fc2ブログ
topimage

2023-09

南山城<前編>〜紫陽花の寺・岩船寺  - 2014.07.01 Tue

京都国立博物館でやっていた「南山城の古寺巡礼」(すでに終了)。


P52900641.jpg


南山城の古寺ってなんやろ、と思いつついってみた。
ああ、これは、大学時代好きでまわっていたほぼ奈良(でも京都府)の古寺群ではないか!なんだか懐かしいなあ。、、、というわけで、今年の紫陽花はそのうちの1つ、岩船寺に行ってみようと思い立つ。

車で走ること2時間弱(行きは高速使わなかったの)、えらい遠い。


IMG_57151.jpg

岩船寺。
ウン十年ぶり。(けれどさっぱり記憶にない、、、、)人はそれほど多くはないけれど、紫陽花の季節以外はもっと少ないにちがいない。このひなびた感じがええなあ。


IMG_57191.jpg


紫陽花と、緑に包まれた室町時代(1442年の刻銘あり)の三重塔。この額縁があってこそさらに美しい。(重文)


IMG_57221.jpg


開祖は行基と伝えられる。
一応京都府(木津川市加茂町)なんだけれど、もう数kmもいかないうちに奈良県庁にいたるような、「ほぼ奈良」のロケーション。時代的にも奈良南都仏教の影響が強い。



IMG_57321.jpg


ずっと奈良興福寺の末寺であったし、明治からやはり奈良の西大寺の末寺として現在にいたっている。


IMG_57341.jpg


このあたりは世俗化した奈良仏教を厭う僧侶が穏遁の地として草庵を結んだ場所なんだそうな。だから南都仏教の影響を受けつつも、どこか隠れ里のような感じがただようのかな。

 
IMG_57461.jpg


ここの紫陽花は野生っぽい咲き方がいい。向こうに見えているのは鐘楼の屋根。


IMG_57621.jpg


やがてその草庵群が寺院へと姿を変え、塔頭が並び「塔の尾根」ができ、いつしか「当尾(とうのお)の里」とよばれる仏の里になった、という。


IMG_57681.jpg


一盛りのご飯みたい(^-^)


IMG_57361.jpg


こんな子もいたよ。


IMG_57421.jpg


本堂のご本尊は10世紀の刻銘のある木造阿弥陀如来像(重文)。平安後期の普賢菩薩騎象像は、、、「ただいま国立美術館へ出張中。お帰りは7月1日」。そうそう、この普賢菩薩さまには博物館でお目にかかった。印象に残っている。


IMG_57691.jpg


紫陽花の小径をいく。


IMG_57751.jpg


葉陰にたたずむお地蔵さん。当尾にはたくさんの鎌倉時代からの野仏が道のあちこちにあって、学生時代、そこも踏破したはずなんだが、さっぱり記憶にない。


IMG_57841.jpg


カシワバアジサイ。

ここは祈りの場ではあるが、本堂の阿弥陀様より、この美しい花の景色にこそぬかづきたくなるのは、不遜なことであろうか。



IMG_57871.jpg


紫陽花の木陰にうずもれるような不動明王の石室(1312年の刻銘 重文)。奥には石に刻まれた不動さんが。重文だけれど、この廃屋みたいな景色に紫陽花がよく似合う。
紫陽花は一枝だけ、部屋にあると豪華な感じのする花なのに、こんな景色の中にあると群生していても自己主張しない控えめな花に見えるな。


IMG_57931.jpg


お寺の門前、近くの農家の方がやっておられる休憩所で紫陽花を見ながらお寿司をお昼にいただく。


IMG_57921.jpg


農家自家製の新茶もあった。昔はこうやってじぶんちの生垣の茶の木から摘んで、家で蒸して手もみして家で飲んでいたんだろうな。普段用のお茶、、、というか素朴な味がした。





関連記事

● COMMENT ●

私は南山城の展覧会を見過ごしてしまいました。
何だろうと思っていましたよ。
私も学生時代に行きました。そして大人になってからも岩船寺に行きましたねえ。
ブログを拝見して 行ってみたいと思いました。

以前と違った印象なのでしょうね。

こうやってブログを見せていただいて かなり満足してしまいます。

ひいらぎ様

南山城のあたりはいい感じ(?)にひなびてます。
今でも無人野菜スタンドがあるのもうれしい。
宅地開発もどんどんすすんでいるようですが、このあたりはずっとこのままでいてほしいものです。

しぇるさん、こんにちは

しぇるさんの行動力、凄いですね~

見習わねば^^;


いつも、思うのですが

京都国立

毎回、興味深いテーマで特集されてますね

きっと、良いブレインが居られるだろうなぁ~

高兄様

最初京博の「南山城、、」はじみ〜な展示だなあと思っていたのです。
でも行ってみると懐かしい場所ばかりでいっぺんに惹かれました。
確かに京博のはハズレがほとんどないですね。

今年も三室戸寺の紫陽花、、、と思ったのですが、たまには違うところへ、というのもあり岩船寺へ参りました!


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://cherubinpriel.blog.fc2.com/tb.php/302-f493d4ca
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

南山城<後編>〜当尾石仏の里から浄瑠璃寺 «  | BLOG TOP |  » 紫野で夜の茶会+Bar付きよ(^-^)

最新コメント

プロフィール

しぇる

Author:しぇる
京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

最新記事

カテゴリ

未分類 (14)
茶の湯 (384)
茶事(亭主) (82)
茶事(客) (171)
茶会(亭主) (17)
煎茶 (9)
京のグルメ&カフェ (94)
町家ウォッチング (10)
弘道館 (7)
岡崎暮らし (108)
MUSIC (4)
能・歌舞伎 (65)
京都めぐり2023 (28)
京都めぐり2022 (29)
京都めぐり2021 (30)
京都めぐり2020 (19)
コロナ緊急事態宣言下の京都2020 (12)
京都めぐり2019 (28)
京都めぐり2018 (20)
京都めぐり2017 (30)
京都めぐり2016 (34)
京都めぐり2015 (34)
京都めぐり2014 (39)
京都めぐり2013 (36)
京都めぐり2012 (6)
本・映画 (14)
美術館・博物館 (138)
奈良散歩 (128)
大阪散歩 (1)
着物 (8)
京の祭礼・伝統行事 (60)
祇園祭2023 (9)
祇園祭2022 (11)
祗園祭2021コロナ下 (5)
コロナ下の祇園会2020 (1)
祗園祭2019 (18)
祗園祭2018 (11)
祗園祭2017 (17)
祗園祭2016 (18)
祗園祭2015 (16)
祇園祭2014 (13)
祇園祭2013 (14)
修二会2023 (10)
修二会2022 (8)
コロナ下の修二会2021 (6)
修二会2020 (5)
修二会2019 (3)
修二会2018 (4)
修二会2017 (4)
修二会2016 (3)
修二会2015 (3)
修二会2014 (3)
修二会2013 (3)
その他の町散歩 (9)
京都和菓子の会 (4)
ソウル紀行2023 (3)
イスタンブール・カッパドキア紀行2013 (8)
英国田舎紀行2015・湖水地方とコーンウォール (7)
パリ紀行2014 (7)
ノルウェー紀行2016 (4)
古筆 (1)
ポルトガル中部〜北部紀行2017 (7)
京都でお遊び (13)
ギャラリー (4)
暮らし (13)
中国茶 (48)
京都の歴史・文化について勉強 (3)
過去ブログ終了について (0)
猫 (1)
滋賀さんぽ (21)
オランダ・ベルギー紀行2018 (9)
ニュージーランド紀行2019 (9)
台北旅行2018 (3)
高野山 (2)
骨董・工芸品 (1)
東京散歩 (2)
諏訪紀行2021 (4)
金沢さんぽ (1)
御所朝茶 (4)
有田2022 (1)
熊野三山巡り (2)
兵庫さんぽ (1)
太宰府 (2)
丹後旅行 (3)
仕覆制作 (3)
信州旅行2023 (2)

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR