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2017-07

野村美術館講座〜「縁側から庭へ〜フランス人が見た日本の庭」 - 2015.05.24 Sun

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細川様のお屋敷前の猩々紅葉が今年も真っ赤です。ここはいつもの野村美術館へ行く道。


本日の講座のお題は「縁側から庭へ〜フランス人が見た日本の庭」。

講師のエマニュエル・マレスさんは10数年前に留学来日し、京都で日本庭園史の研究者として暮らすプロバンスはニーム市出身の男性。現在は洛北地球研に所属されています。バッグパックを背負ってひょいひょい歩かれる姿は、外国人観光客そのものですが(^_^;実はそこらの日本人以上に日本庭園についての碩学です。

最初に日本の主に寺院の庭園を見て歩いたときは、全くの観光客としておとずれ、知識ではなく五感で感動した幸せな時代だったとか。



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(碧雲荘わきの疏水分線)


その次に夏目漱石の小説での「縁側」の使われ方に興味を持ち、「縁側の研究」を始められた。縁側=家の外と内とをつなぐあいまいな空間、、、いまだにどういう研究なのか私にはようわかりませんが(^_^;

そして「縁側」を求めて来日。ところが現在の日本の住宅事情は、、、いまどき縁側のあるお家はほとんどないですものね〜。唯一かならず縁側があるのがお寺だったそうで、しばし寺院の縁側にたたずみ、そこから今度は日本庭園に興味をもたれたのですって。

いままでの庭園の図では庭自体の図面はあるが、借景などは記載がないので、借景(比叡山など)もスケールにいれた断面図の制作や、比叡山の借景としての取り込み方、遠近法(狭い場所に奥行きを持たせるため手前に大きな石をおく、など)、逆遠近法(手前に小さい物を配し、遠景を近くにみせる、など)などなどの研究をされたそうです。(すみません。くわしくはようわからん、、、^_^;)

同じ景色を見ても、私なぞはぼ〜っと眺めてええなと思っているだけでシアワセだが、そこまでいろいろ考察しながら庭を見るのも人によっては楽しいのでしょうねえ、、、(^_^;



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つぎに彼はそこからなんと庭師さんに弟子入りして庭師見習いを数年やったというから、はんぱではありません。主に奈良の普段ははいれないような庭園の作業にたずさわったそうです。今西家書院や矢田寺など、それはある意味うらやましい。

そこで松の木一本の手入れも、なるたけ自然のまま大きく育てるフランス方式と、手間を掛けて枝振りを整えていく日本方式の違いに驚いたそうです。ごつい作業用ブーツにヘルメットのフランス式装備と、地下足袋に手ぬぐいかぶりだけの日本式装備の違いにも。(地下足袋!あれはええね)

ヨーロッパの庭園はシンメトリーを旨とし、徹底的に人工的に手をかけていて、日本庭園はその対照にあると思っていたけれど、一見自然に見える日本庭園もどれだけみえないところで手をかけているか考えると、基本はそれほど変わりはないのかもしれない。


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(インクライン)


さらに研究はすすんでどうやら彼は、武将であり建築家であり茶人であり、そして偉大な作庭家でもあった小堀遠州にとても興味をもたれているようです。地球研のセミナーでもそれやってたし。


小堀遠州の庭ははっきりしている〜あるいはたぶんそうだろう(両説あるようだ)というものが実は10個しかないのね。これは意外だと。
小堀遠州の庭について、対照的な二人の日本人研究者の対比をしつつ写真を交えてお話しを聞きました。

方や学究肌で作庭家としてはあまり有名でない森蘊(おさむ)、方や研究家としてはそれほど評価高くないが作庭が有名な重森三玲。

前者は桂離宮は遠州の作ではないといい、後者は遠州のものだという。
前者は遠州の庭を自然と順応するといい、後者は自然を凌駕し作為が勝つという。

そしてそれぞれの主張はそれぞれの作った庭と同じテイストだと。なるほどね。



子供の頃、日本に関する情報がほとんどないなかで、たまたまはじめた日本語の学習がとうとう彼を日本にひきよせここまでの日本庭園研究家にするとは、一体どういうご縁なのかと思う。それは私たちの人生にもあることで、たまたま京都で学生するからお茶でも習っとくか、と思ったことが現在のふたたび京都にまいもどってお茶漬け(食べるおちゃづけとちがうよ)生活につながるとは自分も想像しなかったように。

そして印象に残った言葉。

「縁というのはとても不思議な言葉。日本人はご縁で、、、というと理屈はなくてもみんなそれで納得する、というのが不思議だった。」


確かに欧米にはない観念かもしれない。でもご縁で、という言葉は好きだな。運命、、ともまた違う感じ。感謝の気持ちがこもっているような。

今日このフランスの地方都市からやってきたエマニュエルさんのお話しを京都で聞くことができたのも、これも「ご縁」といわずしてなんであろう。








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● COMMENT ●

本当に色んな所でご縁を感じますね。私はお話の間は良い気持ちでこっくりっこくりしながら、終わったら図々しく質問したりして。
それにしても感じのよい方でしたね。「縁側から庭へ」アマゾンで今日届きました。それから今夜の日曜美術館、再放送で重森三玲やってましたね。

しぇる様へ

私の学生の頃は、京大の構内でも、外国人の留学生の姿は、あまり、見かけませんでした。
その中で、ソルボンヌからの留学生がいて、何時も、下駄を履いて登校され、休みには、未だ
観光客の少なかった真如堂の散策をされていました。
京大に三年近く、居られパリに帰られましたが、
学生時代の思いでに残る友人の一人でした。

最近は、構内のどこでも、見かけるようになってきました。
出身国も多岐に亘るようです。

そらいろつばめ様

早速本を注文されたのですね、すばやい!
もっともっとしゃべりたそうにされていたのが印象的でした。
もっとたくさんの欧米人が日本文化の深みにはまってくれるとうれしいです。

重森三玲は郷土の偉人(^^)なので彼の作庭をめぐるシンポに父がかんでたりしたんですよ。

narahimuro様

私の同級生にアジアからきた優秀な留学生がいました。
当時数少ない女子学生同士でなかよくしてました。帰国された後もお国まで遊びにいったことがあります。
懐かしいですね。
最近は欧米系の留学生をよく見かけますが、アジアからはまだ来てるのかな??


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