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2017-04

仕舞初舞台 - 2015.09.04 Fri

茶道具の銘には能がテーマになっているものが多い。たとえば茶杓の銘を「熊野(ゆや)」と聞けばぱあっと清水寺の満開の桜が目に浮かばないといけないし、業平、三河ときたら「からころもきつつなれにし、、、(杜若)」がでてこないといけないし、茶碗が松風で茶杓が村雨だったら「松風」のうらさびしい秋の須磨の浦の姉妹がでてこないといけないし。

昔の教養人やお大尽は茶の湯も能もたいてい同時にやっていたから、銘を聞いただけで、はは〜〜ん、にやりとしたものだろうが、いかんせん、現代人においては通じないことも多く、、、。かくいう私も全然白紙状態から、茶の銘を聞くたびに能の勉強もせなあかんな、と思っておった。

たまに素謡の会やら観世会館の月例会などでかけて少しずつお勉強中。見た演目は謡本を購入。よみながら聞くうちに日本語の古語のあまりに麗しいひびきに魅了されてしまった。現在の能の原型は室町時代なれど謡いによみこまれる和歌は古今、新古今など(当時の教養人にはよく知られた歌ばかり)、高校時代から和歌、漢詩は好きだったからね。

うっとり聞き惚れ、たまには意識がなくなることも(^_^;あるけれど、そうこうするうちに自分でもやってみたくなったのだ。しかし、音痴の才能はこの謡いでも十分発揮されると思われ、そうだ、仕舞のほうにしよう。仕舞は所作がお茶のお点前の所作に通じるところがあるし、なにより足腰の鍛錬にもなるではないか。

などと調子のよいことを考え、今年になって入門。まったくのゼロからのスタートとあいなりました。いや、苦労してますよ、慣れない足はこびに体勢、いらちなのにためる動作が多くて。きっと傍目にはカクカクと操り人形のように見えるかも知れない。
しかしながら先生のご配慮にてこのたび初舞台。とはいっても社中内の懇親会みたいな会だから、こぢんまりと。


IMG_1103.jpg



洛中の某所、料理屋も兼ねた町家の一画にオーナーが能好きで能舞台をつくっちまった、、、という場所にて。
まずは先輩方の素謡・連吟を7〜8番拝聴す。これだけでゆうに3時間!先輩の謡本を見せてもらいながら聞くと、ああ、この能はこういうストーリーだったのか!とたくさん勉強になるわ〜。

このあと仕舞が10数番、初心者からはじまって、もう数十年つづけている、というベテランまで。そりゃさすがに違いがわかるわ。わたしのニガテなサシコミヒラキ(所作の一)、みなさまお上手。



P8300018.jpg



ちなみに私は仕舞のトップバッターで(なにせ一番の初心者)「紅葉狩」の一節を。帯だけちらっと紅葉にしてみた(^-^)これを4ヶ月間ず〜っと毎日家で練習してたのよね。
緊張?そんなものはありません。超初心者にはだれも期待してないしいちおう毎日稽古したし社中内だし。いや、気持ちよかった!

話は、戸隠山で美女たちの紅葉狩りの宴にであった平惟茂が、一度ことわった宴の酒を勧められるまま飲んでねむりこけ、夢に武内の神に「これは鬼女だから退治しろ」と告げられ目をさます。美しい女たちは一転おどろおどろしい鬼になって惟茂に襲いかかるが最後には切り伏せられてしまう。、、、という話。

だから戸隠、紅葉狩、美女、、、とくれば「鬼」がでてこないといけないのよ。

ちなみに私が舞ったのは美女が惟茂に酒をのませて眠りにさそう部分。時間にして約5分ほど。
 
 ♪ されば仏もいましめの道はさまざま多けれど ことに飲酒(おんじゅ)をやぶりなば、、、


終了後は同じ場所で懇親会の宴会にはやがわり。学生のころから謡い、仕舞をみっちり仕込まれたとおぼしき若手の一団と、私でも最年少かしら?と思えるベテランの一団で、私は主に後者の先輩方に能の事やら京都の習慣のことやら宗教のことやらほんにいろいろ話をお聞きして、それは楽しゅうございました。

もちろん、きっちり飲酒戒はやぶりましたが。



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● COMMENT ●

初舞台、おめでとうございます。京都移住の成果が、花開きつつありますね。
もしかしてこの能舞台は「く」の字が付く所ではありませんか?

久美浜に安養寺というお寺があって、来月も本堂で蝋燭能を開催します。そこの奥様は91歳で、舞台に立つだけでお見事。きっと、しぇるさまも将来、そうなられることでしょう。

そらいろつばめ様

あら〜!おわかりになりました?(すごい)その「く」のつくところです。
おかげさまで期待もされずじゃけんにもされず(ここらへん雨ニモマケズ)続けています。
楽しいですよ。
ここの社中にもお歳をきいたらびっくりする、、、というような先輩方がおられます。
体も頭もしゃんとして、これも仕舞・謡いのおかげか?
お茶だってそうですよね。

おめでとうございます

 初舞台、おめでとうございます。
 私は、謡もしておりますが、音痴の才能を開花させてしまいました。
 紅葉狩は、華やかで良いですね。
 能に出てくる鬼の多くは、妙に間抜けで親しみがあります。
 いずれ、お仕舞を拝見させてください。

ensyuu様

ありがとうございます。
お仕舞の先輩、ensyuu様とはレベル違いますが、それなりにぼちぼち楽しんでおります。
謡は師匠のをくりかえし聞いてもうまくなぞれません。これはあきらめました、、、

>お仕舞を拝見させてください。

ご、、ご冗談を〜〜(^ ^;;
それよりちかぢかensyuu様の舞を京都で見られるとかいうウワサを聞きましたが(^_^)

そのような恐ろしい噂が…。野点は、あるかも。

ensyuu様

野点があれば、その場でひとさし所望ありますよ、きっと(^_^)b


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