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2023-10

楽美術館・楽茶碗鑑賞茶会〜琳派系?楽茶碗 - 2015.05.12 Tue

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久しぶりの楽美術館、楽茶碗鑑賞茶会。当代の楽吉左衛門さんによる解説付き、歴代の楽茶碗でお茶をいただき(それなりの節度を持って)さわりまくれる(^_^;お値打ちの茶会なのです。

楽さんの語り口はとてもやわらかでお人柄がにじみ出るようで、ファンは多いのだ。



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今回のテーマは現在展示室でもやっているがズバリ「琳派」。琳派400年のイベントは全国あちこちで開催されていますものね。ただし、楽さんもおっしゃるように時に絢爛豪華な琳派と楽茶碗って対極にあるような存在。しかしながら、楽家歴代は時代に沿うようにそれぞれ新しい試みをしてきたので、中には展示室にあった覚入(当代のお父上)の茶碗のように、一見永楽さんか?と思うような色釉を使った茶碗もあるのね。



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茶席は東下りあり、端午の節句あり、のしつらえ。お菓子は聚洸さん(たいてい聚洸さん。楽さんお気に入りらしい)の「燕子花」。菓子鉢が以前もこちらで拝見した菱形織部の鉢で覚入作、家のすみにころがっていたのを取手を当代がつけて菓子鉢にした、というエピソードがあったっけ。

花入が九代了入の粽、花はアマドコロと都忘れ、それに丁子草。いずれも楽さんご自身で山のアトリエで取ってきて入れたもの。

風炉先が銀刷毛目でえらくモダンだな、と思ったらこれも当代ご自身の作とか。なにをやらしてもすごい人っているのね。



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(こちらは次の茶会へはしごするため時間待ちにはいった一条の虎屋菓寮のテラス席。爽やかな風と緑とやってくる野鳥の姿と、、、とても気持ちがよかった。)


さて、本日のお茶碗。「なんとなく琳派っぽいのを出してみました。」とのこと。


1)赤楽「開口」 六代左入二百之内

左入二百は晩年の享保18年(1733)に制作された200碗のことで、すべて作行きが異なり、それぞれに表千家七世如心斎が銘をつけたもの。(うちの先生一つもってはったな)同じ左入でも二百之内というと価値があがるんだそうです。

小ぶりですぽっと手に納まり、少しざらざらした手触り。平茶碗っぽいので開口か?

2)赤楽「緋縅写し」 九代了入

これが一番すごかった。存在感のある茶碗。光悦の「緋縅」を写したものらしいが、「加賀光悦」にも似ている。加賀光悦は承天閣美術館(相国寺)蔵だが、そこに納まったいきさつや「あそこは金(閣寺)も銀(閣寺)も持ってますからねえ。」というおもわずニヤリとするお話しなども。

口のところがさっと刷毛ではいたように白いのはそこだけ黄土釉をぬっていない土の色だからだそうだ。手に取ってみるとたしかに境目に黄土釉をぬったとおぼしき筆使いのあとがみられる。しかしごっついなあ、この茶碗。裏の高台の中に黒い丸が描かれているのだが、これは一体何なのか、楽さんも謎、とおっしゃる。


3)黒楽「太郎写し」 十二代弘入

私はこれでいただいた。どことなく宗入の「亀毛」っぽい、よこにちょっとくぼみのある茶碗。表千家六代覚々斎が三人の息子(長男・表千家七代如心斎、次男・裏千家七代竺叟、三男・裏千家八代一燈)にそれぞれ与えた茶碗、太郎・次郎・三郎という茶碗の一つだそうです。親子の愛情を感じるネーミング。


4)赤楽兜の絵 十二代弘入作 十三代惺入絵


これも親子合作。惺入の兜の絵は緻密。楽茶碗にもこんな絵付けがあるんだ。


5)赤楽張り子の虎絵 十四代覚入 表千家即中斎絵
6)   同     十五代(当代) 表千家而妙斎絵


5)は1962年、6)は1998年 茶碗も親子なら絵も親子、という組み合わせ。

干支の茶碗は毎年三千家家元へおさめるもので、各流派のお家元はそれに絵を描くを楽しみにしておられる、というここでしか聞けないお話しも聞く。そうなのか〜。



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(虎屋菓寮)



たっぷりお茶碗を楽しんだあと、展示も拝見。なんといってもポスターにもなっているのんこう(三代道入)の黒楽「荒磯」がすごい。胴から下に蛇喝釉という茶色っぽいまさに蛇の鱗のようなごつごつした釉薬の景色、これを荒磯の波にみたてたらしいが、私には龍のようにも見えた。
これは個人蔵で、あまり長くは貸し出しできないということなので、見に行く方はお早めに。



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さて、その後は一条虎屋菓寮で虎屋なのにお菓子をたのまず赤飯をいただく。ここの赤飯おいしいんだ(^-^)



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鍵コメ様

とてもナイスな(死語か?)情報をありがとうございます。
私も今年からさる師匠について仕舞をはじめましたので、豪華なラインナップ、とても興味があるのですが、悲しいことに土曜日は仕事で京都にいないのです(泣)
鍵コメ様のお師匠さんは時々拝見しますよ。
それにしてもとても贅沢な発表会、がんばってくださいね〜!うまくいくよう祈ってます。


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