲しんでお釈迦様のもとを去ろうとしたとき、お釈迦様がとめておっしゃるには「 自らの愚を知る者は真の知恵者である。」そして一番好きなことはなにかとお尋ねになると、周利槃特は「掃除」とこたえたため、一本の箒をお与えになった。
周利槃特は毎日毎日何年も何十年も「塵を払い、垢を除かん」と唱えながらただひたすら掃除を続けついに悟りをひらいたのだそうな。

(茶事のためにお掃除ちうの茶室)
この逸話をおしえてくれた方をお正客に招いた茶事を我が家でひらきました。この方はその周利槃特の教えをまさに実践されている方で、以前お宅にお招きにあずかったとき、あまりに見事に掃除されている広い庭にほんとうに感激いたしました。なにせピンセットで雑草取りまでされたそうですから。

そういえば大学時代在籍した心茶会はお茶の会というより、坐禅とお掃除倶楽部(私が秘かに命名)というか、そのマニアックな掃除ぶりには、そこまでやるか〜!?、、、と最初啞然としたものです。
なにやら相通ずるものが。
以来少々めんどくさいしんどい掃除も「修行、修行、、、」と唱えながらすれば、なんとなく心まで洗われるような気がいたします。(まあ、気がするだけ、、、ですが^_^; )

なので、今回たいしたおもてなしはできませんが、掃除だけはしっかりガンバロウ!と毎朝出勤前に、どさどさおちる常緑樹の落ち葉と戦い、雑草と戦い、茶室を浄め、、。苔の一念、周利槃特の一念、悟りはまだまだひらけそうもありませんが、なんとかカッコウをつけて茶事に臨みました。

(玄関)
この流れで、心茶会の遠い後輩(在籍期間は全く重なりませんが、同じ線上の話ができるってなんてうれしいことなんでしょ)さんと、先日、白川で革新的な野点・茶席を開催されたK会の首魁(?)若き茶道男子をお招きすることができました。なにかセンスが相通じるものがあり、みなさまをお引き合わせできたのもうれしいことでした。

雨が降ると露地草履も雨傘もないので、蹲居も使ってもらえないし天気を気にしいしいでしたが、日ごろの行いもよく(?)なんとか最後の方までもってくれました。だって一番のご馳走はこの露地ですから。
これは露地の踏み石。寒い時期から欠かさず庭の水まきをやった成果で苔と羊歯が自然にはえてきた!これはもうけもの。

もひとつ、塵穴から勝手に生えてきた羊歯。これは青葉を切っていけなくてもよいので、塵箸のみ添える。らっき〜。

かくなる上は本席の軸は当然心茶会創始者・久松真一(抱石)先生の「随所作主」。座右の銘でもあり、一生到達できぬ目標でもあり、一生ほんとうに理解はできない言葉です。
(随所に主となれば 立つところ皆真なり:臨済録)
(ちなみに待合にはさるお方から拝領した澤庵さんの短冊をかけさせていただきました。お正客が沢庵さんと同じ兵庫県の方ですし。)

腰掛け待合いの煙草盆。これの火をもたすのにいろいろ試行錯誤して、火入れ炭をがんがんに灰になるんじゃないかと思うまでに熾してからいれるのがよいかな、と思います。(勝率まだ5割)

しかも茶友に紹介してもらったこんな秘密兵器もあります。火入れ炭をこの筒の中に入れて火をおこせば早く上の方まで熾るスグレモノ。

しょっぱなから炭手前の紙釜敷をフトコロにいれるのを忘れるという失敗を披露しながらも、お客さまの言葉にすくわれなんとか。懐石オール手作りは、、、さすがにまだ無謀なので、松花堂弁当をとりましたが、筍しんじょうと八寸だけはなんとか自分でこさえました。
やはり小間は三人くらいでやるのがいいなあ。自分のキャパもありますが、話題が一つにまとまりやすいし、千鳥の盃で、ちょうどよい量のお酒がのめますし。

主菓子は毎度お世話になっている北白川山もとさんのきんとん、「山つつじ」。

中立の間にすだれも自分で巻き上げます(半東さんがいないので)。後入りを告げる銅鑼は川口美術で手に入れた古い韓国の農楽用の銅鑼。すごい割れ鐘みたいな音がでますが、叩く場所によって意外と澄んだ音がでることに気づく。これは次回への課題。

軸を片付け、後座の花はハナショウブにて。
ここからは怒濤の李朝趣味にて、茶碗も水指も高麗、炭斗も花台も李朝だ〜。仕入れ先は主に下鴨・川口美術(お客さまの茶道男子が出入りしている^_^; )、奈良の中上美術、グランピエ丁子屋、弘法市、大アンティーク市、、などなど。

うふ
この柄杓の合がはいるかどうかぎりぎりのラインの水指がいいでしょ?(自画自賛)濃茶もわれながらなかなかうまく練れたとおもうのだけれど。(これも自画自賛)
後炭では、今季最後の炉の炭を楽しみました。さすがにもう炉に近寄ると暑く感じますね。来月はもう初風炉です。

さて、用意した干菓子は如心納豆(千歳屋)とUCHUのフルーツ和三盆。菓子器は箕と、、、、周利槃特のシンボル、箒添え〜!(*≧ω≦)♪
薄茶はなごやかに、いろいろあれこれ、ほんとうに話は尽きませんでしたが、そろそろお客さまのおみ足のほうも限界かと思われ、これにてお開きです。
お客さまのお人柄に助けられ、楽しいうれしい茶事になりました。深謝です。

お客さまが帰られた後の席中の煙草盆の炭、ほろりとくずれ、しっかり最後まで全部灰になっていました。今回は大成功\(^O^)/

これから片付けに入るまでの貴重なひととき、独座観念です。実はこの時間が好きで茶事をやるのかもしれませんね。

それを悲しんでお釈迦様のもとを去ろうとしたとき、お釈迦様がとめておっしゃるには「 自らの愚を知る者は真の知恵者である。」そして一番好きなことはなにかとお尋ねになると、周利槃特は「掃除」とこたえたため、一本の箒をお与えになった。
周利槃特は毎日毎日何年も何十年も「塵を払い、垢を除かん」と唱えながらただひたすら掃除を続けついに悟りをひらいたのだそうな。

(茶事のためにお掃除ちうの茶室)
この逸話をおしえてくれた方をお正客に招いた茶事を我が家でひらきました。この方はその周利槃特の教えをまさに実践されている方で、以前お宅にお招きにあずかったとき、あまりに見事に掃除されている広い庭にほんとうに感激いたしました。なにせピンセットで雑草取りまでされたそうですから。

そういえば大学時代在籍した心茶会はお茶の会というより、坐禅とお掃除倶楽部(私が秘かに命名)というか、そのマニアックな掃除ぶりには、そこまでやるか〜!?、、、と最初啞然としたものです。
なにやら相通ずるものが。
以来少々めんどくさいしんどい掃除も「修行、修行、、、」と唱えながらすれば、なんとなく心まで洗われるような気がいたします。(まあ、気がするだけ、、、ですが^_^; )

なので、今回たいしたおもてなしはできませんが、掃除だけはしっかりガンバロウ!と毎朝出勤前に、どさどさおちる常緑樹の落ち葉と戦い、雑草と戦い、茶室を浄め、、。苔の一念、周利槃特の一念、悟りはまだまだひらけそうもありませんが、なんとかカッコウをつけて茶事に臨みました。

(玄関)
この流れで、心茶会の遠い後輩(在籍期間は全く重なりませんが、同じ線上の話ができるってなんてうれしいことなんでしょ)さんと、先日、白川で革新的な野点・茶席を開催されたK会の首魁(?)若き茶道男子をお招きすることができました。なにかセンスが相通じるものがあり、みなさまをお引き合わせできたのもうれしいことでした。

雨が降ると露地草履も雨傘もないので、蹲居も使ってもらえないし天気を気にしいしいでしたが、日ごろの行いもよく(?)なんとか最後の方までもってくれました。だって一番のご馳走はこの露地ですから。
これは露地の踏み石。寒い時期から欠かさず庭の水まきをやった成果で苔と羊歯が自然にはえてきた!これはもうけもの。

もひとつ、塵穴から勝手に生えてきた羊歯。これは青葉を切っていけなくてもよいので、塵箸のみ添える。らっき〜。

かくなる上は本席の軸は当然心茶会創始者・久松真一(抱石)先生の「随所作主」。座右の銘でもあり、一生到達できぬ目標でもあり、一生ほんとうに理解はできない言葉です。
(随所に主となれば 立つところ皆真なり:臨済録)
(ちなみに待合にはさるお方から拝領した澤庵さんの短冊をかけさせていただきました。お正客が沢庵さんと同じ兵庫県の方ですし。)

腰掛け待合いの煙草盆。これの火をもたすのにいろいろ試行錯誤して、火入れ炭をがんがんに灰になるんじゃないかと思うまでに熾してからいれるのがよいかな、と思います。(勝率まだ5割)

しかも茶友に紹介してもらったこんな秘密兵器もあります。火入れ炭をこの筒の中に入れて火をおこせば早く上の方まで熾るスグレモノ。

しょっぱなから炭手前の紙釜敷をフトコロにいれるのを忘れるという失敗を披露しながらも、お客さまの言葉にすくわれなんとか。懐石オール手作りは、、、さすがにまだ無謀なので、松花堂弁当をとりましたが、筍しんじょうと八寸だけはなんとか自分でこさえました。
やはり小間は三人くらいでやるのがいいなあ。自分のキャパもありますが、話題が一つにまとまりやすいし、千鳥の盃で、ちょうどよい量のお酒がのめますし。

主菓子は毎度お世話になっている北白川山もとさんのきんとん、「山つつじ」。

中立の間にすだれも自分で巻き上げます(半東さんがいないので)。後入りを告げる銅鑼は川口美術で手に入れた古い韓国の農楽用の銅鑼。すごい割れ鐘みたいな音がでますが、叩く場所によって意外と澄んだ音がでることに気づく。これは次回への課題。

軸を片付け、後座の花はハナショウブにて。
ここからは怒濤の李朝趣味にて、茶碗も水指も高麗、炭斗も花台も李朝だ〜。仕入れ先は主に下鴨・川口美術(お客さまの茶道男子が出入りしている^_^; )、奈良の中上美術、グランピエ丁子屋、弘法市、大アンティーク市、、などなど。

うふ

この柄杓の合がはいるかどうかぎりぎりのラインの水指がいいでしょ?(自画自賛)濃茶もわれながらなかなかうまく練れたとおもうのだけれど。(これも自画自賛)
後炭では、今季最後の炉の炭を楽しみました。さすがにもう炉に近寄ると暑く感じますね。来月はもう初風炉です。

さて、用意した干菓子は如心納豆(千歳屋)とUCHUのフルーツ和三盆。菓子器は箕と、、、、周利槃特のシンボル、箒添え〜!(*≧ω≦)♪
薄茶はなごやかに、いろいろあれこれ、ほんとうに話は尽きませんでしたが、そろそろお客さまのおみ足のほうも限界かと思われ、これにてお開きです。
お客さまのお人柄に助けられ、楽しいうれしい茶事になりました。深謝です。

お客さまが帰られた後の席中の煙草盆の炭、ほろりとくずれ、しっかり最後まで全部灰になっていました。今回は大成功\(^O^)/

これから片付けに入るまでの貴重なひととき、独座観念です。実はこの時間が好きで茶事をやるのかもしれませんね。
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● COMMENT ●
ついにK会さんを招かれましたね。楽しかったでしょうねえ。
若い方にはこれからもっともっとがんばってお茶をひろめてほしいものです。子供と同じくらいの年齢の人たちと席をおなじゅうして違和感がないのは、やはりお茶の功徳でしょうか。
掃除は本当に大事ですね。我が家も明後日は震災チャリティー茶会なので、明日はしっかり掃除をしましょう。4回めになりますが、お運びの子どもたちの、この間の成長ぶりに驚いています。自分のお茶も成長していると良いのですがねえ。
しぇるさまは様々な方との交流で、お茶の世界が広まりそして深まっていく様子が伝わってきます。
しぇるさまは様々な方との交流で、お茶の世界が広まりそして深まっていく様子が伝わってきます。
そらいろつばめ様
チャリティー茶会ももう4回目ですか!すっかり定例行事になりましたね。
みなさまのご努力のたまもの、これからもずっと続きますよう。
自分の生活テリトリーで、細くても長く広くつづけられる場所をみつけたい、作りたいと思っています。
お茶に関わることならなお結構。いまだ手さぐり状態ですが。
みなさまのご努力のたまもの、これからもずっと続きますよう。
自分の生活テリトリーで、細くても長く広くつづけられる場所をみつけたい、作りたいと思っています。
お茶に関わることならなお結構。いまだ手さぐり状態ですが。
娘や孫がやってくるときにはハイハイもするし、ゴミも口にするし、頑張ってお掃除するのに、帰ったとたん「まっ、ホコリでは死なないし」なんて見て見ないふり。お茶はしぇるさんとは域が違うので、到底ついてはいけませんが・・・・ブログを読ませていただいて、お茶の底辺を流れる精神を思い出し・・・・本日、二組の孫もそれぞれの家に帰っていったことですし、又明日からは天気もいいようですし、庭にはオダマキ、すずらんも咲きだしたことですし・・・心をこめてお掃除でもしましょうか。
花咲おばさん様
くる前に掃除をしても、子・孫が帰った後には草も生えない、、、じゃないですが、家中あれはてているので再び必死になってお掃除しちゃいますね〜。昔お掃除はだいっきらいだったのに、おかしいな〜。これもお茶の功徳でしょうか。ならばやっぱりダンナにも茶道させたいな〜、、、
連休、、、掃除はしたし、外にも出たし、、、でやっぱり時間が足りません。
連休、、、掃除はしたし、外にも出たし、、、でやっぱり時間が足りません。
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