topimage

2017-10

開炉の夕ざり茶事〜紫野 - 2015.11.12 Thu

PB0800203.jpg


今宮さんの参道はもうこんなに紅葉している。ここらは洛北、少し気温が洛中よりもひくいのかな。



PB0800223.jpg



紫野に住する若いお茶人さんたちのシェアハウスの炉開きに夕刻おでかけ。あいにくの雨ながらぬれた色づく葉はしっとりと美しい。



PB0800233.jpg



おやおや!

こんなすてきな落ち葉の道案内が!
ここからすでにわくわくと相手の術中におちる。




PB0800253.jpg  


ここのお家の一階には電灯というものがない。そろそろ薄暗くなる頃、待合の蝋燭と火鉢の炭火があたたかい。
そして、、、なんだか怪しげなオブジェが実は待合がけと相まって、思わずニヤリとしてしまうちょっと変わった汲み出しへのプロローグであったのだ。


さて、本席。
まずは久々に開かれた炉にたっぷり湿し灰をまき、たっぷり炭をいれる炭出前。おっと!ここでご亭主1左手をくりだした〜!(左利き)これはふつうまず見られない見物ですよ。



IMG_14563.jpg



ついで懐石をいただく。
焼きおにぎりに鯛やねぎや昆布やのせて、たっぷりの鯛の汁をかけていただく。折敷は不昧流のものらしい杉の足つき。なかなか斬新ですてき。懐石こそ流儀にとらわれないでもっと自由に、でもおいしく美しく整えたいもの、これはおおいに参考になります。



IMG_14593.jpg


お野菜をいかした強肴や万願寺唐辛子の焼物や、庭でとれた柿なども使っておいしい、おいしい。利休や織部の時代の懐石ってこんなふうだったのではと思うわ。
すべてご亭主2(+α?)の手作り!茶道男子はどうしてこう料理がうまい人がおおいのだろう。



IMG_14613.jpg


外も暮れてきて、ろうそくの灯りだけになったころ。
さて、ここで茶壺の口切りならぬお酒の口切り!
お客のおひとりに日本酒がお好きで詳しい方がおられるので、その方がご持参のとっておきのお酒を酒屋の通い瓶に詰めて封をしたものを、ほんとうの口切りのようにざりざりと小刀で切る。御茶入日記(茶壺に茶を詰めた茶師が茶名を箱に書いたもの)ならぬ御酒入日記まであった!ヽ(≧∀≦)ノ

ほ〜、鈴鹿のお酒の「作(ざく)」か〜。
美味しいお酒でほろほろ酔ったころに八寸で、能をかなり嗜まれているお客人の謡い「猩々」をひとふし。


      ♪ 萬代までの竹の葉の酒 酌めども尽きず 
         飲めども変わらぬ秋の夜の盃 影も傾く入り江に枯れ立つ
      足もとはよろよろと 酔いに臥したる枕の夢の 
         覚むると思えば泉はそのまま 
              尽きせぬ宿こそ  めでたけれ



いとどめでたしめでたし、炉開きにめでたいことこのうえない。


主菓子の薯蕷はほかほかと蒸してある織部薯蕷(最近蒸し器も中古を入手されたよし)。この一手間がうれしいのだ。(自分はこの前その一手間惜しんじゃったが、、、)


IMG_14633.jpg



中立のあいま、蝋燭の灯りのもとで御連客と興味のあること知らないことなど、しみじみ語り合うのもまた侘び数寄の風情にて。

後座。
床の花器をみておもわずにやり。先ほど口切りのお酒の入っていた通い瓶が花器に早変わり、お酒のせいか照り葉も赤いわ(*´v`)


IMG_14603.jpg



炉の中の松籟を聞きながら、燈火のもと静かに濃茶が練られるのを待つ。炉の季節は襖も閉めるし、人は火のそばへ意識を向けるし、燈火があればなおさら空間がぎゅっと凝縮した感じで、開炉がなぜ茶人の正月、と言われるのかわかる気がする。

濃茶拝服、とても美味しい。できれば他のお客さんのぶんも全部のみたかったわ。


続き薄でご亭主3にかわり、美しいお点前を拝見しつつ、主客で侘び数寄雑談(ぞうだん)。万人の笑みをさそう(出雲の作家さんの)お茶碗もあり、夜は更けるも話は尽きぬ。どうしよう。

お道具は市などで入手されたものが多く(目利きやわ)、けっして高価なものではないのに、ましてや茶杓は竹にあらざる廉価で手に入る某素材を使った手作りのペア、それぞれ来歴や思い入れがあってその語りとともに印象に残る。ほんとうの侘び数寄とはこのようなものではないかしら。炉壇まで拾ってきた(?!)ようなもの、というのにも感銘をうける。

語り尽くせぬ山雲海月の情(本歌は:語り尽くす山雲海月の情 by碧巌録)ではありますが、ここらでおいとまを。帰るまぎわ、芳名録の余白にこれも本日のお客さま、プロの絵師がさらさらと薄の絵を即興で描く。
芸がないのは私ばかりながら、こんな客組でご亭主連で一座建立、この楽しいひとときはまさに一期一会、もう二度と無い。


今宵もまた茶の湯のご縁に感謝するばかり。



PB0800263.jpg



帰りしな、懲りもせず葵橋のたもとでもう片付けにはいった鴨茶の為さんとこでさらに懐中電灯の灯りのもと一服。お片付けしかかっていたところまた店開きしていただきおいしいお茶とお話し、ありがとうございました。


善き哉善き哉、佳き宵かな。



関連記事

● COMMENT ●

飲んでます「

作と書いてザクです、今東京の三重県アンテナショップで買いのんでます、三重で一番だとおもいます。

この懐石、色々と真似してみたいですね。若いお茶人さんたちの枠に捕われない侘のお茶事、素敵です!
先日、私は初めて口切りのお茶事に招かれて、楽しさと衝撃のないまぜ体験でした。茶室もお道具も凄すぎて。もちろん、それはそれは楽しかったんですよ。流儀も違うので、アレコレと話が弾みましたし。
それにしても、お茶は人それぞれですね。いつも素直に学ぶ気持ちで参席したいなあと思います。

ヌーチャン様

ザク、たしかにおいしいお酒でございました。
飲み過ぎ注意!

そらいろつばめ様

現代の「近代数寄者」のお茶と持たざる者のお茶と振れ幅は大きいですが、好きでやめられへん!という共通項が。あちこちゆらゆら揺れ動くのもまた楽しからずや。今見立てで使っている粗末な道具もあと400年もしたら(?!)名物になっているかも。竹の花入れや茶杓がそうであったように。


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://cherubinpriel.blog.fc2.com/tb.php/565-19f357b9
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

光悦会2015 «  | BLOG TOP |  » 細見美術館・特別鑑賞会「神坂雪佳〜楓紅葉図」+乾山

最新コメント

プロフィール

しぇる

Author:しぇる
京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

最新記事

カテゴリ

未分類 (8)
茶の湯 (212)
茶事(亭主) (24)
茶事(客) (58)
茶会(亭主) (2)
京のグルメ&カフェ (52)
町家ウォッチング (7)
弘道館 (6)
岡崎暮らし (49)
MUSIC (4)
能・歌舞伎 (32)
京都めぐり2017 (26)
京都めぐり2016 (34)
京都めぐり2015 (34)
京都めぐり2014 (39)
京都めぐり2013 (36)
京都めぐり2012 (6)
本・映画 (8)
美術館・博物館 (52)
奈良散歩 (19)
大阪散歩 (1)
着物 (6)
京の祭礼・伝統行事 (38)
祗園祭2017 (17)
祗園祭2016 (18)
祗園祭2015 (16)
祇園祭2014 (13)
祇園祭2013 (14)
修二会2017 (4)
修二会2016 (3)
修二会2015 (3)
修二会2014 (3)
修二会2013 (3)
その他の町散歩 (2)
京都和菓子の会 (3)
イスタンブール・カッパドキア紀行2013 (8)
パリ紀行2014 (7)
英国田舎紀行2015・湖水地方とコーンウォール (7)
ノルウェー紀行2016 (4)
ポルトガル中部〜北部紀行2017 (7)
古筆 (1)
京都でお遊び (5)
ギャラリー (3)
暮らし (4)
中国茶 (23)
京都の歴史・文化について勉強 (1)
過去ブログ終了について (0)

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR