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2017-11

炭屋旅館〜皐月の茶事 - 2014.05.26 Mon

御池通りから麩屋町通りを南下すると、京都の三屋とよばれる名旅館が次々と現れます。


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まずは柊屋。(ここだけはまだ泊まったことがない。)


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お向かいが俵屋。


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そして今回用があるのは炭屋旅館。

「京に来て うれしとおもふ しずかなる 利休ごのみの宿の一夜を」 吉井 勇

京都の旅館で、いきなり茶事を、といわれてすぐできるのはここだけ、といわれるくらいお茶と縁の深いお宿です。亡くなられた先代の堀部公允さんは裏千家の老分でもあり、大茶人でもありました。炭屋さんで毎月のようにおこなわれる茶事ではどんな軽妙洒脱な茶味のある会話がなされていたのか、知りたかったなあ。

こちらでは先々代、先代の月命日の7日と17日には宿泊客を玉兎庵という館内の茶室に招いて茶会をしてくださいます。5年前()、その日をねらって両親を連れて宿泊し、燈火のもとのお茶席によばれました。とてもよかったので、いつか炭屋さんの茶事に行きたいなあと思っていました。平日が多いのでなかなか都合がつかなかったのですが、やっと念願かない、正午の茶事へ。


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5月らしく武者人形が飾られた寄り付きから、待合の洗月の間へ。御連客あわせて5名と理想的。遠方からおいでの方も。

この洗月の間は銀閣寺・東求堂の洗月亭写し、丸く切り取られたような床の間の壁がユニーク。水面を登る月をイメージしてるそうです。暗い室内から見る庭の緑が美しい。(陰翳礼賛、、、といったところ)
そういえば宿泊した部屋は表千家の残月亭(二畳の床の間のある広間)写しでした。どこの部屋もなにがしかの茶室の写しなんでしょうか。すてき〜>^_^<

露地へ出て、内露地との境には揚簀戸が。茶室は前回扁額のみ見て、中へはいれなかった一如庵。ここは公允さんが晩年好まれた茶室とききます。四畳半+台目、棚が点前座正面に畳の幅一杯に端から端まで。珍しいよね、こういうの。

ちなみに一如とは無量寿経からきた言葉とか。初座の軸は瑞厳老師の「安眠高臥青山に對す」。釜は宮崎寒雉。部屋の中は薄暗く軸を読むのもやっと。風炉の火ばかりが赤い。昔はこんな中でお茶してたんだな〜の雰囲気を味わったけれど、さずがに懐石はなにをたべているのかワカラナイので電灯をつけてもらう。

懐石はそこは炭屋さん、お手の物。見た目も、器も、お味もいうことありません。まだ1円玉ほどの青柚子の実がのっていたり、今年初の鱧の煮物椀だったり、フレッシュな蓼がたっぷりかかっていたり、エンドウをつぶして青梅の形にした八寸だったり、、、もう〜シアワセ。

客が五人なので煮物椀は五節句それぞれの蒔絵が。お正客には今の時期の物=端午の節句の模様(いろんな季節のある物は正客に旬の季節の物をあてて、詰には松=待つをあてるものらしい)。


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(5年前にはこのフタバアオイ、まだちょろちょろだったけれど、立派な株に育ってる!)


初炭の炭斗は又妙斎好みの唐筆籠。香合がまた立派な大きな堆朱で(@_@;) 「紅花緑葉」という色漆を重ねて削り出す技法を用いた物で、削った断面に色漆の層がくっきり見える。すごい。
末富さんの主菓子「唐衣」をいただいて中立。

後座は古銅の花入に大山蓮華の白いつぼみが。茶入が佐久間将監のつけた銘をもつもので、添うた仕覆がこれまた緒でしか持ってはいけないようなもろくなりかけのとても古い物。(藤種緞子?)主茶碗が玄々斎還暦記念に手づくねした楽茶碗のうちの一つ。まだまだこんなのは序の口と思われ、たくさんいいものをお持ちなんでしょうね。

続き薄ではなくきちんと後炭まであって感激。


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薄茶の干菓子は干菓子器(多分、楽)の紋様、流水・時鳥をそのまま写したもので、菓子をとっていくと同じ模様があらわれるという楽しさ。
お茶碗も高麗から安南、元贇(げんぴん)焼といっためずらしいものまで、またその一つ一つのご説明がとても面白くて時には大笑いしながら拝聴。ほんとうに楽しい席でした。

それから火入れの形がハート型、、、ということから始まって、昔から今で言うハート型は「猪の目」といって火伏せの紋様であり、寺院の懸魚(げぎょ)や神社仏閣のいたるところにほどこされているというお話しも拝聴でき、勉強にもなったのでありました。


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ちなみにこれが懸魚。あ、猪の目模様がある!(モデル:千本釈迦堂)


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ここにも!



とにもかくにも、季節を変えてまた是非行きたいです!


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かえり道、寺町御池の角、御池煎餅の亀屋良永 さんのショーウインドウに大山蓮華が飾られていたので、つい先ほどの後座の花を思い出し、記念撮影しておきました。





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● COMMENT ●

はじめまして

はじめまして~
いつも読み逃げしていますが
素敵なブログですね
1枚目の柊屋の写真でついコメントしたくなりました。
あの塀の上に成る沢山のムベの処理どうするのでしょうか・・・・・
余談ですが・・・
私の家にも今日明日にでも開花しそうな大山蓮華の白い蕾があります
楽しみ~

閑児@広島様

コメントありがとうございます。
あれがムベだとは今の今までしらなんだ。柊屋だし柊なんだろうと、、、f(^ー^;
思い込みはおそろしい。まあ、ああいうところは定期的に庭師さんがはいっているので問題はないのでしょうが、実がなるとどうするのかちょっと気になりますね。
大山蓮華、栽培はむつかしくないですか?茶花的にはつぼみの方がいいかな。咲くと、あれ、ちょっと恐いことないですか?

9月終わり頃だったか柊屋の前を通ると紫色のムベの実がびっしり成っておりました。
柊屋の料理に使うんだろうかなんて・・・・まさかネ
大山蓮華は鉢で育てております。幸い?栄養不良でかわいい蕾が付いております。
掛け花に入れるのはピッタリ!毎年20個あまりの花をつけてくれますよ。
薄暗いお茶席だったら、そこだけがほの白く素敵だと・・・想像します。
そんなお茶席いいだろうなぁ~

閑児@広島 様

では今度9月頃柊屋に泊まって、ムベがでてくるかどうか確かめてみましょう。(んなことできるわけないか^_^;)
大山蓮華が20も!想像するだに壮観ですね〜。ひとつだけですごく存在感のある花ですから。
花屋で買うとけっこうお高いので、ご自分で育てられる方はいいな〜と思います。

こんにちは
数年前に友人と炭屋さんに泊まりました。
お茶室も見せていただいていつかお茶事に
伺いたいと思っています。お話を読ませていただいて嬉しいです。

かれん様

是非是非炭屋の茶事へお越し下さい。損はありません。
、、、、って炭屋のまわしものではありませんが(^ ^;)


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