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2017-10

嵐山・時雨殿 - 2015.09.07 Mon

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久しぶりの嵐山、渡月橋である。橋より上は大堰川、下は桂川。
あと数ヶ月もすれば紅葉の季節、どんだけの人が来るんだか。今はまだだいじょうぶよ。


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平安の頃から貴族たちの別荘地であったこのあたり。
人が多いのはいやだが、やはりこの風景はいいなあ。(いいから人が集まるんだけど^_^;)



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上流に向かって歩けば二度ほどおじゃましたことのある嵐山吉兆。このたびはスルーして、、、



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たどりついた小倉百人一首殿堂時雨殿
京都商工会議所創立120周年記念行事として京都政財界や文化人たちの肝いりで作られた百人一首をテーマとしたミュージアム。

時雨殿は百人一首を選んだ藤原定家の、嵯峨野・小倉山麓にあった山荘「時雨亭」にちなむ命名とか。



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きれいに整備された庭の眺めも美しいきれいな建物。画像では切れているけれど、嵐山が借景になっている。
靴をぬいであがる、というのもいいな。


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1F展示室。
チタンパネルに100首の歌が解説とともに刻まれている。しかし、くずし文字、、、読めん。覚えてなければお手上げ。(百人一首の歌は高校時代に全部覚えて、今でも全部いえるよ。若い頃おぼえたものは忘れないんだけれどね〜)


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ガラスケースの中に100体のミニサイズの百人一首の作者たちの人形、これがすごい。


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私の好きな式子内親王を。(たまのをよ たえねばたえね ながらへば しのぶることの よわりもぞする)普通流通している百人一首では几帳の陰にかくれて顔をみせておられないのだが(やんごとなき皇女・後白河の娘ですからね)昔の札にはこんなポーズも。
やんごとなき際にありながら、恋の歌をたくさん詠まれた。ただし、ほとんどフィクションの恋だったとも。歌は俊成に師事し、息子の定家は内親王の家司。(そういえば能「定家」では恋愛関係になってるが)




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もひとり、蝉丸。(これやこの いくもかへるもわかれては しるもしらぬも あふさかのせき)
坊主めくりをやってこれがでるとぎゃ〜!という札ですよ。出自は不明ながら琵琶の名手で、源博雅(「陰陽師」にでてくる彼)が教えを乞うために通ったとか。
先日素謡で「蝉丸」を聞いたが、あれは皇子でありながら逆髪とよばれる姉とともに山中に捨てられて、救いのない話だったなあ。あれとは別か。



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萌えたのが歌の場面を再現した人形たち。
これは季節によって入れ替えされるらしいが、夏は「かぜそよぐ ならのおがわのゆうぐれは みそぎぞなつの しるしなりける」。
上賀茂の楢の小川で夏越の祓えのようすを。御幣を流している場面なんだわ。



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貴族たちの手元にはちゃんと索餅(唐からわたってきたねじり菓子)まである!
→解縄(ときなわ )というお祓いの道具だそうです。


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さらに萌えたのが天徳4年(960年)、村上天皇の御前でおこなわれた天徳内裏歌合の場面!!

これ、岡野玲子さんのマンガ「陰陽師・第7巻」にそっくりそのまま描かれていたのよ〜。

正面に村上天皇。向かって右の左方(帝からみて)は赤系の装束、右方は青系の装束、をそれぞれ14人の帝にお仕えする女房がまとい、(人形は数少ないけれど)工芸の粋をあつめた室礼、遊芸文芸も粋をあつめた、それはそれは想像するだに絢爛豪華であったことだろう。


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こちら左方の小舎人、洲浜に歌のカウントとなる金銀の飾りをたてているところかな。この子も赤系統の装飾。


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こちらは右方の青系装束の小舎人。髪をくくる紐まで青。



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手前が右方の講師(歌をよみあげる係り)であるところの先出の源博雅(「陰陽師」ではいつも晴明とつるんでる)。本番で読む歌を間違えてあせった、という記録もある(^_^;



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これは左方、帝お気に入りの藤典侍ちゃんだったかな?



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これが左方、右方の文台(うた)の州浜。このなかにあらかじめ詠まれた歌がしこまれている。文献によるとこれがまた絢爛豪華なシロモノで左方は銀の鶴が金の花・銀の葉の八重山吹の枝をくわえ、歌はその葉にかかれている。右方は金銀の細工に四隅に銀でできた竹が結ばれている、、、そうな。みやび〜。


ちなみにこの歌合わせで優劣を熾烈にあらそったのが最後、20番目の恋の歌。

壬生忠見 「恋すてふ わがなはまだきたちにけり ひとしれずこそ 思ひそめしか」
平兼盛 「忍ぶれど 色に出でにけりわが恋は ものや思ふと 人の問ふまで」


結局帝のくちづさむ声をきいて判者は兼盛の勝ちとしたが、のちに壬生忠見は、出世をかけて詠んだ歌が負けたことを悲観して憤死したという逸話も。


久々に興奮したわ。



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さて、入場券には百人一首の歌がそれぞれ一首かかれているのだが、「今日の一首」というのがあって、さきほどのチタンパネルに日替わりで選ばれるそうだ。それにあたれば記念品がもらえるとか。この日は「あさぼらけ 宇治のかわぎりたえだえに、、、」だった。まあ確率は100分の1だからあたるわけもないか。



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読書コーナーには競技百人一首をテーマにした人気漫画(らしい)「ちはやぶる」がそろってた!



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二階には平安装束体験コーナーも。さすがにご遠慮もうしあげたが。



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美しい襲の色目。これは何襲だろう。襲にもそれぞれゆかしい名前があるのだから、ほんに日本人の美意識って昔からすごかった(昔の方がすごかった?)と感心する。



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この二階は百人一首競技とか講演会などに使われるらしく、なんと120畳!!運動会ができそうだ。



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しかも眺めが大堰川なのである。
百人一首は日本の美しい言葉を学ぶのに最高の導入素材、是非嵐山においでの節はこちらにも。



<追加情報>

同じく嵐山の渡月橋をわたったところにある嵐山法輪寺。


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十三参りで有名。


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少し小高い場所にあるので眺めはよいですよ。それ以外はあまりどうってことないのですが、9月9日の重陽の節句の日のみに授与されるものがあります。



茱萸袋2015



茱萸(ぐみ)袋。

かつて宮中では端午の節句に厄払いの薬玉を、秋の重陽に茱萸袋に掛け替えたそうです。
古代中国では重陽の日には登高の習慣がありました。(たかいところに登って、まあピクニックのような行事)そのときにそれぞれ髪に茱萸の枝をさした、、、というところから来ているようです。
以前重陽の茶事をしたときにお手製の生花(菊)の茱萸袋をつくりました。なかみの呉茱萸(漢方の材料)まではそろえられませんでしたが。これはその後その茶事のお客さまがわざわざ法輪寺へ重陽の日にいってもらってきてくださったもの。




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● COMMENT ●

きゃあ、こんな立派な百人一首のミュージアムがあるんですか!
7月にうちに滞在していたアメリカの高校生Aちゃんはフランス語で「ちはやぶる」を読んで、日本文化の虜になり、日本語をマスターしたら百首全部覚えるんだと張り切っていたんですよ。来年また来日したら、必ず連れて行きます。装束体験も喜ぶこと間違いなし。
それにしても歌合の場面、すごいリアルですね。私も早く見に行かなくては。

そらいろつばめ様

とてもいいミュージアムだと思うのですが、いかんせん、広報がたりないのかあまり有名でないところが、、、
日本の古典がお好きなそらいろつばめ様なら楽しめることうけあい。
Aちゃんにも是非。百人一首全首を外国人がすらすらよんだらかっこいいなあ〜

かるたは作者がみんな平安装束になってますが、ガラスケースの100体もそうですか。考えてみれば、持統天皇が十二単衣を着たはずがないですね。百人の作者には600年くらいの幅があるはず。
近衛家熈が、時代考証がなってないと言ったと、山科道庵の槐記に書いてあるらしいです。ちょうど今 読んでいる服装の歴史の本に出ていて、ビックリしたところです。

そらいろつばめ様

昔の本で(江戸の草子だったか明治の錦絵だったか?)、大化の改新の挿絵の服装がまるで平安時代!!というのにびっくりしたことがありますが、庶民のあいだでは時代考証にはあまり興味がなかったのでしょうね。予楽院みたいなインテリゲンチャにはがまんできなかったかもしれませんが(^_^;

貴族たちの手元にはちゃんと索餅(唐からわたってきたねじり菓子)

説明書きにホントにそんなこと書いてありました??

形は似ていますが、祓の際には、ケガレを解除(げじょ・はらう)ために解縄という祓具を用います。唐菓子ではなくて解縄じゃないんですか??

確認してから記事書かれた方がいいですよ。

ときわ木様

貴重なご指摘ありがとうございました。
訂正いたしました。解縄という言葉ははじめて知りました。


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