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2023-10

皐月の伏見さんぽ - 2015.05.31 Sun

初夏ならぬ真夏日の1日ではあるが、今日はゆるりと伏見をさんぽいたすとしよう。
京阪中書島でおりて、、、、


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伏見はかつて京・大坂をむすぶ水運の町であった。そのシンボルの三十石舟や十石舟。いまでは大切な観光資源だ。これはあとでのることにいたそう。



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伏見は酒蔵の町でもある。まずは月桂冠大倉記念館へ。



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この景色が伏見よのう。
残念ながら現在ここは酒の資料館であって、酒造りはここではされていないが。(もっと北の方では招徳酒造など、いまでも酒蔵で酒造りをしているところもまだまだある)




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灘の酒は宮水、すっきりしゃんとした男酒。対して伏見の酒は伏水、やわらかい女酒といわれる。ここで伏水をいただく。



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よい酒にはよい水が大量にいるのである。いっぱいいただく。たしかにやさしいやわらかい水だ。



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資料館ではかつての伝統的な酒造りの道具などが展示されている。これは迫力の酒槽。ここで酒を絞るのである。大きいよ。



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蔵の中の梁や準棟纂冪(じゅんとうさんぺき)などもみどころ。



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しかも試飲コーナーあります。昨夜飲み過ぎて酩酊、若干二日酔いなのにここで我慢すればよいものを、、、迎え酒してしまう。吟醸酒、大吟醸、プラムワイン(梅酒みたいなものね)を試飲。私はどっしり米の味のする吟醸の方が大吟醸より好きである。
ここで試飲しすぎて街角でやや酩酊気味のおっさんを見かけるのもさすが酒処伏見か(^_^;)



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さて、ほろよい気分で酒蔵の町を散策いたそう。



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このあたり外国人観光客の団体さんがいっぱい。伏見、意外と人気あるのやな。



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大倉記念館の裏あたり、京阪のCMおけいはんのポスターにのってるのはここ。伏見夢百衆。大正時代に建てられた月桂冠本社だった建物を利用したお土産物とカフェになっている。



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伏水でいれた珈琲なんかもあるらしい。



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月桂冠の創業者、大倉家の本宅。文政11年(1828年)の建築なのだそうだ。



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宇治川へつながる水運の道沿いに歩くと月桂冠の蔵を裏から見ることができる。

さて、いよいよ十石舟に乗ろう。



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かつて伏見〜大阪を三十石舟が行き来した濠川をのんびり行く。半分以上は外国のお客さん、残りは酩酊してやかましいおっちゃんや東京からわざわざ来られた方とか、酔狂に市中から来た私とか。




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舟の低い視点から見る景色もなかなか。
途中寺田屋の裏が見えたり、ここ伏見から洛中に高瀬川を開鑿した角倉了以の記念碑や、龍馬とおりょうさんのブロンズ像など。そうそう、伏見は明治維新の舞台ともなった場所だった。なので龍馬通りなどという通りもある。




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もともとここらには巨椋池(四神相応でいくと南の朱雀がこの巨椋池だったという)というか湖があったのを、宇治川と分離し初めて治水工事をしたのが太閤秀吉だったという。いまでも京阪の中書島駅の中書島はこの巨椋池の中の島だったそうだ。なんで島?かと思っていたがそうだったのか。残念ながら巨椋池は昭和16年に干拓事業で姿を消した。



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十石舟の折り返し点は宇治川への出口、三栖閘門。



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昭和4年に造られたもの。大正年間、堤防工事により宇治川と伏見港の交通がなくなったのを解消するため造られた門。ここだけみたらヨーロッパの景色みたいだ。



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さて、舟をおりたら船着き場近くの長健寺へ。水運で栄えた場所ゆえ航海の安全を守ってくれる‘島の弁天さん’と呼ばれたお寺らしい。ご本尊が弁天さん(八臂弁財天)なんや。


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この中国風の門は萬福寺みたいに黄檗系?かとおもいきや、真言宗のお寺らしい。なにやら赤い壁が艶っぽい、、、と思ったらここは中書島遊郭の一部だったそうだ。(ここの宝貝お守りというのが実は××そっくりで、、、、という^_^;、、よう書かんわ)



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中は静かな緑や花のきれいな境内であった。枝垂れ桜も有名なのだそうだ。



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ぶらぶら散歩するにはちょうどよきスケールの町なのでまたしばしぶらぶら歩き。



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そこかしこに良い感じの古い建物が残る。



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こちらは黄桜カッパカントリー。酒蔵レストランで昼飯を、、と当て込んでいたが5分の差でランチ終了であった。残念。

黄桜といえばすぐに思い浮かぶ色っぽいカッパのCM,その資料館もここにはある。そういえばあれを描いておられた小島功先生が亡くなられたのは最近のことだったな。



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こちらにもわき出る伏水があって、近所のおばあさんがペットボトルに汲み取ってはった。



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カッパカントリーのレストランがだめだったので、伏見と言えばこれも有名な鳥料理の鳥せいでご飯にしよう。



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蔵元神聖の元酒蔵だったところ。


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お昼時を少しはずしたのですぐ入れた。



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鶏飯ランチ。おなかいっぱいのボリューム。これで750円は安い。



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さらに歩いて寺田屋へ。


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寺田屋はかつて薩摩藩の定宿、幕末のころの女将・お登勢は多くの志士を助けたことで有名。だが当時の寺田屋は既に焼失したことがわかっているので、この建物はのちにできた(復元した?)ものらしい。



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寺田屋と言えば坂本龍馬が急襲されて、おりょうさんが裸のまま風呂場から駆け上がり急を告げ、龍馬は九死に一生を得たというエピソードが有名だが、これがその階段、、ということらしい。
なんと現役の宿屋なので宿泊できるそうだ。

さて中書島に別れを告げて、同じ伏見区ということで行きたい茶房が一軒。



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京阪墨染駅すぐ近くの椿堂茶補。以前近くの藤の森神社・あじさい祭の帰りに寄って閉まっていてがっかりしたことがある。



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今日は大丈夫。奥の茶房竹聲へ。



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おちついた煎茶席のような室礼。
急須でお茶をいれることが少なくなった昨今に危機感をいだき、日本茶の普及に尽力しておられることで有名なご主人は本日不在。なにしろ新茶の季節なのでお忙しいのだろう。



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いろいろな産地の煎茶から、せっかくなので宇治の煎茶「雲華」を選ぶ。自分で二煎目、三煎目をいれる。お湯を適温に冷ます湯冷ましがかわいい。

室内にはレトロな時計がカチカチと時を刻む音だけが聞こえる。煎茶一服、本日の伏見めぐりをしめくくるとしよう。



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● COMMENT ●

寺田屋は今でも泊まれるのですか!
子供たちが日本史を習い始めた30年ほど前、夏休みの家族旅行で泊まったんですよ。その頃はまだ本物だと思われていたので、龍馬が襲われた柱の刀傷の前で寝て、大興奮していました。部屋でチャンバラごっこもしたような。
30年、50年がアッという間。そう思うと、明治維新の頃も案外、身近に感じられますね。

横浜駅から数キロのところに、おりょうさんが働いていた、田中屋という料亭はまだありますよ。

そらいろつばめ様

ええ〜っ!?
お泊まりになったんですか、実際に!
現在も宿泊できるというのもびっくりでしたが、すでにご利用とはびっくり。
この「寺田屋」があるおかげで維新の歴史に興味を持つ人もいると思うので、これからもがんばって維持してほしいですね。NHKの「龍馬伝」のおりょうさんは裸でなかった、という不満はちょっと聞きましたけど、、、(^0^;)

ヌーチャン様

コメントありがとうございます。
おりょうさんはたしか長生きされたんですよね。
そうですか、横浜のお店はまだ健在!ほんとに明治維新のころって意外にそんな昔じゃないんだ。
あの写真が正真正銘おりょうさんのものだとすると、現代でも通じるべっぴんさんだったんですね。


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