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2017-08

野村美術館講座〜「ミャンマーのお茶と暮らし」 - 2014.06.01 Sun

5月の野村美術館講座は「ミャンマーのお茶と暮らし」。副題に「食べるお茶、ラペソーをたずねて」とあるけれど、演者の中村羊一郎先生(静岡産業大学、民俗学)のミャンマーへの愛情が強くて、茶の話よりほとんどミャンマーという国の文化や歴史、風俗についてのお話しだったような(^_^;) 何十年にもわたって25回もミャンマーにフィールドワークに行っていたらね、そりゃミャンマーloveになりますよね。


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(碧雲荘前の枝垂桜が美しかった通りももう緑が濃いです)


ミャンマーといえば、私はせいぜい「ビルマの竪琴」とかアウンサンスーチー女史とかくらいしか知識がないので、先生のお話はとても新鮮で、また語り口が上手なのでついついおもしろくてひきこまれてしまった。お話しが終わる頃にはすっかりミャンマー通になったような気がして、いつか現地に行ってみたいとさえ、、、洗脳されてますな〜。

で、お茶の話(全体の2割くらいだったか?(^◇^;)  )。

テーマは私たちが日ごろ飲んでいる煎茶(蒸し茶製法が発明されたのは江戸時代)や抹茶とはちがう、昔から、、おそらく栄西が茶の実を持って帰ったのよりはるか昔から庶民が自家用に作っていた「番茶」について。


いまでは煎茶にすっかり駆逐された「番茶」の習慣は、寺院や宮廷に伝わった抹茶とはまた違う庶民の飲茶文化であり、「日常茶飯」といわれるくらい生活に密着していたものであること。そして中国南東部やインド東部、ミャンマー、タイ北部などのアジア地域と共通する文化であるということ。
中国雲南省が源とされる茶の栽培は、焼畑農業によって西へ東へ伝播していったのだから、その足跡は残っているわけだ。

ちなみにここでいう「番茶」とは、各地各様の製法で自家用に作られていたお茶の総称。製法は蒸さずに釜炒りだったり、天日干しだったりさまざま。四国や西日本で残る釜炒り茶の製法とミャンマーでの製法や道具までがとてもよく似ているのだそうだ。


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(野村碧雲荘のハナショウブはまだまだ。見頃は6月なかばか)


副題でもあるラペソーはいわば食茶。「茶経」の中では飲むお茶=茶にたいして、茗(ミャン)といわれるものらしい。茶葉を蒸して竹筒につめこみ、密封して土中に埋める。それによって乳酸菌発酵する。それをピーナツ、ニンニク、胡麻、生姜などとピーナツオイルであえて食すのだそうだ。う〜ん、、、どんな味なのか想像を絶するな。
しかもおもしろいことに、今でも四国では阿波番茶といって、ほとんど同じ製法の食茶習慣が残っているんだそうな。

4月に好日居主催の茶教室に参加した折、島根のぶくぶく茶や、沖縄のぼてぼて茶などの「振り茶(茶筅で泡立てるお茶)」を初めてためしてみたが、これも飲む茶と食事の中間のような喫茶文化なんですねえ。

抹茶による茶の湯も煎茶も洗練された飲茶文化ではあるけれど、大衆に浸透していった庶民のお茶文化も、こうしてみるとなかなか面白いものだなあと思いました。
昨今、急須でお茶をいれるということが日本人の生活の中から消えつつあるのは確か。でもペットボトルが大盛況というのも、長い目で見れば庶民の茶文化、、、ということになるのでしょうか?

家の坪庭にも一本小さいチャの木があるので、いちどこれで番茶を作ってみようかな〜。


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かえりには美術館でやっている「利休・剣中・織部の時代展」を拝見。なぜに剣中(藪内剣中)なのか?野村得庵さんは藪内流だったのだよ。
久しぶりに利休筆「妙」の掛け物、織部茶入「餓鬼腹」に再会できたし、講座についてる呈茶席では珠光青磁のお茶碗で一服いただけたし、柴田是真の鯉の滝のぼりの掛け物(一文字、風帯、中廻しまで絵!)も拝見できたし、充実した1日でアリマシタ。



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● COMMENT ●

雲南省でも食べるお茶があるとは聞きましたが、その習慣がミャンマーまで繋がっているのでしょうか。それにしても世界には多様な飲茶、食茶の習慣があるものです。それを知ることが交流の第一歩なのでしょうね。実際に訪れることができなくても、話を聞くだけでもワクワクです。
ずっと以前にミャンマーの留学生のお世話をしていました。東京から招いた晩、外があまりに暗いので、豊岡は電気が通ってないのですか?と言われてショックでした。その彼も国に帰って立派なビジネスマンになっています。だからミャンマーには少しだけ親しみがあります。

そらいろつばめ様

ミャンマー、、、ってまだ「ビルマ」という名前のほうがなじんでるし、なんだか遠い謎の国というイメージでした。首都がいつのまにかヤンゴンから人工都市・ネピドーになっているのも初めて知った!
でも茶という文化で日本ともつながっていることで親近感がわきました。供給元はインドであったとはいえ、はるかヨーロッパの端、英国でもティー文化が花開いた、、、ということは「茶」ってグローバルな文化なのね、と再認識。

>豊岡は電気が通ってないのですか?

、、、、(^◇^;)


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