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2017-08

杜若〜観世会四月例会 - 2014.05.02 Fri

徒歩圏内、観世会館にて四月の観世会例会にいってまいりました。


P42700821.jpg


能3番に狂言1番が演じられましたが、今回は時節柄その1つの「杜若」をご紹介。作者は世阿弥。

らころも
  つつなれにし
     ましあらば
        るばるきぬる
            びをしぞおもふ


伊勢物語の有名な歌です。それぞれの節のあたまをよむと「かきつは(ば)た」になるのがミソのこの歌は、古典の授業でかならず勉強しているはず。でもこの歌は知っていても、伊勢物語の内容、在原業平の生涯について知識がないとワカラナイ、、、という、昔の人の教養ってすごいな、と思わせる一番になっておりますね。

ストーリーはシンプル。
旅の僧が三河の国にて、杜若が美しく咲いている沢にみとれていると、里の女登場。ここはかの業平が「からころも、、、」を詠んだ八橋というところだと告げて、いろいろ業平について語ります。

   主は昔に業平なれども 形見の花はいまここに 在原の跡な隔てそ杜若
       沢辺の水の浅からず 契りし人も八橋の 蜘蛛手にものぞ おもはるる、、、



(名調子やな〜。ほんと、古語って美しい!)



P11602751.jpg
(写真は2年前の太田の沢の杜若)


女は僧を家にいざないます。
そこでいきなり変身、「色も輝く衣」をまとい、「透額の冠」を着け、僧の前に現れます。この輝く衣は高子の后の御衣、冠は業平が五節の舞いで身につけた冠であると告げます。

高子の后とは通称二条后、清和天皇の女御にして陽成天皇の生母ですが、入内前に業平と恋人同士であったと伊勢物語にあります。彼女を入内させたい藤原一族としては業平はめざわりな存在だったことでしょう。確執があったあげく、業平は彼女を盗み出した、というエピソードが伊勢物語の「芥川」で語られています。あの有名な「白玉か何ぞと人の問ひしとき露と答へて消えなましものを 」の歌の段です。
結局高子はつれもどされ、傷心の業平はこのことがもとで東下りするはめになったとか。

一体あんたは何者?という僧に女は自分は杜若の精であるとつげ、業平の物語を語り、美しい舞を舞って、最後に業平は極楽の歌舞の菩薩の化現なれば、草木も悉皆成仏する、、と夜明けとともに消えていきました。


P10708511.jpg


これは杜若の精が身につけている冠。白黒なのでその美しさが伝えきれないのは残念ですが、梅の花をかざし、日蔭の糸という朱色の飾り紐を下げたとても優美な冠。これも伊勢物語第1段の「初冠(ういこうぶり)」にかけてあるらしい。

唐衣をつけ、冠をかぶり太刀を佩いて舞う杜若の精の姿はとても美しいのだが、この「杜若」、言えばちょっと通向きの一番だったかも、、、。舞のところでちょっと意識が遠のいて、、、(^_^;

でもこれに刺激を受けて、伊勢物語(もちろん現代語訳で、、、)をもう一度読み直してみようと思っています。画題や茶道具の銘にも伊勢物語にちなむモノはけっこう多く、知らなければイマジネーションをひろげようがありませんものね。


(ああ、、それにしても一番約90分x3、長時間すわって腰が、、痛い、、、、(>_<)  )




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● COMMENT ●

徒歩圏内で能鑑賞なんて羨ましい限りです。
それにしても高子さんは、自由奔放な生き方をなさった方ですねえ。
  雪のうちに春は来にけり 鶯の凍れる涙今や解くらむ
自筆の詠草か懐紙でも残っていたら、見てみたいものですね!

そらいろつばめ様

先日はごいっしょいただきありがとうございました。
まだ頭が古筆モードですね(^_^; すごかった、、、、

「芥川」にでてくる高子さんは可憐な感じがしますが、その時つれもどされたのがもとで、グレちゃって奔放な生き方をしたのかしら?

しぇる様へ
 大学一回生の秋11月の始めに、建て替え前の観世会館で、何かの会の仕舞いを見学した事を思い出しました。
 京都では、このような古典芸能の公開会を楽しめますね。
花街でも、浴衣会と名で舞や三絃の会が公開されていますよ・・・・・

 ところで、在原業平と言えば、奈良の不退寺が、在原氏のゆかりの寺で、あまり知られていませんが、行平や業平を偲べる古刹です。少し離れていますが祖父の平城帝の陵墓も在ります。
5月11日、12日は興福寺薪能が開催されます。もし、来られるなら、少し、足を伸ばされた行けます。

narahimuro 様

不退寺は、あの有名なカフェ、くるみの木の近くですね。
(くるみの木は行ったことがあります)
今日も奈良へいっておりましたが(春日大社の藤を見に)あちらの方はなかなか足を伸ばすことがありません。次回おすすめにしたがって行ってみましょう。



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