東大寺華厳茶会2015 - 2015.05.06 Wed
今年もやって参りました、東大寺華厳茶会。

鹿たちのせんべいくれ出迎えの御挨拶。

しかしながら初めて華厳茶会によせてもらってから5回目(1年だけぬけてる)、どうしても過去の記事と絵柄(写真)が同じになってしまうのよね、、、(^_^;)

それでも毎年ゴールデンウイークの楽しみのひとつになっているので、高校時代の友人でもある茶友といそいそとおでかけ。この幡(ばん)を見ると心おどるのだ。

今年、華厳茶会は34回目(ということは昭和56年が1回目か)。
東大寺を建立した聖武天皇忌(5月2日)法要の翌日、東大寺の位の高いお坊さんたちが天皇の陵にお参りされ、ついで今年摘まれた大和茶のお茶壺行列、裏千家大宗匠による御献茶という流れ。まあ、私たちは献茶を拝見し、添釜を楽しむだけなんですが。
献茶式、茶壺道中(4年前の茶壺道中)は同時にみることはなかなかむつかしく、一番人気の大仏殿西庭の副席の待ち時間が長いので、ここ数年はスルーしてた。でも今年は久々に献茶式を拝見したく思い、早めのスタート、先に副席に並ぶ。

今年は琳派400年ということで、全国をまたにかけあちこち飛び回っておられる細見美術館の細見館長が席主。
掛け物は昨年秋細見美術館での口切茶事の時に拝見した「なでしこの文」。高山寺・明恵上人の井上なにがしの尼にあてた消息で、印象深かったのでここでまた会えたのがうれしい。一目でわかった。(全然読めへんけど)
冒頭「いただいたなでしこの花が云々」の御礼が「なでしこの文」とよばれる由縁。そしてその前に大きな根來(ほんまもんの古い根來)の水注(?)に投げいれられていたのがなでしこの花で、これはじーんときた。
前の席で入られた大宗匠が、「これは冒頭はやさしいけれど本文は厳しいことが書いてありますね。」とおっしゃったそうだ。禅の修行についての質問への回答らしく(そうだったのか、、)そこは厳しいアドバイスを明恵上人はされたようだ。しかし、、、この消息をさらさら読んでしまうあたり、やはり大宗匠はただ者ではない(◎-◎;)
煙草盆の煙草入れがこれまた根來で水次も根來、そしてとどめが根來の茶杓!時代があるようにみえるがこの茶杓は現館長の祖父に当たる細見財閥の創始者・古香庵(同名の茶室が細見美術館にあり)さんの作だそうだ。とても良い感じの茶杓だった。しかも銘が「東大寺」。それにぴったりマッチする古い薬器の茶器は大きくて、女性の手にはあまるほどの迫力。竹蓋置の光悦の判も鳥肌。光悦大好きだった左入の光悦「加賀」写しの赤楽茶碗も拝見するのは二度目でうれしい。

副席を堪能して大仏殿へ。すでに献茶式の準備はととのっている。

お茶壺行列は拝見できなかったが、駕篭からおろされた茶壺が大仏様に奉納される場面。大和茶業界の方々の手で。
いったん奉納された茶壺は献茶の台子にもどされ大宗匠の手で口切りが行われる。以前は実際にこの中の袋茶を石臼で挽かれていたが、現在はそれは省略されたようだ。台子のお点前を拝見。濃茶と薄茶を一服ずつ。

しっかりとした足取りで階段を上られみずから献茶される。
初めてこの茶会に来たときから5年、大宗匠もついに卒寿を越えられた。いまでも背筋はぴんと伸びておられるが、あとどれくらいこのお点前を拝見できるのだろう、という思いで、しっかりこの目に焼き付けておこうと思う。思えば初めて大宗匠のお点前を拝見したのは大学生の頃、吉田神社の献茶式でのことだった。あの頃はまだ御髪も黒く、油ののった世代でおられたなあ。

本坊では今日庵の拝服席、濃茶をいただく。なにしろ今日庵ですからね、御道具はやはりすごいのよ。清厳和尚の軸「謝茶」、宗旦の竹一重切花入、鳴海織部茶入などなど。

荘ってあるだけで触れなかったもののガラスなしで息がかかりそうな距離で拝見できた長次郎の黒楽がすごかったな。かせた黒でほのかに赤が浮かび上がる、、、その銘も「岩根」、岩根ツツジの赤と見るか。
この席には江戸千家の若宗匠もおいでになっていた。

同じく本坊で辻留さんのお弁当をいただく。タケノコが季節柄おいしい。

大仏殿の東廻廊では毎年奈良青年部の立礼席がかかって、ここだけ一般の参拝者にも無料で施茶がおこなわれるのだが、今までずっと時間の関係でスルーしてきた。今年初めて時間的余裕があったので参席。

全席まわると主菓子3つになるので、さすがの和菓子好きにもきつい。なのでここの葛の干菓子にほっとする。

参会者も、外人さんも、あまりお茶に縁のなさそうな観光客も、みなさんごいっしょに一服。

今年も最後の席は勧学院で東大寺席。

主に東大寺学園にかようご子息をもつお母さん方の席。道具は持ち寄りだが、本堂でご本尊の真ん前でお茶をいただく雰囲気がなにより気に入っている。

今年は台子がでていたが、四本柱の二本に灯明台がついている珍しいもの。上には修二会で観音を荘厳する糊こぼしの造花がほんものの椿の枝に。聞けばこの台子は修二会(お水取り)の勤行に入る前の別火(潔斎)の時、練行衆たちが茶を喫するのに使うものだそうだ。別火は四天王像で有名な戒壇堂でおこなわれるが、この間出入り禁止で世間とは隔離されて潔斎されるため、部屋は暗い。なので台子に灯明台が必要なのだとか。

三個目のお菓子だったが、ういろうと白餡のさっぱりしたお菓子でするっと入ってしまった。

最後に毎年これもお楽しみの記念品。いままで茶碗と香合ばかりであったが、今年は初めて茶杓であった。現・別当の筒井和尚の共筒・箱書き付き。銘を「蓮華蔵」。
蓮華蔵世界は華厳経に説く、毘盧遮那仏(東大寺の大仏さんはこれ)の願行によって現出した一種の浄土、、、らしい。う〜ん、、、むつかしい。どんな席で使えるかな。

鹿たちの

しかしながら初めて華厳茶会によせてもらってから5回目(1年だけぬけてる)、どうしても過去の記事と絵柄(写真)が同じになってしまうのよね、、、(^_^;)

それでも毎年ゴールデンウイークの楽しみのひとつになっているので、高校時代の友人でもある茶友といそいそとおでかけ。この幡(ばん)を見ると心おどるのだ。

今年、華厳茶会は34回目(ということは昭和56年が1回目か)。
東大寺を建立した聖武天皇忌(5月2日)法要の翌日、東大寺の位の高いお坊さんたちが天皇の陵にお参りされ、ついで今年摘まれた大和茶のお茶壺行列、裏千家大宗匠による御献茶という流れ。まあ、私たちは献茶を拝見し、添釜を楽しむだけなんですが。
献茶式、茶壺道中(4年前の茶壺道中)は同時にみることはなかなかむつかしく、一番人気の大仏殿西庭の副席の待ち時間が長いので、ここ数年はスルーしてた。でも今年は久々に献茶式を拝見したく思い、早めのスタート、先に副席に並ぶ。

今年は琳派400年ということで、全国をまたにかけあちこち飛び回っておられる細見美術館の細見館長が席主。
掛け物は昨年秋細見美術館での口切茶事の時に拝見した「なでしこの文」。高山寺・明恵上人の井上なにがしの尼にあてた消息で、印象深かったのでここでまた会えたのがうれしい。一目でわかった。(全然読めへんけど)
冒頭「いただいたなでしこの花が云々」の御礼が「なでしこの文」とよばれる由縁。そしてその前に大きな根來(ほんまもんの古い根來)の水注(?)に投げいれられていたのがなでしこの花で、これはじーんときた。
前の席で入られた大宗匠が、「これは冒頭はやさしいけれど本文は厳しいことが書いてありますね。」とおっしゃったそうだ。禅の修行についての質問への回答らしく(そうだったのか、、)そこは厳しいアドバイスを明恵上人はされたようだ。しかし、、、この消息をさらさら読んでしまうあたり、やはり大宗匠はただ者ではない(◎-◎;)
煙草盆の煙草入れがこれまた根來で水次も根來、そしてとどめが根來の茶杓!時代があるようにみえるがこの茶杓は現館長の祖父に当たる細見財閥の創始者・古香庵(同名の茶室が細見美術館にあり)さんの作だそうだ。とても良い感じの茶杓だった。しかも銘が「東大寺」。それにぴったりマッチする古い薬器の茶器は大きくて、女性の手にはあまるほどの迫力。竹蓋置の光悦の判も鳥肌。光悦大好きだった左入の光悦「加賀」写しの赤楽茶碗も拝見するのは二度目でうれしい。

副席を堪能して大仏殿へ。すでに献茶式の準備はととのっている。

お茶壺行列は拝見できなかったが、駕篭からおろされた茶壺が大仏様に奉納される場面。大和茶業界の方々の手で。
いったん奉納された茶壺は献茶の台子にもどされ大宗匠の手で口切りが行われる。以前は実際にこの中の袋茶を石臼で挽かれていたが、現在はそれは省略されたようだ。台子のお点前を拝見。濃茶と薄茶を一服ずつ。

しっかりとした足取りで階段を上られみずから献茶される。
初めてこの茶会に来たときから5年、大宗匠もついに卒寿を越えられた。いまでも背筋はぴんと伸びておられるが、あとどれくらいこのお点前を拝見できるのだろう、という思いで、しっかりこの目に焼き付けておこうと思う。思えば初めて大宗匠のお点前を拝見したのは大学生の頃、吉田神社の献茶式でのことだった。あの頃はまだ御髪も黒く、油ののった世代でおられたなあ。

本坊では今日庵の拝服席、濃茶をいただく。なにしろ今日庵ですからね、御道具はやはりすごいのよ。清厳和尚の軸「謝茶」、宗旦の竹一重切花入、鳴海織部茶入などなど。

荘ってあるだけで触れなかったもののガラスなしで息がかかりそうな距離で拝見できた長次郎の黒楽がすごかったな。かせた黒でほのかに赤が浮かび上がる、、、その銘も「岩根」、岩根ツツジの赤と見るか。
この席には江戸千家の若宗匠もおいでになっていた。

同じく本坊で辻留さんのお弁当をいただく。タケノコが季節柄おいしい。

大仏殿の東廻廊では毎年奈良青年部の立礼席がかかって、ここだけ一般の参拝者にも無料で施茶がおこなわれるのだが、今までずっと時間の関係でスルーしてきた。今年初めて時間的余裕があったので参席。

全席まわると主菓子3つになるので、さすがの和菓子好きにもきつい。なのでここの葛の干菓子にほっとする。

参会者も、外人さんも、あまりお茶に縁のなさそうな観光客も、みなさんごいっしょに一服。

今年も最後の席は勧学院で東大寺席。

主に東大寺学園にかようご子息をもつお母さん方の席。道具は持ち寄りだが、本堂でご本尊の真ん前でお茶をいただく雰囲気がなにより気に入っている。

今年は台子がでていたが、四本柱の二本に灯明台がついている珍しいもの。上には修二会で観音を荘厳する糊こぼしの造花がほんものの椿の枝に。聞けばこの台子は修二会(お水取り)の勤行に入る前の別火(潔斎)の時、練行衆たちが茶を喫するのに使うものだそうだ。別火は四天王像で有名な戒壇堂でおこなわれるが、この間出入り禁止で世間とは隔離されて潔斎されるため、部屋は暗い。なので台子に灯明台が必要なのだとか。

三個目のお菓子だったが、ういろうと白餡のさっぱりしたお菓子でするっと入ってしまった。

最後に毎年これもお楽しみの記念品。いままで茶碗と香合ばかりであったが、今年は初めて茶杓であった。現・別当の筒井和尚の共筒・箱書き付き。銘を「蓮華蔵」。
蓮華蔵世界は華厳経に説く、毘盧遮那仏(東大寺の大仏さんはこれ)の願行によって現出した一種の浄土、、、らしい。う〜ん、、、むつかしい。どんな席で使えるかな。
- 関連記事
-
- 楽美術館・楽茶碗鑑賞茶会〜琳派系?楽茶碗
- 東大寺華厳茶会2015
- 閉炉2015
● COMMENT ●
トラックバック
http://cherubinpriel.blog.fc2.com/tb.php/461-e4e498aa
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)