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2017-06

レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展〜京都文化博物館 - 2015.09.15 Tue

IMG_1161.jpg



電車の広告でこの絵を見たとき、なに?これ?!なに!?、、、と興奮してしまった。
空間がねじ曲がったような、コンパクトなそれでいてあまりにダイナミズムにあふれたこの不思議な絵。よく見ると未完成なのがかえって迫力を増しているような。

これが現在京都文博でやっている展示の目玉だと知って、早速参りましたわよ。

この絵もすごいが、まつわるエピソードもすごくて、さらにこの絵がたどった数奇な運命もあまりにドラマチック!
平成の京都を離れて、心はもう15〜16世紀のフィレンツェ〜〜でございます。

描かれている場面は15世紀のトスカーナ地方・アンギアーリ村、フィレンツェ共和国軍とミラノ公国の傭兵隊が軍事衝突。ついにはフィレンツェの勝利におわったのだが、これはその戦の最終局面、ミラノ軍の軍旗をフィレンツェ軍が奪おうとしている場面なのだ。

軍旗を逆手に持ち、こらえようとするミラノ傭兵のフランチェスコ、剣を振り上げ大声をあげて軍旗を守ろうとするミラノ傭兵隊長かつフランチェスコの父、ニッコロ・ピッチアーノ。この二人が敵軍でありながら(絵画はフィレンツェ共和国の依頼だった)実はこの絵の主人公だ。
奪おうとする二人のフィレンツェ軍人(将軍だったか名前忘れた)はまだ顔と腕しか描かれていない。それぞれの馬がからみあって、いったい何頭いるのかわからない。
馬の悲鳴のようないななきや、ニッコロのそれこそ悲鳴のような叫び声まで聞こえて来るような迫力。


この絵は本来フィレンツェのシニョーリア宮殿(現ヴェッキオ宮殿)大会議室(500人広場)の壁にミケランジェロの「カッシーナの戦い(14世紀・フィレンツェとピサ共和国の戦い)」とともにかかげられるべき壁画であったのだが。

ダ・ヴィンチの絵は油彩を使ったために絵の具が熱で溶け、途中で制作を放棄、ミケランジェロも教皇の墓を手がけるためによびもどされ、デッサンの段階で放棄。くしくも両者未完のまま1512年ごろまで同じ部屋にかかげられていたという。そのため多くの画家がこれを模写、このポスターの絵も、その一つなのだ。

会場には多くの有名無名の画家の模写があるいはそのまま、あるいは想像で未完の部分を描き足して展示されているが、この作者不明の模写が未完のままなのになんといっても最高。これを模写したのはダ・ヴィンチ自身かも知れない、という説もあるそうな。そういわれてもうなづけるよ。

500人広場の壁画は、その後1555年からの宮殿改修で上をヴァザーリの壁画で覆ってしまったため以後みることができなくなってしまった。

このポプラの板に描かれた模写、貴族のドーリア家に伝わったため「タヴォラ・ドーリア」とよばれ、盗難などで歴史の陰に消えたり不思議とまた現れたり、流転の末1992年になんと日本の東京富士美術館が購入。
2012年にイタリア政府との交渉で祖国イタリアに寄贈されたそうな。(富士美術館、太っ腹!)その協定に従い2018年まで富士美術館が日本で展示する権利を得たことで、こうしてわれわれも見ることができたわけです。
ありがたや。

展示で忘れてならないのが東京芸大チームの作ったこの場面の3D模型!
これを正面からみたらあの絵になるのか、ほう〜こうしてみたら確かに馬は4頭もつれあっているな、とか360度ガラスにへばりついて見てしまうこと必定ですよ。(これはここでも見ることができます)最新技術はすごいな。

ついでに言えば、そのヴァザーリの壁画の下にアンギアーリの戦いオリジナルが隠れている可能性もあり、これも最新技術を使って研究中なのだとか。(なんでも壁画が描かれた壁は二重になっていて、そこの下の壁にダ・ヴィンチの絵が残っている可能性は大きいらしい)証拠がみつかればいいな。ロマンだな。



IMG_1162.jpg


心が16世紀のフィレンツェから帰って来たら、文博(旧館は元日本銀行京都支店の建物)の元銀行の金庫室に昨年できたばかりの前田珈琲で一服。ええ雰囲気ですよ。


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● COMMENT ●

しぇるさん、こんにちは

想像を掻き立てる世界

素晴らしいや

私は、まったく知りませんでした><

しぇるさん、相変わらず、博識だなぁ^^

高兄様

いえいえ、私もこの絵全然しらなかった、ポスターみるまでは。
というかほとんどの人が現存することを最近まで知らなかった絵なんですから。
解説はほとんど受け売り〜(^_^;
是非ご覧になられることをオススメしますよ。ほんまに歴史のロマンをかきたててやまない魅力がありますから。


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