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2017-08

南山城<後編>〜当尾石仏の里から浄瑠璃寺 - 2014.07.01 Tue

岩船寺を出て浄瑠璃寺までは約1.7km、下り坂なので当尾石仏群を訪ねながらゆっくり歩いても40分ほど。


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当尾の里は山の中なので、はるか下に市街地がのぞめる。
学生時代は踏破した(はず)のだが、残念ながら今回は時間があまりないので、一番近い「笑い仏」のところまで。


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こんな山の中、けっこう手強い。手すりは最近つけられたらしい。石仏めぐりは当尾の目玉なのでいくつかのグループとすれちがうも、ひとりではちょっとこわい薄暗さ。


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苔むした巨石。ひんやりと冷気もあって、山の匂いがする。

かつて寺院が散在した当尾は、そこへ行き交う人々のために多くの磨崖仏が造立されたという。信仰の里なのだな。


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通称「笑い仏」こと阿弥陀三尊磨崖仏に到着。かなりの巨石。刻銘から1299年、鎌倉時代のものと判明しているそうだ。仏様を刻んである面が手前にかしいでいるのは、見上げる人に正対するためにだろうが、それがかえって良い雰囲気になっている。


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中央に阿弥陀様、左右に観音様と勢至菩薩様。
どの角度からみても阿弥陀様がお笑いになっているようにみえるので、「笑い仏」といわれるようになったとか。たしかに、ね。

他にも「カラスの壺」とか「一鍬地蔵」とか、「籔の中三尊」、「首切り地蔵」、「あたご燈籠」とか、、、名前も魅力的な石仏がちらばっているので、リタイヤ後にまたゆっくり歩きたいもの。


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石仏の道にはこんな無人野菜スタンドがあちこちにある。学生時代には、たしかタケノコを買った記憶があるので、あれは5月のころだったのだな。タケノコの灰汁の抜き方を下宿のおばちゃんに教えてもらって炊いたっけ。今の旬はキュウリとジャガイモか。


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おお!ここにも例のポスターが。


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浄瑠璃寺の門前にはささやかなお土産物屋さんがあって、地場の野菜などを売っている。南山城はなにせ福寿園の工場があるくらいのお茶処なので自家製茶葉も当然ながらある。



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なぜか焼物のコーナーもあったりする。


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緑のトンネルの向こうに浄瑠璃寺が見えてきた。

ここは今では「木津川市加茂町」なんだが、かつては「相楽郡当尾村」であったよし。昔の名前の方が歴史を感じさせて美しいなあ。



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ここにはウン十年前の記憶がかすかにある。あの美しい吉祥天女様を一目みたいと思ってたどりついたのだった。残念ながら今回は非公開の時期なので、再会はかなわなかったが、、、(T_T)


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国宝・九体阿弥陀堂 平安時代。

観無量寿経にある九品往生の概念から九体の如来を祀る。天井板を張らず、垂木や梁裏をみせる建築法が素朴な感じがしていい。


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お堂の裏。ここにも紫陽花。


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猫もいるよ>^_^<


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池をはさんで阿弥陀堂に対面するのは、これも国宝・三重塔 平安時代。こちらは薬師如来(秘仏)を祀る。

薬師如来は東方浄瑠璃世界に住み、現世の苦悩を救い、西方浄土へ送り出す遣送仏。
対して阿弥陀如来は未来の西方極楽浄土の教主であり、そこへ迎え入れてくれる来迎仏。
池をはさんで此岸と彼岸が向き合う形式。


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浄瑠璃寺の名前はこの東方浄瑠璃世界からきたもの。
浄瑠璃とは清浄で透明な瑠璃(青金石=ラピスラズリ)というから、とても美しい名前だな。


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真ん中の池は補修工事中でちょっと景観をそこねているけれど、周りに咲く季節の花は美しい。


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此岸の三重塔の前から対岸の極楽浄土=阿弥陀堂を眺める。これからあそこへむかって、まだまだ悪戦苦闘しなければならないようだ。


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みだう(御堂)なる 九ぼん の ひざ に ひとつ づつ

       かき(柿) たてまつれ はは の みため に   (会津 八一)



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● COMMENT ●

しぇるさま、早い!
京博の展覧会を見て、私も秋頃には、一泊して回りたいと思っていました。
こんなに良い所なんですね。何とか実現しなければ。

そらいろつばめ様

私ももうちょっと時間にゆとりがあればゆっくり蟹満寺や海住山寺などもまわりたかったです。
一泊でいかれるならほとんどまわれますね。
是非気候の良くなった頃におでかけください。

私も学生時代に岩船寺から浄瑠璃寺まで歩いたのですが、記憶がほとんどない。無人販売や磨崖仏がたくさんあったことは印象に残っているのですが。
京博の「南山城の古寺巡礼」展で再び出会えたけれど、今また現地に行くのはかなりハードそうなので、展覧会見ただけで満足しておくことにしています。

vivasan様

vivasan様も学生時代あのあたりに行かれたクチなのですね。(記憶がすっとんでいるのもいっしょ^_^;)
あのころは亀井勝一郎の「大和古寺風物誌」が愛読書でした。
京博の展示を見てとても懐かしく、ここまできました。
交通の便はたしかにあまりよくなさそうですが、リタイヤ後とおぼしき元気なおじさまおばさま方がたくさん山歩きのかっこうでこられてましたので、大丈夫ですよ、きっと(^_^)b

ここは、定点観測の場所です。
春・夏・秋・冬、それぞれの季節の風情が楽しめますよ。
九体阿弥陀堂を撮影するときは午前中に、三重塔を撮影するときには午後に訪問します。

今は、奈良から急行バスが出るようになって便利になり、朝九時台のに乗れば浄瑠璃寺だけなら11時台に、岩船寺を含めれば、奈良に12時台には戻れるはずです。
石仏散策を除けばですが。

お薦めは、1月8日で、三重塔の薬師如来・本堂の吉祥天女像・大日如来の三体が同時に見られます。ただし、天気が悪ければ三重塔葉開扉されませんので、注意が必要です。
ご利益、満載の日ですので、是非おでかけしてみては如何ですか。

しぇる様へ
 南山城に来られましたか。
 当地は、京都よりも、奈良との結びつきが強く、寺院も南都との関係が
 色濃く残っています。
 この地方には、笠置寺、修験道では知られている金胎寺、田辺の普賢寺、海住山寺等
 古刹が多く散在していますが、奈良と京都の間にあるため、観光客はあまりやって来ませんので
 落ち着いて、平安末期、鎌倉期の仏教文化を拝観できます。
 南山城の中心は旧木津町ですが、重要文化財は二点しかありませんが、
 平重衡や和泉式部の墓所(これは伝承のみ。)ゆかりの寺院があります。

アミータ様

貴重な情報をたくさんありがとうございました。
このあたりがお好きなのですね。
そうか、一度奈良にいってから行く手があったか!
もう少し時間の余裕があればもっとあちこち是非めぐってみたい場所です。

narahimuro様

まる一日とれれば蟹満寺や海住山寺にも行きたかったのですが、なにせスキマ時間を縫うように行ったもので、、、(^_^;
確かに観光客はあまりここまできませんね。おいでになっていた方もほとんどカメラマンばかりで(含私)。
まだこんな手つかずに近いところが残っていたのか、とうれしくなりました。
今度は時間をかけてまわりたいと思います。


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