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2023-10

天空の茶事 - 2013.02.23 Sat

今日はひいらぎ様のお宅での茶事に初めておまねきにあずかりました。

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勝手に題しまして「天空の茶事」。

なぜかといいますと、、、

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なんたる絶景!
ひいらぎ様のお茶室はマンションの高層階にあるのです。

さてさて、どのようにマンションの部屋を茶の湯空間にされているのでしょう。

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待合はフローリングの部屋に琉球畳を敷いて。
なんと置炉まであって、お詰めさんが白湯を汲出しにいれるようになっています。
寒い季節にはありがたいご配慮です。

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この原了郭の香煎の入れ物、いいなあ(´▽`)

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ま!美しい火入れの灰!
腰掛け待合いは室内に椅子を並べて。ちゃんと正客と次客以下の間に本来煙草盆をおくべきスペースもあって、本格的です。

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これもアイデアの蹲居です。寒くない季節なら、外のテラスに設置されるそうですが、寒いので玄関のスペースに。

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いよいよお茶室に入席、襖をあけますと、、、、
まあ!びっくり!
薄明の茶室に夜咄に使う手燭に和蝋燭の灯りがゆらゆらと。
日あたりのあまりよくない部屋を逆手にとって、幽玄の空間にされているのです。とてもマンションの一室でしかも高層にある、、とは思えません。

炉が切れないことをこれも逆手にとって、風炉をすえた台子飾り。
炭出前ができないかわりに(スプリンクラー作動)香盆をお持ちだしくださり聞香を。
夜咄くらいの薄明かりなので嗅覚がとぎすまされ、とてもみやびなひとときです。

懐石はおとなりのダイニングでちょうだいしました(足が楽〜)。懐石はすべてひいらぎ様おひとりのお手製ですのよ〜\( ̄▽ ̄;)/すごい〜!

あまりにおいしかったので覚えている限り記録しておきますね。

汁は合わせ味噌に里芋(お汁、とってもおいしかった!)
向付は鯛 ツボツボならぬ青竹の器になます
煮物椀は蟹しんじょう 焼物は鮭の西京漬け 
蕪蒸しに道明寺粉がはいったもの(これ食感が新鮮でまねしてみようと)
大根の紅芋酢漬け(飯尾醸造さんの紅芋酢!) 利休麩のはいった野菜の和え物 小吸物にはちいさなマンゴーが。

お酒は福井・大野の生酒、「花垣」をご用意いただきました。生酒なのでほのかに炭酸の味がして、ついついたくさんいただく。しかも本席のお軸が「蓬壺(=蓬萊山)生春酒」なので〜(⌒∇⌒。)

さらに感激したのは八寸の、これも数ヶ月かけて手作りされた柚餅子!私、本式に作った柚餅子、はじめていただきました。海の物の蛸も食べやすい切れ目がはいって、意外な七味あじ、お酒がすすんでこまってしまふ( ̄▽ ̄;)

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お菓子も手作りの雪餅、黄味餡。古伊万里の赤玉瓔珞のお皿も垂涎。

中立の後は濃茶、続き薄となりました。水指が渋くて重厚でいいなあ、とおもったらほんまもんの南蛮ものとか。ハンネラかなにかが経年変化して艶がでたような、そんな感じです。
その他のお道具もあえて詳しくは書きませんが、ひいらぎ様がお気に召して手元に集められたこだわりのお道具、ひとつひとつに思い入れがおありなのだろうなあ、とじっくり味あわせていただきました。

丹波・吉野・備前出身のお道具をとりそろえていただきましたが、これ、実は、、、、
本日の客の出身地の焼物なんです。お心遣いいたみいります。

そうそう、お干菓子の落雁(三角形)、餡をはさんだ薄焼き煎餅(丸)、雲平(雪輪)もすべてお手製だったんです(@⌒▽⌒@) ちなみに干菓子器は蒟醤の四方盆(四角)。

帰る頃になって、ああ、ここは天空(高層)だったんだ、、と思い出しました。

マンションのお茶事なんてことすっかり忘れるくらい、すてきな茶の湯空間が醸されていました。ここまでされるには、相当の力量が必要だと思います。豊かなご経験、知識、感性あっての力技だと、感動いたしました。
さらに新たな茶の湯の形を勉強させていただきました。
深謝いたします。
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● COMMENT ●

この、天空のお茶室は?・・・・この景色・・・・京都?双ケ丘??
この設え、あれこれ考えておられる時のひいらぎ様の楽しそうなお顔が目に浮かびます。

懐石もお菓子も手作りやなんて・・・・そんなおもてなし受けたら、感動もんですよねぇ。

穴があったら入りたいですう。
何しろマンションなので導線もよくないので 頭をひねって 何とかお迎えできました。
私のところにやってきた道具達もようやく出番がありました。
どういうコンセプトのお茶をしたいかは人それぞれですねえ。
優しいお客様に支えてもらいました。

 下足番から半東 亭主まで 狭いマンションですから どなたかに手伝っていただくと太い私が邪魔になるのです。とほほほ。
それにしても楽しかったには私でした。
おいでいただきありがとうございました。

ひいらぎ様のお宅素晴らしい眺望ですね(山が下に見えますね)!
ひいらぎ様、息子さんが麻布にお住まいの頃、
東奔西走されておられましたが、少しは落ち着かれたのカナ ?

わあ!まさに天空の・・ですね!
火入れの灰といいお菓子といい、とても美しいですう。
お道具組や懐石も、ひいらぎ様の細やかなお心遣いが感じられて、こういう茶事ができたら、と思います。
しまこもせめてお菓子を作れるようになろうと奮闘してますが、センスというものが・・。

ひいらぎ様

ほんまにありがとうございました。懐石の話ばかりしましたが、お点前もお見事でしたよ。
茶事の楽しみは亭主七分、これからもますますお楽しみ下さい。
その節はお手伝いのチンさん(キッチンのチーンというやつ)にもお世話になりました。よろしくお伝え下さいo(>▽<)oウキャキャ!

S&Y様

ご家族の皆様、すっかりおちつくところへおちつかれて、今は茶の道にどっぷりのご様子ですよ。

Re: 花咲おばさん様

> 自分で懐石はちょっと無理、、、と思っていたので、こんなになにからなにまで手作りなんてほんとうに感動モノでした。ここまでの境地には、私はちょっとたどりつけませんo(T^T)oグスン、、、
> ちなみにこちらは京都ではありませんの(⌒▽⌒)b

しまこ様

センスという点ではわたしも負けませんわ(悪い方で、、、)。料理はねえ、もうあきらめました。京都にはおいしい仕出し屋さんがたくさんあるのが慰めです。おほほ、、、、(;^◇^;)ゝ
最後までマンションの一室ということを忘れておりました。草庵であれ、書院であれ、自分のお茶ができるというのはすばらしいです。

トップの画像で笑っちゃいました。ププ。
これは香合ですよね?

relax様

冒頭の写真は犬筥といって、雌雄一対になっており、かつて宮中で安産や子供のお守りとして枕元に置かれた飾りが原型です。中にお守りの御札とかおさめたようです。(ま、香合にも使えますが^_^;)
お雛様のお守りとも言われ、よくいっしょに飾られています。孫の初節句にもとめてみました。
まあ、確かに人面犬みたいで笑えますよね。( ̄▽ ̄)b

右側が雌でしょうか?左側はきりっとしてて雄っぽいんですが。
右の方がなぜか上から目線なのが気になります。でも、きれいですね。

しん様

向かって右が阿形の雄で、左が吽形の雌、、、らしいですが、区別つかんですね。
男の子の方がやさしい顔をしているのは時代でしょうか^_^;

茶道は日本文化の缶詰だと言われますが、天空のお茶事の缶詰、詰めるのも開けるのも楽しそう!
お稽古を続けていれば皆様のように楽しめる日が来るでしょうか…。
私もいつか小さな缶詰をこしらえて、そっと開けてみたい…。
びっくり箱になったりして(^^;)

ぴお様

>日本文化の缶詰、、、なるほど言い得て妙ですね。
今度はどんなのを詰め込みましょうか。
ぴお様もすてきな缶詰をこしらえてください。ビックリ箱、、それもいいですね〜(^◇^)


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