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2017-06

らくたび京町家〜旧西村家住宅 - 2015.09.24 Thu

らくたびさんは洛(京都)を旅する方の強い味方。京都散策案内、京都学講座の主催など京都の魅力を全国に発信している会社です。中でも「らくたび文庫」シリーズは私もずいぶんお世話になって、家に何冊もありますよ。



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そのらくたびさん、高倉通りに本社があったのを、今年初め高倉西入る蛸薬師に移転しはった、それも国指定登録有形文化財の旧・西村家住宅に!この日1日限りの一般公開、町家見学としておでかけ。



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玄関をはいったとこの玄関庭。井戸の井桁がまたすごい。

しかしながら一般の町家は表が店になっているのだが、ここは店ではなく住居(もしくは迎賓)としての家なので仕舞屋になる。商家の町家がミセの間に格子をもうけているのに対し、塀をめぐらせているので「大塀造仕舞屋」形式なのだそうな。町家のなかでは1割くらいしかないタイプとか。



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玄関の間からすぐに茶室へ。三畳隅炉か。
お茶を愛した当主が待庵を手本にしたという。(本歌は二畳隅炉)天井も化粧裏天井、網代、落とし天井と数寄をつくしている。



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茶室に面する露地は四畳半くらいの広さがあり、灯籠、蹲居も完備。亭主の位置から一番きれいな景色(露地)が見える設計。


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建物の真ん中を貫通する廊下は向かって右がプライベート空間(現在はらくたびのオフィス)、左が接客空間と分ける結界になっている。



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奥の座敷は八畳。奥の庭に向かってひろびろと開放感あり。特にいまは葦戸で襖などをとっぱらった夏座敷だからよけいに。



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上棟式のときにおさめられた札でこの家が昭和7年(約80年前)に建てられたものとわかる。

もともと西村家は京都の呉服屋の大番頭さんだった方のおうちだそうだ。現在のご当主は近所のマンションにお住まいというのも時代だなあ。3年前まで他人に貸していたそうだが、らくたびがかいとったのかな。とにかくつぶされずにすんでよかった。当節重厚な大きな町家があっというまにつぶされて更地になるご時世だから。悲しいことに。

(やはり相続税緩和などの措置が絶対必要だと思う。)



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奥の庭。

自然石に水が溜まるように仕立てた蹲居や、壁に埋め込まれた節付きの木の柱の意匠がおもしろい。正面は蔵。



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奥座敷からもう一間ある八畳間を経て、茶室の露地をみる。本日は赤い毛氈のところで茶席もあるのだよ。



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座敷の室礼。月見をテーマに。これは煎茶席風の飾り方だな。



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床の間の横の下地窓。藤蔓の絡ませ方がおもしろい。



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蔵と座敷とトイレ洗面所コーナーにはさまれた奥庭にはすてきな立ち蹲居もある。



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季節を写す蹲居。



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蔵。
中は会議などもできるスペースに改修されていた。



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蔵の前にちょこんといた御幣を持ったお猿さん。日吉大社のお使い・魔除け猿(神猿・まさる)だろうか。



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ここの洗面室も町家好きには萌え〜〜ポイント。よくあるじんとぎでなくて大理石の流しの簀の子の一部がガラス。そういえば昔あったな、そんなの。ここの右手にはまた萌える脱衣室まであった。



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階段から二階の天井をみると凝った舟底形天井になっている。



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蛸薬師通りに面した洋室にはマントルピースや一部色つきガラスの窓とかモダンな意匠もあり。
この正面のお家がかろうじてまだ町家(仕舞屋)なので眺めがよい。


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二階の座敷も数寄屋の意匠がいっぱいこらされていて、長押が丸太だったり(一階の長押は平)、欄間が東山三十六峰をあらわしていたり、当時の呉服屋さんの財力と教養、遊び心がすばらしい。



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二階には謎の小部屋(二畳)があり、なんだか妙におちつくんだが。



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聞けばこの東向きの窓から、昔は東山から登る月が眺められたそうな。そうか、観月の間だったんだ。残念ながら今ではおとなりのビルに眺めをふたがれているが。



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火袋フェチのはずせないポイント!走り庭とだいどこ。



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ここで茶道教室をされている先生による茶席があったのではいらせてもらう。文化財なので炭が使えないのが残念だが、お茶をそれぞれ点てていただいた。



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お菓子は栗。

こちらでは季節毎に茶会(「四季ゆるり茶会」)もあって一般参加(要予約)もできるようなので、機会があったら是非。

ちなみに直近では10月17日(土)、点心付きですってよ。



洛中の町家は絶滅危惧種で、中にはレストランなどとして生き残っている物もあるけれど、使い方をみるとなんだかなあ、、、と思うものも多くて、がっかりすることもあるけれど、ここはほんま理想的な新たな道を見つけられたしあわせな町家の一つではなかろうか。



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帰りに近くの栖園で琥珀流しをいただく。今月の蜜は葡萄でした。





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