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2017-06

懐石秘密箱〜草庵行鉢式 - 2015.07.12 Sun

中尾英力さん(富山・万惣)の懐石秘密箱、久々の京都で開催です。いつも仏教(主に禅宗)哲学を堅持した懐石作法のお話しに目からウロコです。

今回のテーマは「草庵行鉢式」。

茶道とのつながりからいうと、臨済宗との関わりの方がよくしられているが、曹洞宗の食事作法をとりいれ草庵化(茶の湯化)した懐石作法を作ったのが酒井宗雅(抱一のお兄さん、姫路藩主)と井伊直弼のお二人なんだそうだ。

中尾さんは、今では幻となったその作法を研究し、現代人にもやりやすいように改編し、それこそ現代に忘れ去られようとしている「丁寧な食事作法」として、その禅宗的思想も含めて広めようとしておられる。

くわしくは中尾さんのブログやYouTubeの画像()を見てほしい。私なんぞが解説できるような軽い内容じゃないから。



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曹洞宗で使われる食事作法の容器は、応量器(臨済では持鉢、黄檗で自鉢)、入れ子状に重ねられた5枚の椀と、袱紗、膝掛、浄巾、水板、鉢単(はったん:下に敷く紙)、箸、匙(お粥を口を鉢につけずに食べるため)、刷(せつ:先に布を巻いた棒、椀を清めるのに使う)などが付属する。これはそれを簡略化したもので懐石の四つ椀などになっている。



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食時の前に展鉢の偈(釈迦の一生を述べ、ただ空腹を満たすだけでなく清らかな仏の境地をあじわえるように)をとなえ鉢を展開。(食事作法ではまだまだお経は続くが)ついで有名な「五観の偈」を。これを中尾さんはすごくかみくだいた意訳をしておられる。



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(これは生飯となる飯粒を刷の先にのせているところ)

この食事ができるまでにかけられた多くの苦労に感謝し、自分がその食事をとるのに値するのか反省し、自分のこれからが過ちをおかさないための食事となり、心身のよき薬となるように、成道をなすという願いのためにいただく。

こう唱えていると、とてもスマホをいじりながら、TVを見ながらの食事なんてできないではないか。ちょっと背筋をのばさな、、という気持ちになる。



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食事のあと、お湯で清めて刷でぬぐって、刷のよごれはなめて、あらったお湯も一口いただく(残りは折水器へ)。用意された食事のひとかけらたりとも無駄にしない、、、という禅宗の教えながら、一般人にはこれはちょっとツライ。

応量器は最後に浄巾(ふきん)で拭き上げるのだが、曹洞宗ではその浄巾も、刷も修行のあいだ(約2年間とか)一切洗ったりしないのだそうだ。

学生時代高山寺で1週間、坐禅でおこもりしたとき、持鉢を拭いてつつむ布巾が最後にどろどろになって異臭をはなっていてつらかったのを思い出したわ(^_^;

ここでその浄巾を修行僧が広げて乾かす所作をみせてもらったが、それが表千家の四方捌きそのもので(裏はもっと簡略化)感動した。曹洞宗からも影響をうけているのだな、と実感。
さらに臨済では飯台を使うのでお盆というものは存在しないが、曹洞宗では鉢単という紙をおりたたんだものを椀の下に敷く。これが折敷というお盆の語源だとか。なるほど〜!


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実際曹洞宗でつかわれる応量器などを見せてもらう。ご飯の器だけ形がちがうのは、それだけ飯が尊い、ということだそうだ。

曹洞宗の食事作法では椀をとるときに箸はにぎりこむ、箸を鉢単におくために手でかくしながら箸先をねぶって清める、、、う〜む、握り箸、ねぶり箸は行儀悪いと教えられてきたんだがな、、、(^_^; 意識変えないといかんな。



IMG_08753.jpg



一汁一菜の食事作法のあとには無礼講で美味しい万惣さんの点心。フレンチのシェフでもあるお父上直伝の海老のムース(真ん中の卵焼風にみえるもの)が懐石にもとても合っていて美味しいのなんのって>^_^<


今回も深い学びがありました。ありがとうございました。


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● COMMENT ●

ありがとうございました

今日も素敵な体験をさせていただきました。

幸せな気持ちになりました。

シラユキゲシ様

そういっていただけるとうれしいです。
中尾さんは全国各地へとびまわってはりますよ。
おちかくでもあるかもしれません。


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