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2017-08

弘道館勧進〜宗一郎能あそび〜月にあくがれ、心乱るる - 2014.05.28 Wed

弘道館勧進(弘道館維持のための浄財集めの一環)、観世流能楽師シテ方・林宗一郎さんに能を楽しむあれこれを御指導いただく、能遊び、久々に参加してきました。


P52300831.jpg


夕方開始なので、前回寒いときは真っ暗でしたが、夏至も近いこの頃は始まりはまだ明るい。この写真は雰囲気を出すために(?)帰りしなに撮った物なので、暗いですけど。


P52300821.jpg


まずは七畳の茶席で呈茶を。外はまだ明るくても部屋の中は沈んでこんな真っ暗な写真、、、(^_^;
お茶のお菓子はもちろん老松製、泡雪錦玉みたいな、今日のテーマの「月」。


今回は現行されている能のなかで月をめぐる場面を一気に6つも駆け足で講義いただいたので、ついていくのが大変でした。

能舞台は正面=影向の松が描かれている方向が北、橋懸かりのある向かって左が西なので、それによって演者の体の向きで、どの方向に月が出ているのがわかるようにできているんだと。ちなみに真夜中の南正面は満月のはずだし、夕刻の西方向は三日月ってことよね。

また扇に月の光を照らす動作があるので、それによっても月の方向を示しているんだとか。なるほど。そういうことを知っていて見ていると少しは眠らないですむ、、、、あわわ。f(^ー^;
宗一郎さんによれば「気持ちよくなってねむってもいいんです。それも鑑賞の仕方。」という言葉に勇気をもらって(^_^)v


簡単に6つの演目を

1)田村

坂上田村麿の化身である少年が清水寺(田村麿が創建したと伝えられる)の月下の桜を詠嘆するもの。

 春宵一刻値千金 花に清香月に陰(ここんとこ蘇東坡の「春夜」)、、、桜の木の間にもる月の、、、


2)吉野天人

吉野山にあらわれた天人が五節の舞を五人で舞う。五人も出る演出は天人ぞろいといわれて華やかなものなのだそうだが、いわばシンクロナイズドスイミングみたいなもので息があわねば様にならないのがむつかしいところだとか。


    月の夜遊を見せ申さん、、、


3)融

これは秋の月。光源氏のモデルと言われる源の融の屋敷であった六条河原院で融の霊が月光に照らされながら昔の栄華の時代をうつして舞う。


 黛のいろに三日月の 影を舟にもたとえたり また水中の遊魚は釣り針と疑う 雲上の飛鳥は弓の影とも驚く、、、

これは三日月を人の眉や舟、釣り針、弓と例えた視覚的にとても美しい表現だなあ。

4)三井寺

狂女物。三井寺の中秋の名月のころ、物狂いとなった子を失った母が現われ、鐘を撞き、鐘にまつわる諸々の故事、古歌や古詩を詠じ、鐘と月とを縁として仏法を説く。

  月に乱るる心あり、、、、


西洋でも東洋でも満月の夜は心乱れる?(満月の夜は犯罪率が高いんだとか)

5)姨捨

これは古今集の有名な古歌にちなむ。

  「わがこころ なぐさめかねつ さらしなや 姨捨山に照る月を見て


この山に捨てられたという老女が昔を懐かしみ月を愛でつつ静かに舞うもので、檜垣、関寺小町とともに、三老女ものの一つ。演じるのがとてもむつかしい曲らしいが、聞く方もむつかしい、、、らしい(^_^;(自分の限界への挑戦なのだとか)


6)松風

この曲をちかぢか宗一郎さんが観世会館で舞わはるそうだ。
須磨に流された在原行平(業平のお兄ちゃん)が愛した里の海女、松風・村雨姉妹の霊が、(都に帰ってしまった)行平を慕い舞うというおはなし。

最後にこの一節を宗一郎さんのあとをついて全員で謡いました。

、、、♪さしくる汐をくみわけて 見れば月こそ桶にあれ これにも月の入りたるや うれしやこれも月あり
  月は一つ影は二つ 満つ汐の 夜の車(潮汲み車)に月をのせて 憂しとも思わぬ汐路かなや



空には月、汐汲み車の水に映る月。これも絵画的に美しい。


IMG_35331.jpg


これは昨年の中秋の名月ですが、この画像を残して今夜はここまで。



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