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2017-09

泉屋博古館〜茶の湯釜の美 - 2014.09.21 Sun

さて、茶の湯釜三館めぐり(野村美術館・大西清右衛門美術館)の最後は泉屋博古館。もちろん三館めぐり割引券で(一館行くともらえます)。


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泉屋博古館は住友財閥のコレクションでありますが、なかでも中核をなすのが住友春翠のコレクション。お公家さん出身(徳大寺家六男、西園寺公望の弟)でありながら実業家としても辣腕をふるったとか。特に中国古代青銅器のコレクションに熱心であったので、ここの常設展はこの青銅器シリーズ。個人的にはあまり興味はないとはいえ、すごいのはよくわかる。


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今回は茶人でもあった春翠の茶の湯釜展。同じ金属系ということで、これも熱心にあつめたのかしら(^_^;?


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いつもはそれほど人のいない美術館がなぜか多くの人であふれている。そんなに茶釜に興味のある人が多いのかなあと思ったら、生け花展も併設されていたんだ。館内のあちこちに立派な生け花が三々五々おいてあって、これも楽しめるのは得した気分。


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展示をざっと見わたして、おおよそ茶釜の歴史をほぼカバーしているコレクションに驚く。たどっていくと釜の歴史をたどって学習できてしまう。

室町以前の古釜、芦屋・天明、先日みた三条釜座の京釜・大西家代々の釜、名越家(古淨味こと三昌が有名)、西村家(初代道仁は紹鷗のころの人)、江戸時代にいたって大西浄雪の弟子であった高木治良兵衛、金沢で裏千家四代仙叟の指導のもと釜をつくった初代宮崎寒雉、大西家二代浄清の子で江戸に下った江戸大西家の初代定林、古淨味の弟が初代となった江戸名越家、、、あとあまり知識がないのだが明治以降の釜師たち(春翠は彼らに釜の特注をよく依頼していたそうだ)の釜、釜、釜、、、



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(渡り廊下から気持ちよく東山連山が見える)


どの釜師のものがどういう特徴を持って、、というのは私は浅学不明にしてよくわからないが、大ぶりなどっしりとした釜が多い。おそらく湯をたっぷり入れると女性に炭手前はちときついかも。それでも大ぶりの虫食いなんかがある釜に惹かれるなあ。茶事で最初から最後まで鎮座するのは釜だから、茶席の主人公、存在感のあるのがいいな。

中には鐶付きが鼠で、その長いしっぽが釜に巻き付いている、というユーモラスな意匠のものもあって(大西浄元)銘を「大黒庵」。大黒庵といえば紹鷗のことだけれど時代がちがうので、お使いが鼠の大黒さまのことか、とクスリ。

西村九兵衛の大阿弥陀堂釜は大がつくだけあってほんっと大きい。阿弥陀堂の形がとても好きなので、それもこれくらい大きくなると迫力満点。小間なんかに使ったら、どれだけ存在感があるんだろう。ただ炭手前をする方が腰を痛められないことを祈る(^_^;

住友家の有馬別荘で春翠は何回となく茶会をひらいたそうだが、そのために誂えたのが南鐐の掻き立て環のある六角六景釜。それぞれの面に有馬の四季を写し取った物で、これの原画、さらにそのもととなった画帳などの展示も。


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(ここからみる大文字。角度的にややきびしい)

そしてそして、やった〜!得した〜!と思ったのが住友コレクションの茶道具も同時展示してたこと。

中興名物瀬戸肩衝茶入「真如堂」本歌、挽家に遠州の「真如堂」の字形。かっきり綺麗な肩衝でこんなところでお目にかかれるとは!

遠州愛玩の小井戸「六地蔵」。内側は茶巾擦れまでみっしり梅花皮があって、渋くてかわいい。(渋かわ?)ええなあこれ。(もしかして昨年根津の井戸茶碗展にもでてたかも)

遠州好みの物が多いのは春翠の公家の出自の影響ということ。

古銅象耳付花入「キネナリ」(南宋〜元)は教科書にもでてるやつだ!青銅器を愛した春翠らしいコレクションで、自分の還暦茶会に使う予定で手にいれたものだったらしい。しかし残念ながらその前に亡くなってしまった。(享年62歳)その後の何年忌かの茶会であらためて使われたものらしい。


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最後にしゅっとした貴族的なお顔立ちの春翠さんの写真を拝見する。男前や。私は遠いけれど少しご縁があって他人に思えず(ほぼ他人やけど)親しく思える方である。繊細で線が細くみえるけれど実業家としても茶人としても時代を骨太に生きた方なんだなあと思いをはせつつ美術館を辞した。





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● COMMENT ●

展覧会、秋たけなわですね。大西美術館の会員なのでフリーチケットが届きました。これから回ります。
道具組で思うのですが、掛け物がテーマを、茶碗は手にとってじっくり、でも釜はそれ以上には最初から最後までそこにある、なので、地味ですが存在感がありますよね。
しぇる様、ひとつスゴイのをお持ちで羨ましいな。でも、なんの変哲もない釜でも愛着を持って使い込んだら、それなりに応えてくれそうな気がします。自前の釜を電気じゃなくて炭で、せっせと使うことにしましょう。

あら、やだ。
先ほどのコメント、また名前忘れました。失礼しました。

そらいろつばめ様

今年の秋はちょっとお茶会お茶事はしばし封印なので、すぐ行って帰れる近場の(ここが京都住みのいいところ)美術館まわりで渇きをいやしておりまする。早く釜を火にかけてあげたいわ〜。どんな釜でも使い込むと味がでてくると私も思います。しかも釜は収納の場所をとってしまうので、もうこれ以上増やせない、、、、

しぇる様宅のお近くには徒歩範囲で いいところがたくさんありますね。
神楽岡の黎明会の美術品は今 すごいものが並んでおりますので 是非 足を運んでみてはいかがでしょうか?

ひいらぎ様

あそこはギャラリーにもなっているんですね。ちょっとあやしげな宗教団体σ(^^)?かと敬遠しておりました。時間があれば行ってみたいと思います。


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