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2023-12

初秋の神宮道から青蓮院〜祗園までを歩く - 2014.09.07 Sun

歩くのにも少ししんどくなくなった季節、いつもの生活道路でありながら、なかなかゆっくり味わえない神宮道から青蓮院、祗園まで散歩してみました。


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スタートは市立美術館脇の疏水から。

空の色も水の色も少しおちついてきましたね。


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神宮道は平安神宮への参道、あの例の派手な朱色の大鳥居をはさんで三条通までのわずか500mほどの道ですが意外と密度濃いよ。


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西側にすぐ見えてくる良い感じの仕舞屋は、明治〜昭和の京都陶芸界の重鎮でもあった楠部弥弌の旧宅。「楠部弥弌作陶之地」という碑がたっています。最初くすべさん、、ってだれ??だったのですが、以前市立美術館でやっていた京都の芸術家の作品を一堂に会した展示会があって、そこで名前をしりました。粟田焼の流れをくむような色絵の茶碗など、なかなか素敵!と思っていて、この家の前を通り、はたと!ああ、くすべさんってそういう方だったのか!と知った次第。

今はどなたも住んでおられないようにお見受けしますが、どうかどうか壊されませんように〜〜〜


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昨年神宮道にできた染織家の志村ふくみさん洋子さん親子の染色の学校、、といっていいのかな?。アルスシムラ

志村ふくみさんの草木染めのNHKの特番、季節毎に録画してみています。ああやって手仕事で美しきモノを作り出せる人ってほんと、うらやましい。染めと対峙し真剣なふくみさんの表情も美しいと思う。


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ふむふむ。
草木染めの数寄屋袋。これなら買えなくもない値段かな。着物はとうてい手が出せないけれど。


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さらに先に行くと以前から気になっていた建物があります。どうみても昭和初期に建てられたレトロなアパート?のように見え、そのように思い込んでいたのですが、よ〜く見ると、、、おお!「植治」!

平安神宮初め南禅寺界隈別荘群の池泉回遊式庭園のほとんどを手がけた植治、こと七代目小川治兵衛。あの植治の建物がこれだったとは!!
何年この前通ってるんやろ、、、現在の植治さんは11代目、次期植治の勝章さんも多方面で活躍されてますね。


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それから神宮道は門前通りよりは敷居が低く、気楽に立ち寄れる小さな古美術、ギャラリーなども点在しているので、これをのぞくのも楽しいですよ。


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これはつい最近できた新しい建物で商業施設なんですが、和洋折衷のこの感じが昭和初期にはやったそのスタイル(岡崎界隈にわりとある)をうまくなぞっていて、いいなあと思う新建築のひとつであります。


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三条通を越えます。
西南の角にある糀のお店大阪屋さんのカフェ糀屋。ここはヘビーユーズしてますね〜。糀のミルク割りがうまいんだ。今年の夏は糀かき氷(ベトナムのチェー)も堪能しました(^-^)


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三条通を越えれば和菓子の吉水園さん。このあたり平安殿さんもあるのでけっこう和菓子屋率高いです。


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京都七口のひとつ粟田口の碑。
そこにあった白川小学校も数年前、統合されてなくなってしまいました。(統合先が六波羅だからね〜、、通学遠いよ)


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更に南下すれば門跡寺院・青蓮院の緑が見えてきます。このあたり学生時代から好きだったけれど、ご時世で、青蓮院の真ん前にマンション建っちゃった。


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道に覆い被さるように立つ大楠は青蓮院のシンボル。9歳でここで得度したといわれる親鸞聖人のお手植えとか。

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これですよ、これ!これが青蓮院のイメージだわ。


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門跡寺院なので十六菊花紋はわかるのだけれど、これは裏菊なんだろうか?


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天明の大火の時には御所が炎上焼失したため、時の後桜町上皇がここにうつられ仮御所とした由、よって粟田御所の別名もあります。


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華頂殿で襖絵は、キーヤンこと木村英輝さんの筆になるもの。このごろ都ではあちこちにキーヤンの絵があふれていますね。青蓮=blue lotus、このモチーフの布バッグ、私持ってます。


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キーヤンワールド。


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こちらには国宝・不動明王ニ童子像、通称「青不動」(園城寺の黄不動、高野山の赤不動とともに三不動と言われている)がおわします。平安後期の絵だそうですが、その時代から一度も公開されたことがない。それを初めて公開したのが2009年、行きましたよ〜、私。青、、にはみえなかったけれど、なんだかありがたさに拝み倒してきました。



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その青不動さま、10月に将軍塚飛び地境内に大護摩堂の「青龍殿」が完成後はこちらに安置されるそうです。その記念法要でまた公開される予定だそうですので、これはまたお目にかかりにいかねば。


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秀吉寄贈といわれる一文字手水鉢。りっぱな自然石ですね。


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門跡寺院特有の宸殿とよばれる法要をいとなむ場所の前には右近の橘、左近の桜。青蓮院ゆかりの天皇さん、及び歴代門主の御尊牌をお祀りしているので。
ちなみにこの宸殿、東福門院さんの旧殿を移築したものなので、後水尾天皇とのゆかりもあるのです。


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青蓮院は春と秋に夜間特別拝観、ライトアップもとてもきれいなので、おすすめします。


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さて、青蓮院を出て南下すればここはもう知恩院エリア。これは知恩院の門の前に鎮座する瓜生石とよばれる不思議な石。知恩院ができる前から埋まっていたそうで表面に出ている部分はその石のほんの一部に過ぎず、地下に巨大な部分がうまっているともいわれている謎の石なのです。

秋の粟田神社の大祭(10月)では、夜にこの瓜生石の前でれいけんとよばれる神仏習合のふしぎな神事がおこなわれます。これも激しくおすすめ。


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更に南下して、八坂神社は祗園祭の時に行き倒したのでスルー、花見小路の一本東を南にいけば、お目当ての加加阿365。できたばかりのマールブランシュのチョコレート専門店。

目玉は365日、毎日違う紋のはいったチョコ。ただし売り切れ(>_<)ゞ


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なのでお干菓子佇古礼糖を。お干菓子をまねたチョコ。イチジクのチョコレートやリンゴ風味のチョコレートなどおいしかったわ。でもこの小さいのがひとつ400円以上すると思うと、やはり同じ値段なら和菓子の上生を買いにいくかも(^_^;


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最後は鍵善さんの隠れ家カフェZEN cafeで休憩。


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いつものお気に入りのお一人様席。ここでゆっくり本を読むのが理想(現実は忙しくてあまりゆっくりできないのが情けない)。


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で、やっぱりオーダーはミニ和菓子三種盛になるのでありました。









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● COMMENT ●

京都は散歩にぴったりです。
私も散歩は好きです。

何と!

神宮道のレトロな建物、私もアパートか何かと思っていましたが、ここが植治のお宅だったんですか!表札見落としていました。道理で、大きな石燈籠があったような気がします。

しぇるさん、こんにちは

風情ある散歩道ですね

私も、大好きなエリアです^^


半日ぐらいかけて、ゆっ~くり散歩したいですね


勿論、美味しいものをつまみながら^^

しぇる様へ
 土曜日午後の驟雨のあと、やっと秋の大気に蔽われ、涼しくなりました。
 これから、秋の観光シーズンの幕開けが近くなりますが、観光客の来ない
 所で、京の秋を楽しむ事にしています。
 ところで、12枚目の写真の手前の小道が江戸時代の東海道の名残だと
 ご存知でしたか。
 東西とも、1kmほど残っています。

ひいらぎ様

ほんとですね。

vivasan様

でしょう?!
私もなんで表札を読みおとしたのか不思議。現在お住まいかどうかはわかりませんが、おっしゃる大灯籠のそばに車がよくとまってるので現役の建物のようですね〜。これがあるから京都はおもしろい、、、

高兄様

毎日バスで通っているのですが、じっくりあれこれ見ながら通ることはあまりなかったのです。
生活道路になってたから(^_^;
道からわきにちょっと入ると白川もあり、隠れ家カフェもあり、ほんと、半日ゆっくりしたいです〜。(当分無理だけど)

narahimuro様

あの道が旧東海道!
そうだったんですか。
それでそばの白川小学校に粟田口の碑があったんですね。
確かに地図で確認するとぶっつり東西で切れてしまってます。これからあそこを歩くときは昔無数の弥次さん喜多さんが歩いたんだなあ、、と偲びつつ歩いてみます。

神宮道の古美術瀬戸さんの内装は確かMASAさんが手がけられたのですよね?
それを見つけた友人のおかげでMASAさんと知り合うことができたのでした。
志村さんのギャラリーといい逍遥するにはもってこいですね。
しぇるさんのブログを拝見しているとほんとに京都に住みたくなります。

京都大アンティーク市で周りとはぜんぜんちがう雰囲気をかもしだしてるブースでMASAさんをしりましたが、あそこも彼の作品でしたか。奈良の中上さんとこもそうだとお聞きしました。独特の良い雰囲気ですね。

あら、私より京都滞在時間も密度も高いとお見受けいたしますが?(^_^;

植治さん、前は本当にアパートで、そこが空いたので買い取られて事務所にされてるんと違いましたっけ?

ぽん様

あらそうだったんですか?(@_@;)!
じぇんじぇんシラナカッタ。というか植治の表札も今気づいたくらいだし。
ますます奥が深い京の散歩道ですわ。


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