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2017-08

口切りの茶事〜如庵写し・正伝永源院 - 2014.11.01 Sat

犬山の国宝茶室・如庵での茶会に行くチャンスをみすみす逃してしまった。犬山の敵を都で、、、というわけではないが、運よく如庵写しの席で口切り茶事に参席できた。


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建仁寺はチャの木の生垣。(茶を日本に持ち帰った栄西さんのお寺だからね)


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花も終わりかけ青いチャの実がなっている。秋も深まればこれが茶色になり三つにはじける。


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早い木はもう紅葉している良い季節になった。


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さて、如庵写しのある正伝永源院。

この建仁寺の塔頭の来歴は複雑で、もともと織田有楽が復興し、如庵を建てて隠居としたのが正伝院。細川家の代々の菩提寺が永源庵。この二塔頭が明治初頭の廃仏毀釈運動で廃寺になったり移転を余儀なくされたり、、、最終的に合併して正伝永源院となったのが明治6年。

このときに如庵は祗園町有志に払い下げられたんだとか。そのご三井財閥の手に渡り東京へ、震災や戦火をさけるために大磯別邸へ疎開、戦後名鉄所有となり、犬山の有楽苑に移築され現在に到る。

国宝茶室のなんと数奇な運命。


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よって有楽さんの墓所もここにあれば、、、、


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細川家のお墓もここにある。昨年完成した細川護煕さんの春秋の襖絵は、そのゆかりで。


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こちらは昨年秋、四頭茶会で三斎流が席をもたれたところなので一度おじゃましたことがある。(普段非公開)けれど如庵写しのなかに入らせていただくのは初めて。

待合の掛け物は寺宝の織田有楽の肖像。


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この如庵写しは現在数寄屋建築研究の重鎮の中村昌生先生の御指導の下、1996年に復元されたもの。

早速席入り。おお〜、、、本で見るのと同じだ〜!

二畳半台目向切。特徴はなんといっても三角形の鱗板。造型として美しいだけでなく、この鱗板、給仕口がない茶室に機能性をもたらしている(三角形ゆえ筋違の席とも)。

次に末客の位置にあたる半畳と点前座のあいだ、中柱に火灯口を持つ杉の板壁。これ末客の位置にすわって亭主と火灯口からご対面(?)しながら点前を見る、、、というのはなかなかおもしろいよ。

そして有楽窓。下地窓にすきまなく竹の連子打ちしたもので、スリット効果により光の変化がおもしろいという。あいにくの曇り空もあるけれど、西面についているので、これは西日じゃないと光がはいらないなあ、、と思っていたら、本歌はやはり有楽窓は東面に作ってあって、朝日が入る設計なんだとか。お寺の境内に作る関係上、東西南北を180度まわさざるをえなかったんだそうだ。ちょっと残念ではある。

最後に「暦貼りの席」といわれる由縁の腰張りがすべて古い暦。それもすわって首くらいの高さまで貼り回してある。一番古い物で慶長年間(秀吉が朝鮮まで攻めていった頃だよ)の暦で、これだけは本歌より古いのだそうだ。


さて、本席の掛け物はこれも寺宝の有楽消息。お茶会への誘いの手紙らしい。(当然ながら読めん)

ここではなかなか見る機会のない向切の初炭手前を拝見でき、勉強になった。

口切りなので茶壺の扱い、御茶入日記の拝見、茶じょうごの扱いなどなど、初めてではないけれど、初めてのような新鮮な気持ちで(ようするに忘れている、、、^_^; )拝見。

懐石をいただくあいだに水屋から聞こえてくる茶臼の音がなにやらゆかしく、、、、と言いたいところだけれど、ご苦労されているようで床に響くような、ごぉ〜んごぉ〜ん、、という音が(^_^; それでもキュッキュッという持ち手がきしむ音はごちそうだった。

縁高に盛られたお菓子は川端道喜さんの亥の子餅に柿がそえられて。かつて茶師が茶を詰めた茶壺を茶家に届ける際、柿と栗を持参するのが習わしだったことから、口切り茶事にはこうして柿や栗を菓子にそえることも。


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さて、後座。
わたくし突き上げ窓の照明装置としての威力を今日ほど実感した日はない!

初座はほんとに暗くてご亭主が手燭をだしてくださるほどだったのに、突き上げ窓を開けたらまあなんと明るい!茶室内の景色がどれだけ違ってみえたことか!まさに陰から陽。う〜〜〜む、うちの小間にもつけりゃよかったかな、、、

後座もまたありがたいことに寺宝のオンパレードで、花入が竹一重切、作ったのは有楽の次男で有楽流を継いだ道八(頼長・通称左門とも)そう、「へうげもの」で頭をばかばかしいリーゼントにしたバサラ気どりの(当時)どうしようもなかったあいつですよ。どうもあの顔がちらついてあかんわ。その後更正してちゃんとした茶人になったもよう。

同じく寺宝、御本立鶴の水指。これがこの手の本歌だそうで、これはよかった、ほんまによかった。


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干菓子は亀屋伊織さんの煎餅と有平糖。この煎餅はほんとうに薄くて薄くてびっくり。この楓の焼印は、さらに季節が進むとだんだん端っこの方に移動していくんだそうな。芸がこまかい。


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なにより如庵の意匠がすばらしかったが、さらにおいしい物をいただいて、茶臼の音に耳をそばだて、よき道具を見てさわって、五感フルに満足させていただいた。佳き日哉。




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● COMMENT ●

如庵の写しの茶事にしかも口切りに行かれたのですね。
羨ましい!いつか私も伺ってみたいです。

やはりお茶はいいですねえ。はるか彼方にロマンを乗せて。

ひいらぎ様

次は是非、犬山の如庵本歌をねらいたいですね〜。
口切りは昨年うちの社中でもやったのですが、挽いたお茶がとてもまずかったそうです^_^;(私は参加していない)

逃したのは如庵会ですか?
であれば逃して正解(笑)。
光悦会や大師会もそうだと聞きますが、お点前もなく全て点て出しで、道具屋さんが仕切っているつまらない茶会です。
唯一如庵に入れるのが嬉しいけれど、あまり大した茶室とも思えず…。
点前座の前の火灯口、なんか変ですよね?
なんでもオリジナルから躙り口の位置が変わって、妙な半畳になったとか…。

如庵会

如庵会に参加したことがありますが、まことに結構な大寄せのお茶会でした。
私の時は瀬津さんが濃茶席を懸けておられましたが、道具組はまことに結構なもので
「三宝」「白氏文集切」など重要文化財クラスが、めじろおしで拝見できました。
この時は瀬津さんのお父様の13回忌にあわせて掛けられたため、その理由がお分かりの方は道具組の意味がよくわかられており、感慨深いものがありました。
光悦会の会長は乾豊彦さんのご子息が就任されたそうですね。
乾豊彦さんは名古屋の高橋さんからの乾家に入られたそうで、如庵会とも関係があられたとか。
いまはSB食品の山崎さんが所蔵されている長次郎の「一文字」もある茶会で使用された後譲られ、
林屋晴三先生ご指導の下修復され現状になったらしいのですが、それが良かったのか悪かったのか、所有者の見識の違いでしょう。
乾さんは大変な目利きで、小林一三さんに「君は物をわかって買っているのかね」と真顔でいわれ「わからなくて買えるものか」と知人に漏らしたとか、事実乾山の「竜田川」10枚を買値の4倍で売主の古美術商が買い戻したなど、逸話にかぎりがありません。

relax様

如庵会の茶会に行かれたのですね。ウラヤマシ〜(>_<)
まあ、茶会と思って行くとお腹立ちもありましょうが、やはり憧れの如庵の中に入れるのは得難い経験だと思いますよ。だてに国宝じゃない。
レプリカながら今回実際茶事の場としてこちらで経験できてよかった。使ってみないとそのよさとかわからないと思うので、道具だけならべられたのではちょっと残念でしたね。
今回の経験をもとに本歌を見たらきっと見所がわかると思うの。、、、、というのでまだ私は期待しています。

例の点前座の杉板ですが、けっこう便利なんですよ。お詰さんが懐石道具をあれこれ預かっておくスペースとして。そこにちらかしても視線がさえぎられますから。

N様

N様もやはり(というか当然)おいでになったことがあるのですね。
そうですか、やはり重文クラスが(@_@;)
だされる古美術商の見識によってずいぶん印象もかわるのでしょう。
よい道具を並べてどうだ!と言われるだけでは心にのこりませんが、光悦会でも道具にまつわる個人的な思い入れなど訥々と話される席主さんにあたり、道具組もストーリーがあると、よかったな〜と思います。
今年は大織部展(岐阜陶芸美術館)にだされたすごい道具が出たらしいです。惜しかった、、、

また乾さんの話題がこちらでも出ましたね。目利きとして,茶人とした、いろいろなエピソードがおありのようですが、なかなか調べてもでてきません。なにか乾さんのことを書いた本でもあればご紹介下さい。

書不尽言 言不尽意

如庵茶会は表千家関係の人は比較的参会しやすいようです。
シェル様の日程が合うようでしたら、光悦会でも大師会でも如庵会でも紹介させていただきます。
伊勢さん(卵)、潮田さん(トステム)、竹本さん(穂久爾文庫)などと同様になかなかコレクター
さんの事績は美術商さんや道具屋さんが口を割りませんので本に書かれることがありません。
凍雲篩雪と川端との関係も実際に関わった業者さんにお聞きするのと巷間ではなされること、書物に書かれていることとは結構違っています。
美術商さんに足しげく通い、老店主に気に入られ口を割らせるしか面白い話は聞けません。
古筆の会で源氏物語絵巻や光悦「不二山」の売買に立ち会った美術商さんにお話をしていただ
きましたが、実情をお聞きすると参会者一同驚愕していました。(ここでは書けません)。
ただ五島慶太は巷間言われているような強盗慶太さんではなく、誠意の人であると。
本に書かれていることなど、本当のことのごく一部です。

N様

やはりそういうものですか〜。
となるとわれわれにはそういう貴重なお話しを聞くチャンスはなさそうです。
なのでまたお目にかかった際にN様からお聞きしよう。でも、そういう方々は一般人にとってはお名前も存じ上げなくて、話が通じないかも知れませんが、、、、(・O・;
裏の裏にはやはりオトロシイ世界があるのですねえ、、、

幸運にして密庵にも待庵にも入りましたが、国宝の基準って…?というのが正直な感想です。

relax様

茶碗だって、なんであれが国宝で、これが国宝じゃないの?とか思うものありますしね。来歴とかも重要ファクターかと。自分が納得できたら重文でも十分です。


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