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久世駒形稚児の綾戸國中神社 - 2015.07.05 Sun

古文書曰わく「御神幸の七月十七日に訓世(久世)の駒形稚児の到着なくば、御神輿は八坂神社から一歩も動かすことならぬ」


祗園祭の稚児といえば長刀鉾の稚児をまず思い浮かべるだろうが、それよりも位の高い稚児が久世の駒形稚児なのだ。山鉾巡礼の露払いをうけて、その夕刻神幸祭では八坂神社の神々が神輿におうつりになって御旅所へ、還幸祭では神社へお帰りになる。白馬にまたがってその神輿(中御座)を先導するのが久世の駒形稚児なのだ。


八坂神社の境内は長刀鉾の稚児も皇族ですら下馬せねばならぬが、駒形稚児はご神体の駒形(馬頭)を模した物を胸に掛け、神の依り代となるので唯一下馬しないのだ。毎年二人の少年が選ばれ、神幸祭、還幸祭をそれぞれ担当する。
選ばれる稚児は久世の綾戸國中神社(あやとくなかじんじゃ)の氏子なのである。

夕刻、神輿を先導して都大路を騎乗してすすむ姿は少年ながらりりしく、神々しい。なので綾戸國中神社には一度行ってみなければ、と思っていたのだ。


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洛西ニュータウンの人口がどんどん増加したため10年ほど前にできた阪急の洛西口駅はいまだに駅内で大阪行きと京都行きの連絡通路がない。駅に隣接してまたまた大型マンションかショッピングセンターが建設中。



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しかし、、、、久世ってイメージではもうすこし山の中のように思っていたが、、、、、、(・O・;  とても京都とは思えない郊外大型ニュータウン。



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歩くこと20分、なんと神社は交通量の多い国道沿いにあるのだった。


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もともと國中社と綾戸社のふたつの神社だったものが、戦国時代いっしょになって綾戸國中神社となったもので、始まりは継体天皇というからほとんど神話時代だ。



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ご神体が駒形(馬頭)というのは珍しいらしいが、ご祭神の素戔嗚尊の愛馬の頭を彫刻したものという。これまた古文書に曰わく「國中社は素盞鳴尊の荒御魂なり。八坂郷祗園社は素盞鳴尊の和御魂なり。依って一体にして二神、二神にして一体で神秘の極みなり。」
よって素戔嗚尊がお移りになる中御座の神輿を先導するのだな。



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しかし、、、境内にはひとっこひとりいない。



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手を清めてお参りした。今年も無事祇園祭のおっかけができますように。とちゅうでぶったおれませんように(^_^;



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社務所も閉まっているのでお守りとかもゲットできなかったが、境内にあるこれはなんだろう???馬らしき人形もあるのだが。




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脇にある鳥居のすぐそばを新幹線の高架が走る。新幹線建設のために現在の場所に移動したという。きけば社務所はこの高架の反対側の薬局なんだそうだ。時代よのう、、、、(T_T)



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國中宮と綾戸宮、社がふたつだったころの名残。



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狛犬も馬かなと思ったら、やっぱり狗だった。



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それでも祗園祭を彷彿とさせる物はあって、たとえばこの奉納された提灯の祗園社の印。



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駒形稚児の社参(八坂神社に参り稚児のしるしとなる御神木の杉で作られた「杉守り」を授かる)は13日、月曜だから行かれないわ。でも神幸祭、還幸祭は今年もがっつり見るつもり。



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「綾戸國中神社」の石の碑は八坂神社の宮司さんの揮毫。(昭和40年と書いてあった。新幹線開業で移転したばかりのころのもののようだ)



最後に久世駒形稚児のりりしい画像を昨年の記事から。



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