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2017-04

楽美術館鑑賞茶会〜水無月2015 - 2015.06.26 Fri

今月も楽美術館鑑賞茶会。楽さんの解説を聞きながら茶室で一服いただけるのだ。


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今回は水無月、雨の室礼で。

軸は碌々斎の醒ヶ井の歌。雨が降って醒ヶ井の井戸の水は濁っても世の中は濁らない、、というなんだか逆説的な歌。

釣船の花入は7代了入。釣船はあぶなっかしいので前回は床においていたが、今回はがんばって釣ってある。ちょっとはらはら。花はヤブミョウガ(これうちにも自生してるかわいい花なんです)、水引草とナニカ。
水指が青銅の釣瓶で、これは千家から到来、二つのうち(釣瓶だから二つある)の一つ。実際に不審菴の井戸で使われていたものらしい。表千家10代吸江斎の書付があるので150年くらい前の物ということになる。良い感じの緑青がふいている(体には悪そうだが、、、^_^; )


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平棗が8代宗哲「七賢棗」。竹林の七賢のうちの一人、阮籍の名前が蓋裏にかかれているもの。(ちなみに阮籍は俗物が来ると白眼で対し、気に入りの人物には青眼で対したことから「白眼視」という言葉の元となった人物)

実はこの棗は七賢それぞれの名前を書いた7つのシリーズであることがお客さんとの会話で判明。楽さんご自身もご存じなかったそうだ。

お菓子は例によって聚洸さん。とても繊細できれいな薄いブルーの葛をシートにして餡にまきつけた菓子、銘を「卯波」。陰暦4月(6月半ばくらいまで)のころ海に立つ波。薄造りの葛のひらひらっとした感じがいかにも。


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さて、いよいよ楽茶碗シリーズ。今回は一見楽茶碗にみえないようなのがそろった。


1)黒楽平茶碗 「古池」     5代 宗入

かせた黒で一見盥のような形。少しざらついた手触りが手のツボを刺激する感じ(^_^; 古池か〜、、、へりに蛙でもとまらせたい。


2)志野写し         9代 了入

一見志野茶碗だが裏をみると楽だ、やっぱり。高台のつくりや高台脇が白楽のようで、上から見るとやはり志野にしか見えない。長石釉のむこうに鵜らしき鳥の絵がすけてみえる。こういう茶碗も作っていたのか。


3)高麗刷毛目写し 「濤声」   12代 弘入

これもどうみても高麗の刷毛目茶碗にしか見えない。小ぶりで手にすぽっとなじむ。刷毛目が上から見るとまさに濤の渦のように見える。


4)織部写し 「緑水」    13代 惺入

これが楽の窯だといわれても誰もわからんだろうなあ。どうみても織部。緑の色がかなり本歌より鮮やか。私はこれで一服いただいた。


5)香炉釉魚の絵     14代 覚入

当代のお父上の作品。香炉釉は白い釉薬で、黒い貫入がかなりバリバリにはいっているもの。2代常慶が考案したものだそうだ。形は篦目のくっきり入った楽茶碗、一本入った横線がいわれれば魚に見えなくもない。昭和42年歌会始の御題「魚」の時につくられた茶碗だそうだ。今回はこれが一番気に入った。



6)赤楽 「鳴澤」   当代


篦目くっきり、当代らしい赤楽。アヴァンギャルドな焼抜きとちがって正統派だが色がちょっとダークな赤で独特。銘の由来は不明。青森の地名か?



こうしてみると一般的イメージの楽と違う茶碗を歴代はいろいろ工夫挑戦しておられたのだなあ。伝統にあぐらをかくことなく、新しい物にどんどん挑戦する姿勢がなければ伝統を維持してはいけない。最終的にもとの楽茶碗らしい茶碗にもどるとしても、その間の冒険や挑戦を通過しての楽茶碗はさらに昇華されたものになっているのではないかしら。


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(特別出演?建仁寺両足院の半夏生)



展示室には長次郎の黒楽「勾当」がでていた。釉薬が窯の中で沸騰したため茶色のあなぼこがぼこぼこあいている茶碗だ。楽さんにいわせると、やはり茶碗は何年たっても今窯からだしてきたようなきれいさがないといけないので、一般的にこれが侘びだとかいわれるが、あれは失敗作だと思いますよ、と。なるほど、たしかにちょっと口をつけるのには勇気がいるかな(^_^; だけど長次郎の茶碗だしな〜、、、


この日最後の席だったせいか、楽さんも時間を気にせずあれこれと四方山話をしてくださったのが楽しかった。つい最近までロサンゼルスで楽展をされて好評を博したそうだが、展示品の撤収や、この夏エルミタージュを始めロシアでおこなわれる楽展の展示品運搬など、当代に変わって息子さんの篤人さんが行かれる、という話をうれしそうにされる。楽家もよい跡継ぎが育って安泰、親としてもとても嬉しいものがあるのだろうと忖度した次第。





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● COMMENT ●

しぇるさん、こんにちは

ああ、楽さんとこ行ったはったんですね^^

きっと、愉しい会話がはずまはったでしょう

また、お逢いした時

御話、聞かせてくださいね^^v

高兄様

個人的にお話ししたことはないんですよ(^_^;
でも楽美術館での鑑賞茶会参加はもう10回を越えていると思います。
ひたすら楽さんのお人柄にひかれて。もちろん茶碗もね!
物作りをしはる人はお話しも興味深く、お人柄もよい方が多いような気がします。


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