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2017-08

野村美術館講座〜「織部焼について」 - 2014.11.24 Mon

美濃の古陶については志野、織部、黄瀬戸、瀬戸黒、、、と時代に沿って堪能し、勉強させていただいたのは昨年駆け足でまわった三井記念美術館展であった。あれはほんまにすごい迫力の展示やった。さすが三井。


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(野村美術館への径・碧雲荘沿い)


今回の野村美術館講座は学芸員の桐山さんによるさらに深い織部焼のおはなし。

織部と言えば、やはりあのへうげものの古田織部がコーデディネーターとして指導していた、というのが通説だが、実はそれもはっきりとしないし、そもそも「織部焼」という名前がはっきりつけられたのもごく最近のことらしい。安土桃山から徳川時代に時代が大きくうつりかわるにつれ、政治的問題もあって、ほぼ抹殺されたといってよい織部焼についてはミッシングリンクが多く、研究資料が実に乏しいのだそうだ。
織部ではとくに鳴海織部が楽しくて好きだが、その織部にそんな大きな謎があったなんてね。


まずは織部焼10種について復習。青織部・総織部・赤織部・鳴海織部・志野織部・黒織部・織部黒・弥七田織部、特殊な物として美濃伊賀・美濃唐津。

いままで織部黒(模様のない真っ黒な釉薬のみ)と瀬戸黒の区別が全然つかなかったのだけれど、やっぱり区別つかないんだ、と納得。専門家ならともかくわれわれ素人では、、、。しいていうなら織部黒はややゆがみがあり、口作りがそりかえったり意匠的、対して瀬戸黒は篦目がめだち、口作りはあっさり、、、なんだそうな。、、、、やっぱりわからんということがわかった(^_^;


弥七田織部は、三井でも実物をみたが少し傾向が違うのでなんとなくわかる。時代も20〜30年下る。プリミティブな勢いのあるそれ以前の織部に比べて瀟洒で繊細なデザイン。どことなく遠州っぽい。



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(いきなりだけど、近くの南禅寺・天授庵の紅葉。スマホ撮りなのでいまいち)


織部が作られたのは、桃山時代の慶長10年(1605年)頃から元和年間(1615年-1624年)まで、主な伝世品のほとんどが焼かれた,という場所が岐阜県土岐市久尻、なかでも最近発掘調査の進んだ元屋敷窯跡という。

一世代前の志野や瀬戸黒を焼いたのは穴窯で、エネルギーの無駄があった。17世紀の文献に記されているのは初代加藤景延(窯大将・「へうげもの」では髭の濃い人として描かれていますねえ。)、彼が唐津から学んだ連房式登窯を導入したことでより効率的に大量生産ができるようになった。その登窯こそ元屋敷窯跡。時に慶長12年(1607年)、そして廃窯となったのが元和元年(1615)、つまり大阪夏の陣、そして古田織部切腹の年。

これは象徴的なので、やはり織部焼には古織の関与があると考えたほうが自然な気がするが、学術的な世界では証拠がないとみとめられないのね。

以後、元和年間に織部がやかれたのが元屋敷近くの、窯ヶ根窯で、先ほどの弥七田織部。あきらかに作風が違うのもうなづける。


IMG_18301.jpg


京都三条通の中之町、かつてせともの屋町があったとわかっていたスポットから、織部や志野を中心とした桃山陶器が大量に出土したのは平成元年。未使用の完品もあり、だれかが廃棄した物ではなく、店に陳列されていた物ではないかといわれている。
主に慶長年間、それだけ織部の需要が京都にあったこと、また同じ時期京都ではやった辻が花という染物(技術が失われた幻の染物といわれる)の紋様が織部焼の紋様と似ていること、などから、実は織部は京都でデザインされ美濃に発注されたのでは、という説もあるらしい。(だから、それは古織だと、、、言いたいんだがねえ)

で、冒頭に述べたとおり、ミッシングリンクが多すぎて、よくわからない織部。中之町遺跡のようなものがまたぽっと出てくると、この分野の研究ももっと進むのでしょうが、それはいつごろになるやら。

とはいえ、織部焼は見て楽しく、使って楽しい、、、ということで本日はオシマイ。


おまけ画像

IMG_66541.jpg
(くろ谷・金戒光明寺ライトアップ)





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