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2023-11

富本憲吉展・奈良県立美術館〜依水園 - 2015.02.16 Mon

せっかく奈良に来たのだから、吹雪にもめげず奈良公園までもどる。


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そうよね、これこれ。奈良に来たらこの風景見なくちゃ。


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県庁裏の県立美術館では富本憲吉展やっている。なぜ富本憲吉?とおもったら、彼は奈良出身だったんですね。知らなかった。(生駒郡安堵町:法隆寺のわりと近く)


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彼の作品というとポスターのように微細な幾何模様がびっしり、、、というイメージだが、実は全国の窯場をめぐっていろんな焼物の技法を身につけていたので、それだけではなかったのね。白磁もあれば染め付けもある、乾山風のもあるという感じ。

中でも九谷の技法はかなり勉強したようで影響をずいぶん受けているようだ。展示には参考として古九谷、江戸時代の復興九谷などの焼物も展示されていて、ラッキ−。

でも、やはり富本らしい陶箱の表にも裏にもびっしり繰り返し紋様が描かれている作品が一番いいな。


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先月の山焼でボウズになった若草山。
写真ではあまり見えないかも知れないけれど、かなり吹雪いている。でも酔狂だから近くの依水園にも行ってみよう。



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ここは国の名勝指定も受けている4000坪もある宏大な庭園ながら、みなさまあまりご存じない穴場。(4年前の秋の写真がここで見られます。)春秋はとても美しいけれど、冬枯れの景色も好きなので。


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こちらは17世紀に奈良晒業者がつくった別邸の前園。池を中心に茶室や母屋が散在するコンパクトにまとめられた景色。


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どうです〜?
吹雪いてるでしょう、ほんとに。


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こんな日に訪れる人は皆無だろうな、と思ったら意外とミニグループツアーの方たちが茶室でお茶を召し上がっていたりする。ただし、さぶいふきっさらしの庭園は独占です。



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明治になって奈良晒の業者・関家が、裏千家十二代又妙斎に依頼し作庭させた後園の庭は茶味あふれる庭。市松の敷松葉。


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又妙斎がつくった茶室、清秀庵。裏千家の又隠写しの四畳半。


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こちらはダイナミックな借景の庭。背景に見えているのは若草山、東大寺南大門。この景色を見ながらお茶できるのが氷心亭。


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広大な庭を吹雪かれながら散策すれば、こんな四阿もあります。水車小屋だってあるんですよ。


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この階段の石はどうみても奈良の古刹の柱礎石かなんかだろうな。


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おお、まだ降る降る。ええかげん帰らないと風邪をひきそうだ。



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ちなみに前回来たときに由来のわからなかった菊桐の紋の蹲居は、秀吉の弟、秀長(大和郡山城主)遺愛のものなんだそう。なるほど〜。


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依水園から登大路へもどる。コートちょっとぬれてきた。
それでもまだ古美術店巡りなんかをして散財して帰る根性のあるわたくし(^◇^;)



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来月はもうお水取りだ。
練行衆たちの別火(潔斎)もはじまったころだろう。奈良は、、、田舎だけれど愛しい場所だなあ、大好き。


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● COMMENT ●

しぇるさん、こんにちは

奈良県立ですか・・・国立は行った事ありますが

かなり、良さそうですね^^

奈良、寒いでしょう

特に、夜になると、風も強く

大昔、奈良ホテルに一度、泊まったですが

夜中、寒い寒い><

高兄様

県立はちょいと地味ですが、わりと良い展示をされてます。
国立奈良博ほど混まないので穴場かも。
その寒い奈良に毎年お泊まりにいってます。今年も行きます、お水取り。
数年前は夜中の春日神社御祭りに行って凍死しかけました(^ ^;)

雪のちらつく中、精力的に回られたご様子、
ぬくぬく炬燵で読ませていただいて、何だか申し訳ないような…
ありがたく拝読いたしました。

大昔、一時期奈良、県立美術館の近くに住んでいたことがあります。
東大寺などのお寺や、奈良の鹿愛護協会では、結構アルバイトさせてもらった思い出もあり、懐かしさがこみ上げて参りました。

当時は、どれだけ環境に恵まれていたかにも無頓着で、
今思えばもったいないことを致しました(遠い目。。)

お水取り、今年もいらっしゃるのですね。どうぞ温かくしてお出かけくださいね。

chigusa様

寒い中酔狂にもほどがある、、、けれど景色を独り占め出来るチャンスの多い冬はやはりいいですね〜。
あのお近くに住んでおられたんですか?(◎-◎;) 奈良の人が一番奈良の良さをわかってない、と奈良の某古美術商の方がおっしゃってました。まあ、そんなものかもしれません。京都もしかりです。京都生まれ育ちの人の方がその価値に無頓着の傾向があるように思います。
今年もお水取り、参ります。これがすまなければやはり春はきませんものね。


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