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2017-09

雛の家 - 2013.02.27 Wed

 草の戸も 住替る代ぞ 雛の家    (芭蕉)


洛中でこんな人形屋さんをみつけました。

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高倉通りの京人形・本家かつらさん。

おもてのショウウィンドウに飾ってある犬筥についつい引き寄せられて、中へ入ってみました。
中に入るとご主人が土人形のお顔に彩色中。お店の中にもみやびな雛人形、市松人形など飾られています。
ここでお作りになっているんですか?と聞くと京人形は手足師、髪付師、頭師、着付師など、それぞれの専門の職人さんがいるので、4〜5人で集まって作るんですよ、とのことでした。
でも市松さんなどは、(人形の)頭さえあれば、こちらで着付けなどされるそうです。そういえば何種類かの市松さんの振り袖用の裂地がならんでいました。
こういう家内工業的なお店が町中にあるところが京都らしい。

犬筥をもとめて入れてもらった紙袋は、、、、

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なんと、ご主人手描きのお雛様が。いや〜ん、これじゃ捨てられへんわ~o(≧▽≦)o

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これがその犬筥です。

犬筥は雌雄で一対。(向かって右が雄らしいのですが、やさしい顔してますねえ)
かつて宮中で安産や子供のお守りとして枕元に置かれた飾りで、犬張り子の原型ともいわれます。中にお守りの御札とかおさめるよう、「箱」になっています。
お雛様のお守りとも言われ、雛人形といっしょに飾られることも多いので、この季節にはよく目にします。

え?だれですか?
人面犬とかいっているのは?
でも、ほんとうに不思議な姿をしていますよねえ。

さて、我が家も十年ぶりくらいでお雛様を出しましょう。

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娘が大学へ行くのに家を離れるまでは毎年飾っていました。初節句のときの写真から毎年お雛様といっしょに写真をとって、それを一冊のアルバムにまとめてやりましたが、嫁ぐ際、それを大事そうに持っていってくれたのがうれしかったです。

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それからしばらく出してやる機会もなく、納戸の隅でおやすみだったお雛様、孫娘の初節句にあわせて久々に飾ってやることができました。
ところでこのお雛様、実は私の初節句に両親がそろえてくれたものなんです。ゆえに還暦まぢか。
普通のサラリーマンの家庭でしたから、それほど豊かでもありませんでしたのでデパートなどで大量に生産され売られていたものだと思います。衣裳の金箔はくすんで、散逸してしまった雛道具もあり完品でもないのですが、私、娘二代を見守ってくれたお雛様です。これからは三代目の孫娘の成長も見とどけて欲しいと願っています。

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そのお雛道具の中には私の母から伝えられた道具もあって、その母の母から伝わったものもあります。
これなどは明治頃の雛箪笥かもしれません。どういうゆかりの方が持っていたのか、それすらもわかっていません。
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こんな豆雛もあるんです。(1cmくらいの大きさ)
小さい頃にはもっとたくさんあったのですが、とうとうこの2つだけになってしまいました。

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この小さい土でできたお雛様は裏に「大正九年」の文字があります。
いずれにしても幼かった私はこの道具をならべ、お膳の器の中に雛あられをいれたり、箪笥を開けたり閉めたり、いとこたちと雛遊びをしていました。懐かしい思い出です。
最近ではそんな雛遊びをする女の子は少ないかもしれませんね。

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おかげさまでこのお雛様で遊んだ女の子は無事大きくなって、孫娘まで授かることができました。
ありがとう、、、って言いたい気持ちです。

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この薬玉のさげものは数年前、私が作りました。
これもいっしょに飾って、犬筥も飾って、、、、

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娘の市松さんと孫娘の市松さん。おにぎやかに。

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あと昔信じていたのは、お雛様は夜、皆が寝静まったころに、五人囃子の奏でる楽曲にあわせて歌ったり舞ったりの宴を開いているってこと。
残念ながらそれは確かめたことがありませんが、でもきっとそんな宴を開いているような、、、そんな気がするのが不思議です。

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おまけは桃の節句にふさわしい、とらやさんの練り切り。




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● COMMENT ●

すごいおひな様ですねえ。このような御雛様を準備されたご両親のしぇる様に対する想いが目に浮かびます。
薬玉も美しいです。自分で作れるのですか?器用ですね。
お忙しいのにいつそんな時間があるのでしょうか?
最後のとらやのお菓子 う〜ん 美味しそう!

うちも

>お雛様は夜、皆が寝静まったころに、五人囃子の奏でる楽曲にあわせて歌ったり舞ったりの宴を開いているってこと
↑かたくかたく信じてました。
「おもちゃのチャチャチャ」っていうお歌のせいもあって、ほんまのことやと思ってました。
いっぺん見てやろうと思うて、夜中までがんばったけれど、あかんかった。サンタさんと双璧…!
でも、やっぱり今でもどこかで信じてます。
お雛さんの前で夜咄したいわぁ…時期がちゃうけど、楽しそうやないですか?

歴史

何百年伝来の…とかじゃなくて、自分の世代から歴史を作ってゆくところが素敵です。

このお店のHPを見ると店内は見学できるギャラリーになってるみたいですね。来月、京都に行くので行ってみたいと思います(お高そうなので見るだけw)。

いいですねぇ。お雛様。
小さい頃飾ってもらってたのが、ある歳から無くなった。
今考えると私のお雛様は、ご近所の火事で家が水浸しになった時にたぶんボロボロになって処分。
お雛様、気持ち悪いという記憶があって、たぶんどろどろになったお雛様の記憶かと・・・

犬筥・・・愛らし

ひいらぎ様

それほど高価なお雛様ではないと思いますが、当時の両親からしたらせいいっぱいのものだったと思います。
いまさら親のありがたみがわかります。娘も親のありがたさが、、、、わかってるかな〜???
今はお茶に忙しくてあまり針を持っていませんが、縫わせたらすごんです、私(?)

あまね様

ですよね〜。絶対しらないとこで宴会してるはずです( ̄^ ̄)ゞ
しかし暗いところで見るお雛様は大人になってもちょっとコワイ。
亭主の片付けが夜になる夜咄はこわいからやめて〜(。>0<。)

relax様

ありがとうございます。高級品でないながら、なんとか三世代もっています。できたらその次の世代にも、、、

しん様

店内=ギャラリーなのであまり広くはありませんが、立派なお雛様を見ることができます。このお雛様には値札は付いていませんでした。おとろしいので値段は聞きませんでした(^_^;

夢風庵様

でもたしかに気味が悪い、、、そういう面もありますよね、お雛様って。ふる〜い享保雛なんか絶対夜中になにかしてるぞ!という感じで。まあ、そこが魅力なんだと思いますが。
昔はお雛様の道具を一年ごとに買い足すことができましたが、最近ではもうバラ売りはされないようです。
茶道具欲しかったんだがな。

こんにちは、しぇる様

対の犬筥が愛らしいですね。
お守りと共に、しぇる様の思いが詰まっておられますのでしょうね。
だから、面立ちが優しいのかも。
市松さんたちとご一緒におられる、異国のお方はビスクドールでいらっしゃる?

実家のお雛様、女系の為か小さい頃は、叔母・母、そして私たち姉妹のと3セットもありまして(笑)。
毎年順繰りで出しておりました。
しかも、母のは御殿付の上、お雛様には歯が付いていた・・・。
夜中お手洗いに行く時に、恐ろしくて部屋の前をダッシュで通り過ぎていた私です。
残念ながら一部震災で壊れてしまい、人形寺さんへそっと少しずつご供養頂きました。

そういえば、

台子の茶道具、持ってました。杓もついてて。でも、遊び過ぎて崩壊しました。残ってれば差し上げられたのに…。残念です。

夜咄の片づけしてたら、ほんまにお雛さんが顔を出しそうですね。。。こわいけど、ちょっとわくわく。

いけこ様

まあ!お雛様が3組も!
もし、全部だしてあげたらさぞや壮観でしょうねえ、、、
御殿付きとはさぞや豪華なお雛様だったのでしょうね。(歯付き、、、ですか?^_^;こわっ)
人形寺でご供養とは、お役目を終えたお雛様もきっとよろこばれたことでしょう。

ビスクドールというほどいいものではありませんが、私の母が娘の初節句に買ってくれた物で、だっこできない市松さんより、だっこできるこちらの方を娘は気に入っていました。
今日、四条通りの大きなお人形屋さんで、本来の大きさの犬筥が飾られているのを見ました。うちのはちょっとちっちゃいわ〜σ(^◇^;)

あまね様

そう、その台子がほしかったの〜。
あまね様、ご幼少のみぎりから台子茶をされてたのね〜w( ̄o ̄)w オオー!
お店でみるだけですが、けっこう茶筅や茶杓も精巧につくられているんですねえ〜。
お茶碗もほんものの楽だったりするといいなあ〜(まあ、夢ね、夢)

しつこくコメントすみません。
今日、文化博物館の「日本画 こころの京都」を観ましたところ、中村大三郎の「舞妓」という絵の舞妓さんが犬筥を持っていました。
なんだか親しみを感じました。
ちなみに今日廻ったのは、京都大学総合博物館、橋本関雪記念館、草星、Kit、文化博物館、YDSギャラリー、KAHOギャラリーです。
さすがに疲れました。

まあきれいに保存された品のよいお雛様。よく出してきて、とても素敵に飾りつけられましたね。段飾りの段を出すだけでも大変なのに。。
私も自分の子供の時の写真で一番好きなのは、壇飾りの雛の周りにあるだけの人形を飾って、自分も着物と被布を着せられて、満面笑顔満足の幼児の時の写真です。それをみると大事にしてくれた親はありがたいと思います。孫姫様もシェルさんのお雛様とともにそうして思い出を重ねて行かれるのでしょう。(というか、それがシェルさんの作戦かな?)

relax様

まあ!ずいぶんたくさん廻られましたね!w(゚o゚*)w
文博はすでに行ったのですが、犬筥をもった舞妓さんの絵はちょっと記憶にアリマセン。(まあ、最近はなんでも記憶できないんだけれど)草星さんやkitさんではなにか収穫がありましたでしょうか。kitさんは最近お気に入りです。

キレミミ様

茶会といっしょで、準備大変〜と言いながら、実はそれを楽しんでいるのです。
ひとつひとつ飾り付けていると、といろんなことが思い出されます。
これは自分だけの宝物ですね。孫にもそんな思い出の宝を残してやりたいと、、、理想はそうなんですがね〜。キレミミ様のご幼少の着物の写真、拝見したいものですわ〜(*^▽^*)


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