fc2ブログ
topimage

2023-09

京都和菓子の会〜うるしへのオマージュ・国立近代美術館 - 2014.07.20 Sun

「京都のよき和菓子をよき室礼で」

、、、をコンセプトに、本業は日本で数少ない銘木師(千本銘木)にして、龍馬の投宿した酢屋のお嬢さん、ライフワークは京都の和菓子、という中川典子さん主幹の京都和菓子の会、今回の会場はなんと京都国立近代美術館。


P10802431.jpg


おほほ、、チャリで5分もかからないご近所さん。そして今回の展示はなんと大好きな漆・蒔絵ではありませんか!


P10802451.jpg


今回の和菓子の会のテーマは「うるしへのオマージュ」。


P10802471.jpg


この美術館はエントランスから、つらなる心地の良いホールまで、普段から無料ではいってくつろげるのよ。


P10802461.jpg


このホールの一角に、、、床の間が出現!

「圓窓床」。

銘木師の本領発揮の力作です。両端の柱は北山杉の磨き丸太、それに杉、欅、桂など漆塗りの下地に使われる木材を使用。



P10802501.jpg


中央の漆下地で作った丸い盤には「漆」の文字。床の間の軸の見立てで。

そして京都で活躍する若手漆器工芸家7名の作品を棚に飾る。(三木啓楽・太田 勲・加藤友理・岡田嘉夫・水内倫子・新木郁雄・番浦 肇  敬称略)
盆あり、食籠あり、香合あり、どれもこれはこういう感じで茶会・茶事に使いたい、、、と妄想をかきたてるような作品ばかりで。

ここで初めて真塗と呂色の違いを知った!(呂色は炭などをつかって、真塗りの表面を鏡のようにぴかぴかに磨いた物)真塗と呂色のコンビネーションの作品、よかったな。


さて、今回の和菓子の担当は、おいしさと美しさで定評のある西陣の千本玉寿軒さん。漆の器に盛ると映える菓子、をテーマに創作してくれたもの。(当会のみの菓子なので店頭にはありませんのよ〜。)

ではしばし、美しい和菓子と漆の器のコラボをお楽しみください。


P10802541.jpg


朝顔の盆と「清流(でしたっけ?)」(呂色仕上げなので反射して盆がきれいにミエマセン…>_<…)
まさに苔むした崖を落ちる清流、瀧。



P10802591.jpg


マットな漆、蒔絵の皿に「うるしへのオマージュ」
うわ〜〜〜、このブルー最高!まるで銀河のようではありませんか!


P10802601.jpg


蒔絵の平盆に2種のせ


P10802611.jpg


ブルーのアップ。
中の餡はこし餡ですが、そのうえにブルーの葛をのせ、透明な葛でくるむ、、という技術的にもたいへんむつかしい手の込んだお菓子です。


P10802651.jpg


瀧の断面。
三重に葛を重ねているわけだ。


P10802631.jpg


お菓子は日本茶インストラクター松石さんがご用意下さったおいしい冷茶とともに。

和束の最高級玉露「鳳春」を水出しして煎茶仕立てでいれたもの。ちなみに鳳春は宇治の茶業研修所が栽培に成功した京都ブランドの玉露用茶樹の名です。(碾茶用のものは「展茗」)

なんというか、お茶の葉は確かに植物なのだ、と思い出させてくれるような、そして後口さわやかなお茶。玉露用を煎茶としていただくのだから、贅沢この上ない。


P10802661.jpg


これは二煎目。また別物の味、香りです。これはごくごくいける。(ちなみにポットは水出し用フィルターボトルでハリオ製。こんなのあるんだ)


P10802481.jpg


お菓子と、漆器と、お茶を楽しんだあとは、美術館の展示へいそいそ。
だって漆芸、蒔絵、大好きなんだもの。ほんとにため息のでる漆器の数々、もちろん茶道具もたくさん。
これらを使ったり、取り囲まれたりしている妄想に、、、、またひたってしまった。


*)明日、21日もありますよ〜。予約無しでもたぶんいけると思う。

関連記事

● COMMENT ●

行ってきましたよ。
念願の和菓子の会!
いつもこちらのブログで指をくわえてみておりました。いつだって終わっていましたもの。
今回は2日に渡ってされていましたので ようやく参加できました。

私も蒔絵 漆器は大好きですが 美術館の展示には気がつきませんでした。時間の都合 展覧会の方は 次回に伺う事にしました。

ひいらぎ様

いってこられましたか。
それはよかったです。でも、、、、

会費に展示会の料金も含まれていましたのに!v-12!!!

しぇる様

展覧会は会期中ならいつでも見られると言われましたから 大丈夫です。ご心配かけました。

ひいらぎ様

ほっとしました!
もったいないですもん。v-218

しぇる様にはお目にかかれませんでしたが、いつもブログでお名前を拝見するひいらぎ様にお目にかかれて光栄でした。
私は天の川をいただいたけど、あの葛のやらかさの違いが繊細でお代わりしたかったぁ~
それにも増して、お茶の旨さはびっくりでしたね。

まあ、祇園祭の合間にお菓子の会でしたか!美味しそう、行けなくて残念。
豊岡は「こうのとり国際会議」で盛り上がっていました。
お茶と言えば先日、茶の湯文化学会台湾旅行で茶畑の見学。台湾は年4回茶摘みができます。春摘みは緑茶、夏のは烏龍茶、秋と冬のは紅茶にするとのこと、茶樹は同じと聞いていましたが、現場で聞くと納得でした。
東方美人茶の峨眉郷ではウンカが出る最後の季節ということで、炎天下の茶畑見学。ウンカの噛み後がお茶を美味しくするとは、また不思議な自然の贈り物ですね。

ぽん様

お手伝いご苦労様でした〜。
ほんま、どうやって食べようか、なやむくらいとろっとしてましたね。
それにしても美しかった!
お茶も、さすが茶業研究所開発の京都ブランド!です。(所長さんが初日お見えでした)

そらいろつばめ様

まだまだ祇園祭は続いているのでほんとに大忙しです。後祭が別れると体力的にきついですね〜。(って休めばいいものを、どしてもじっとしていられない)頭の中をコンチキチンのメロディーと駒形提灯の幻がぐるぐるまわっている昨今です。
お茶について思うのは、茶樹としておなじDNAをもっていながら、土壌の違いや製茶法の違いはあるにしても、どうしてこんなに日本茶と中国茶はちがうのでしょう。どちらも大好きですが。


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://cherubinpriel.blog.fc2.com/tb.php/318-c0c95287
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

後祭〜大舩鉾・南観音山・北観音山 三連ちゃんの曳き初め «  | BLOG TOP |  » 前祭から後祭へ〜大舩鉾山建て

最新コメント

プロフィール

しぇる

Author:しぇる
京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

最新記事

カテゴリ

未分類 (14)
茶の湯 (385)
茶事(亭主) (82)
茶事(客) (171)
茶会(亭主) (17)
煎茶 (9)
京のグルメ&カフェ (94)
町家ウォッチング (10)
弘道館 (7)
岡崎暮らし (108)
MUSIC (4)
能・歌舞伎 (65)
京都めぐり2023 (29)
京都めぐり2022 (29)
京都めぐり2021 (30)
京都めぐり2020 (19)
コロナ緊急事態宣言下の京都2020 (12)
京都めぐり2019 (28)
京都めぐり2018 (20)
京都めぐり2017 (30)
京都めぐり2016 (34)
京都めぐり2015 (34)
京都めぐり2014 (39)
京都めぐり2013 (36)
京都めぐり2012 (6)
本・映画 (14)
美術館・博物館 (138)
奈良散歩 (128)
大阪散歩 (1)
着物 (8)
京の祭礼・伝統行事 (60)
祇園祭2023 (9)
祇園祭2022 (11)
祗園祭2021コロナ下 (5)
コロナ下の祇園会2020 (1)
祗園祭2019 (18)
祗園祭2018 (11)
祗園祭2017 (17)
祗園祭2016 (18)
祗園祭2015 (16)
祇園祭2014 (13)
祇園祭2013 (14)
修二会2023 (10)
修二会2022 (8)
コロナ下の修二会2021 (6)
修二会2020 (5)
修二会2019 (3)
修二会2018 (4)
修二会2017 (4)
修二会2016 (3)
修二会2015 (3)
修二会2014 (3)
修二会2013 (3)
その他の町散歩 (9)
京都和菓子の会 (4)
ソウル紀行2023 (3)
イスタンブール・カッパドキア紀行2013 (8)
英国田舎紀行2015・湖水地方とコーンウォール (7)
パリ紀行2014 (7)
ノルウェー紀行2016 (4)
古筆 (1)
ポルトガル中部〜北部紀行2017 (7)
京都でお遊び (13)
ギャラリー (4)
暮らし (13)
中国茶 (48)
京都の歴史・文化について勉強 (3)
過去ブログ終了について (0)
猫 (1)
滋賀さんぽ (21)
オランダ・ベルギー紀行2018 (9)
ニュージーランド紀行2019 (9)
台北旅行2018 (3)
高野山 (2)
骨董・工芸品 (1)
東京散歩 (2)
諏訪紀行2021 (4)
金沢さんぽ (1)
御所朝茶 (4)
有田2022 (1)
熊野三山巡り (2)
兵庫さんぽ (1)
太宰府 (2)
丹後旅行 (3)
仕覆制作 (3)
信州旅行2023 (2)

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR