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2017-04

紫陽花の雨に心洗う茶事 - 2015.06.27 Sat

ひょんなご縁で知己を得ましたお茶友さん。少し前に我が家の茶室で濃茶+薄茶を召し上がっていただいたのだが、お返しに、と茶事にお招きいただいた。\(^O^)/ なんだか海老で鯛をつったような、、、(^ ^;; わ〜い!うれしい。


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しかしながらご亭主は表さん。私は裏千家の作法しかしらない。他流派の懐石というのもよく知らない。裏千家は道具のことをコレデモカ!というくらいお尋ねするが、表さんは確かあんまり聞いてはいけないと聞く。あれこれ心配しながら閑静なお屋敷街のお宅へ、梅雨らしい雨の中をいそぐ。

はじめましての御連客さまは表さんのお一人以外皆お裏さんで、しかも皆様気さくでお茶へも造詣も深い方ばかり、ヨカッタ〜。それだけでなくご亭主の臨機応変なご対応で流派の違いの心配は結局のところ全くの杞憂におわったのでした。


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10年越しで手に入れられたという待合の火入れや、六瓢の透かしの一瓢だけ墨で書かれている煙草盆とか、浄益のキセルとかうれしくも垂涎の御道具拝見しつついよいよ席入り。


ご亭主は茶事をするためにご自宅を改築して二畳台目の小間を作られたという。尊敬される宗匠宅の茶室の写し、床柱も中柱もご自分で奔走されて手に入れられたものなのだとか。お茶室もあれこれ思い入れがたっぷりつまっている。天窓の照明とか、待合から茶室への動線もあいにくの雨で露地は使えなかったけれど、すごく工夫されていて、お茶事へのなみなみならぬ情熱を感じる。

中柱の亭主側に袋釘という仕覆を掛ける釘がでていて、その頭は兜巾にするのがお約束とか。これは今まで見たことがなく(気づいていないだけだろうけど)多分表さんだけの仕様だろうな。



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軸は「洗心」。

床には墨蹟窓もあり。
給仕口になる火灯口がうらやましい。なんとそのすぐ外に茶事専用のキッチンもあるのだとか。
懐石料理もすべておひとりで手作り、とても手のこんだ料理もあって、これはとてもマネできない。いずれもおいしくちょうだいした。裏千家では一文字になる最初のご飯も、表千家では聞いていたとおり丸飯だったわ、感激。

懐石の作法は大きくちがわないが、八寸の作法はちょっと新鮮。まずはそれぞれの客に八寸をむけて、どんな料理なのか見てもらう。それからとりわける。やはり裏の方が省略が多いのだ。海の物と山の物の配置も裏と逆。ああ、それにしても3時間も煮た、というアワビがとてもおいしかった>^_^<

今回御連客はみな酒飲み^_^;ばかりということで、もう3種の酒肴までおだしいただき、いや、飲んでしまいますわぁ〜。

炭手前も少し違う。炭斗への炭の組み方も違えば、つぎ方は裏では真の炭のつぎ方。ついせんだってお点前の違いの研究の書籍の記事を書いたばかりなので、さらに興味深い。同じ千家のお点前でもこれだけ違う。縁高でいただくお菓子の黒文字の始末も違うのね。


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さて、中立のあと、後座の花は、、、たっぷり露をふくんだ紫陽花の花と繊細な糸薄。床の畳の上にもしたたる露に、いましも露地で切ってきた、、という風情を感じる。心も洗われ、花も洗われる五月雨かな。

そして後座の中でひときわ存在感を放っていたのが七代宗哲の真塗手桶水指。これはすごかった。大ぶりで蝋色仕上げながらてらてらせず、茶室のほの暗さにとけこむような漆の黒。これもお出会いのものらしい。ふさわしい人のところに御道具は行くのだな。

四方捌きも少し違う。釜の蓋のあけかたも。するするときれいなお点前をじっと見入る。濃茶がねりあがり、とてもおいしくいただいた。表さんでは濃茶は男女の間では手渡ししないと聞くが女ばかりだし裏流で手渡し。お茶入れも渋い渋い、好みだわ。



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薄茶では、間道の茶入の仕覆になりそうな生地の座布団をだしていただいて、お尻に敷くのはもったいない。それぞれちがうお茶碗でいただいたがいずれも箱書きのあるものばかり。それにしてもどのお茶碗も渋くてとてもステキ。小間ににあっている。
本日は裏の客が多数派なのでご用意いただいた鵬雲斎大宗匠の箱書きのお茶碗があったこともうれしいお気づかい。

あれこれとお茶談義はつきないが、長居もいけない、そろそろおいとまを。



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茶事の勉強に東京まで通われたり、茶室を作ったり、御道具を集めるのも気合いが違う。今日はほんとうにいろいろ勉強させていただいたが、その茶事への情熱が一番見習いたいところ。よくぞよんでくださった。御連客様も含め、茶が取り結ぶ縁のありがたさ。

そして少なくとも茶事は、流儀作法はかるく飛び越えて、臨機応変なやりとりで楽しめるものだと気づいた。

また茶事やりたくなった。(が、夏の間は茶室が灼熱地獄のためお休み〜)そんな思いをかかえて五月雨の中家路についた。


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● COMMENT ●

いつも楽しく拝見しております。

静岡県に住んでいます。
実は、市長に憤慨しています。
でも、直接言う勇気もなく、しぇるさんに・・・・すみません

市の広報に市長のコラムがあります。
7月は献茶式の話でした。

6月の建仁寺の献茶式に出席したそうです。
大宗匠が献茶して
終わった後、お茶席に招かれたが
公務があるのでと断ったそうです。

お茶の産地の市長でありながら
現在、お茶産業は厳しいと言いながら
そういうチャンスを棒にふるとは。

目にしないとわからないことは多いと思う。

でも、お茶に関心のない人にとっては
これが現実なのでしょうね。






かめかめ様

怒りの(?)コメントありがとうございます(^_^;
静岡茶ときくと碾茶より煎茶のようなイメージがあるので、市長さん、煎茶の方がお好きだったのかもしれませんよ、抹茶より。日常に飲む煎茶と、やや特殊な空間でのむ抹茶は、対象となる消費者少し違うのかもかもしれません。そんなふうに善意に解釈してみました(^_^;)
でも大宗匠のおさそいをお断りになったなんて、なんてもったいない!、、ですね!


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