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2017-08

香雪美術館〜玄庵茶会2014 - 2014.11.29 Sat

神戸の御影は阪神間でも有数の超高級住宅地であります。そこにある香雪美術館は朝日新聞創立者で長らく社長でもあった村山龍平翁(号・香雪)の旧邸宅、敷地5000坪ですから、まさに豪邸中の豪邸でしょう。





ここに近づくといつも「バードサンクチュアリ」という言葉が浮かんできます。

なにせ広大な敷地はとても神戸市内とは思えないような森を形成してますし、おとなりはフィギュアスケートの羽生結弦君で一時有名になった弓弦羽神社の境内ですから、近づくにつれてたくさんの鳥の鳴き声がうるさいくらいに響いてくるのです。



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毎年11月24日の香雪翁命日に、顕彰茶会(茶室の名をとって玄庵茶会)がひらかれます。2年前参席し、邸宅のすごさと、庭園とりわけ紅葉の美しさ、普段はガラスケースの向こう側の茶道具、高麗橋吉兆の点心に感激しました。なので、昨年逃した茶会、今年はなにがなんでも、、


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香雪も近代数寄者の一員ですから、その茶道具コレクションは半端ではありません。(同じく朝日新聞共同経営者だった上野理一・有竹斎も数寄者だったそうですが、そのコレクションは茶道具よりも中国書画であったようです)


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おりしも美術館の方は「松平不昧の好み」展で、これもまたすごいものがでておりました。(漢作唐物・利休丸壺茶入もでておりましたのよ、きゃ〜〜〜\(^O^)/)


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村山邸は玄関棟、洋館、書院棟、茶室棟にわかれる広大な物で、茶室棟のそばに藪内家・燕庵写しの(茶道精進の結果、家元から許可が下りて写した物)茶室、玄庵があります。(写真で見る本歌そっくり!)


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美術館の受付をでて、ぐるりと回って玄関棟にいく御連客。あいにくの雨で、本来ならば森の中を通って濃茶席、薄茶席、点心席をめぐるのですが、残念ながら建物の中をつたっての移動。

それでも茶室棟までの間は傘をさして森の中、歩けました。鳥の声がここでもかまびすしい。雨の森も風情があります。編み笠門もくぐりましたしね。


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(これは受付の建物。玄庵じゃないよ)


玄庵は本歌と同じく三畳台目+相伴席一畳。これは利休の究極のコンパクト茶室から、次代の遠州の数寄屋書院茶室に移行する時期の過渡期的茶室といわれます。なにしろ燕庵は古田織部が義理の弟、藪内剣中に贈った茶室ですから。

香雪翁が藪内を学んだ縁で、茶会は藪内流で。濃茶席は(NHKでもおなじみの)若宗匠が練ってくださいます。熱々でおいしかった!


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さて、聞いておどろくな、床の掛け物は東山御物ですぜ。北宋・徽宗皇帝の花鳥図。(同じく徽宗皇帝の桃鳩図は国宝だしな)花入は砧青磁の筍、釜が与次郎の利休好尻張(うおおおお〜〜)、実際に使ってるんですよ。

水指が井戸の雷盆(すり鉢をみたてたもの)、主茶碗は名物染付・松竹梅(もとは香炉であったもの)、替え茶碗が柿の蔕。

茶入が会記には唐物・半月文琳(遠州命名)になっているけど、なんだか違う。若宗匠がおっしゃるには、使う道具が当日にならないとわからないので、当日ためして、武野宗瓦(紹鷗の息子)の茶杓がはいらないことが判明。急遽かわりに藪内伝来品をおもちになったとか。

あとで飾ってある半月文琳見て,納得しました。「ちっちぇ〜〜〜!」これせいぜい二人分の濃茶しか入らないと思うわ。

客のお流儀はさまざまなので、濃茶茶碗の出し帛紗など、扱いがみなさま、さまざま。これもおもしろいですねえ。


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広大な屋敷の中を、大奥みたいな(?)渡り廊下をつたって二階の薄茶席へ。(一度迷うと遭難しそうな感じですよ)

ここは下の庭の紅葉が赤い大海のようにみおろせて、本日なによりのご馳走でした。その向こうには本当の神戸の海、さらに高層ビルも見えるというシュールな感じも(^_^;

ここでも使う予定の水指が水漏れすることが判明し、急遽差し替えという一場もありました。釜はここでも与次郎尻張、こちらは道安好。

お点前された方が二年前と同じ、かなりご高齢とおみうけする高弟とおぼしき方。立つときも少しふらついておられたので、大丈夫かな、、と心配しましたが、さすがというべきか、帛紗をさばいて茶器を拭くとき(藪内のこれはかっこいいのだ)ぴたっと決まっていました。鍛え方が違う。

主茶碗はかっこいい紅葉呉器、替えがのんこうの赤楽「竃(かまど)」、一部釉薬が茶色になっているので竃であぶられた、、といった感じで。もう一つが織部黒「玉箒(たまばはき)」。先日野村美術館セミナーで学習した瀬戸黒との違いを実際に見て実感しました。


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最後は大広間でこれまた紅葉の雲海を下に眺めながら、吉兆の点心をいただく。ここには江戸時代の狩野派絵師(名前は不祥)によるすごい鳳凰屏風六曲一双が飾られて、この前で食事をするとは王侯貴族にでもなったようで面はゆいです。天気の良かった一昨年はお庭の森の中、篝火の前でいただきましたっけ。

最後に美術館の展示を見て、一昨年、実際に手にとってその軽さを実感した漢作唐物茶入・薬師院肩衝をガラスケースの向こうに発見∈^0^∋

ほんまにこの時代の数寄者はみんなトンデモナイ人たちばかりだわ、、と思ったのでありました。



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お土産に美術館蔵の名品12品の写真をつかった来年のカレンダーも頂戴しました。

来年もまた行けますように!(たのむから月曜日とかやめてね)


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● COMMENT ●

数寄者

本当にものすごいですね。いいなあ。
先日、ご先祖さんが佐竹本歌仙絵をくじ引きで購入したというご婦人に、とある道具屋さんでお会いして、面白いお話を聞くことができました。(例の「乾のおじさん」のことも)
徳川美術館にある柿の蔕茶碗「京極」にまつわる話など、結構おかしかったです。
本当に、みんなトンデモナイ人たちばかりだわ、とおもいました。(書けないのがなんとも歯がゆい)

N様

ややや!
佐竹本を購入したご先祖さんに乾のおじさま、どんな高つ方だったのでありましょう!
書けないお話とやらにも妄想がふくらんでそれこそトンデモナイ世界を思い描いてしまいます!
(またこっそり教えてください^_^;)

すごいですね。来年は私も行きたいなあ。
1年の茶会をチェックしておかなければいけませんねえ。
こうやって美しい写真を見せていただき ありがとうございました。

使ってこそ

本当に素晴らしい茶会ですね。
やはり名器は使ってこそです。
でも扱いのは緊張しますけれど。
出会える事は人生の至福でもあります。

ひいらぎ様

ここはみなさんにオススメしているのですが、ちょっと京都から心理的に遠いのと、あまり広報されないのでリピーターばかりのようにおみうけします。

nageire様

名器を使わせていただけるのは、ほんとうに太っ腹!で、ありがたい茶会です。
だから水漏れで急遽変更!というのもかえってホンモノ使ってる感があってよかったです。
お稽古人口がそれほど多くない藪内のお茶もよかったです(^-^)b


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