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2023-09

西陣・愛信堂の利休のふのやき - 2014.09.01 Mon

利休が最晩年のころに催した100回ばかりの茶会を記した「利休百会記」。その中で菓子として記されているものの中で群を抜いて(68回)多いのが「ふのやき」。

実際のところ、それがどういう形態だったのか、正確には伝わっていないそうだ。江戸初期に記された「雍州府誌」という書物には「小麦粉を水でといて鍋で薄く焼き、片面に味噌を塗り巻いた菓子」と書かれているらしい。

当時各地でいろんな形態の「ふのやき」が作られたと思われるが、利休が茶事に用いていたのはどんなふのやきだったのだろう。

いままで2回、茶事で「ふのやき」をいただいた。
最初は高瀬川の茶事で、懐石の万惣さん(富山)がつくられた万惣解釈のふのやき、クレープみたいで(お使いではないのに)ヴァニラの香りがして、これはまさしく洋菓子!のおいしさだった。中の蜜は黒糖の蜜。
2回目はこの時のご亭主様のお宅へお招きに預かったとき、万惣直伝の手作りふのやきをまたおいしくおよばれした。

そして今回、西陣の菓子舗愛信堂さんが、利休さんの月命日にちなんで、毎月28日(+29日)にふのやきを予約販売しているという情報をゲット。

ふのやきがいかなるものであったか、情報収集のためにもまずは行かざるを得まい。(←ただおいしい和菓子を食べたいだけ、、、^_^; )


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場所は堀川今出川をちょっと下がって西にはいったところ、晴明神社の近く、西陣織会館の南側。


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ショーケースのお菓子を注文して、お茶といっしょに店内でいただくことができる。とりあえず、こちらの看板菓子・はすかっぷきんとんを注文して腰掛けて待っていると、ガラス戸越しに見えるお向かいは、、、、


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あら〜!
指物師の一瀬小兵衛(千家十職の駒沢利斎別家)さんのお家だったのね。当代一瀬さんの講演会を野村美術館のセミナーで拝聴したことがある
そんなことを思い出しながらぼ〜とっと見ていると、当の一瀬さんが頭に手ぬぐいを巻いてが玄関からでてきはった、、、(^_^;



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さてさて、はすかっぷきんとん。
ご主人は北海道のご出身とか。なので北海道のはすかっぷと京菓子の甘いコラボ。夏にきんとんは暑苦しい感じがするし、事実夏場はきんとんを作らないお菓子屋さんもあるけれど、このきんとんははすかっぷの酸味がとてもさわやか。夏でもいける。(あ、それから、だれとは言わないけれど餡の苦手な方でもOKよ)早速この日のミニ茶会に使わせてもらった。

そうそう、本題のふのやきはこの日早速予約して28日を待つ。

当日来店の時間を聞かれ、その時間にあわせた作りたてをご用意くださった。細やかな心遣いもおいしさのうち。


で、これが愛信堂の「ふのやき」〜!


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これもクレープのように巻いてある。


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こちらのふのやきは、中に白味噌餡と胡桃、芥子の実などが。片方からかじると反対側からとろ〜りと味噌餡がとろけて出てくるあたり、裏千家初釜の菱葩餅を彷彿とさせ(初釜行ったことないけど)、味は行者餅(柏屋光貞・宵山の時だけ予約販売)に少し似てるかも。

砂糖を使った菓子の始まりは主に江戸時代以降といわれるので、「利休百会記」の他の菓子を見てみると、牛蒡、サザエ、豆腐湯葉、こんにゃくなどおかず系のものが多い。胡桃を刻んだものをいれたり、味噌もからめなのはおかずの範疇にいれても違和感がない感じだ。

白味噌餡が大好きな私としてはやみつきになりそう。ひょっとしてお酒にもいけるかも〜(^_^)b
どうぞ予約の上、お試しあれ。(予約は5個から)



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話はかわるが2歳児(孫)、茶筅デビュー。
振るのは楽しいらしく毎度やってくれる。ただし、飲むのは断固拒否(>_<)ゞ




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● COMMENT ●

美味しそうな麩の焼きですね。いつか作ってみたいです。

やりましたねえ〜!
ついにお孫ちゃんのお茶デビュー!この調子で毎年 何気なく初釜をされて 美味しいお菓子がもれなくいただけるのを体験してもらうことです。

うちの娘は母が家で初釜をすると着物を着て お茶やお菓子をお客様にお出ししていましたよ。
何気ないことが結構大切かもしれません。私も初釜は家で普通にあり 花びら餅もいただいていました。
本当にお菓子とお茶だけでした。

ひいらぎ様

ふのやきはロール型以外のものも各地に伝わっているようで、興味はつきません。
研究している方の成書があれば是非読んでみたいものです。

身の回りに自然にお茶があるような環境をつくっておこうと思います。無理強いは成果があがらないと思いますし。それにしても幼児にお茶を辛抱強く教えておられる先生がたには頭がさがります。

母は稽古の日 たとえ来られる人が一人でも香を炊いておりました。

ありそうで ないかもと このごろ思うのです。

甥は子供頃から姉のお茶の稽古場に付いて行っていたようです。先生宅で寝ていたと聞いています。
もちろん母も預かったりしていたと聞いています。
彼は大学では茶道部で活躍していました。道具も結構自分で作っていたようです。
今は仕事が忙しいので稽古をしていないようですが 兄も姉もお茶を教えていますので きっとまたいつかするのだと思います。

ひいらぎ様

まあ、あとは本人次第ですね。
押しつけはしないようにしようと思います。
記憶のどこかに残っているだけでも将来芽吹くかもしれないし。

 正座した膝におかれた小さな左手が、真剣さを物語っているようで・・・・かわい!(笑)  いろいろ楽しみやねぇ~

花咲様

幼児相手はひたすら辛抱強く、、、、ですねえ。
花咲さん、(現役中は)ごくろうさまでした。
飽きさせないようにがんばりまっす!


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