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2017-06

夜咄〜西行庵 - 2015.11.26 Thu

小堀遠州お家元による秋の茶会がここ、円山公園真葛が原西行庵でひらかれたのはつい先月のことだった。

今年最後の西行庵茶事、ついに夜咄です。


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まだ暗い早朝の西行庵は朝茶で拝見したが、夜咄ははじめて。どちらも暗い頃スタートとはいえだんだん明けていくのと暮れていくのでは大きく違う。

障子にうつる燈火の暖かい影が美しい。



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今回の席主はおなじみ亀岡の楽々荘あるじ(月釜・茶狂会のボスでもある)。お宝道具をいっぱいお持ちの現代の「近代数寄者」(勝手に命名)、お道具が楽しみ。




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面している円山公園あたりで我が物顔にくつろぐ西行庵お出入りの黒にゃんこ。
玄関の火影の中を、その姿をとけこませてさっと足元をかすめて出て行った。荻原朔太郎の「猫」という詩を思い出した。(まつくろけの猫が二疋ひき なやましいよるの屋根のうへで ぴんとたてた尻尾しっぽのさきから 糸のやうなみかづきがかすんでゐる 「おわあ、こんばんは」 「おわあ、こんばんは」、、、、)


そんな不思議な夜。

まずは二畳台目向切向板、丸炉の小間で前茶を一服いただく。「サラリーマン陶芸家」こと、まさんど窯のHさんが自作の井戸系茶碗をもちこんで石州流のお点前で点てて下さる。ご自分で窯を作って以来、中国地方のお宅と信楽を往復するまいにちだが、妙に楽しそう。好きなことが、うちこめることがはっきりしていてうらやましい。

ご自作の茶碗で、作った方に自らお茶を点てていただく、これもまた贅沢。


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ついで広間の浄妙庵にて点心。
楽々荘、楽々荘祗園店にはイタリアンレストランがあるので、そこから運ばれた懐石はスタイリッシュな器にもられたイタリアン、そしてフルートグラスにはワインが。私の入った席は4人だったので和気藹々と静かに語らい本席を待つ。障子の外は電灯のない暗さ。


待合には本席で使われる丿貫さんの茶杓にまつわる(高原)杓庵の添状。天下に丿貫の茶杓は二本と思っていたが、ここに三本目を発見した、他の二本より上物、、云々。丿貫はかの秀吉の北野大茶会で大きな野点傘を立てたという。なのでこの添状には赤い野点傘の下で丿貫が茶を点てている画賛も。

炭斗が箕(み)だったので、めずらしいなと思っていたら、その丿貫さんの茶杓の銘が「落葉」だったのだ。落ち葉を集める箕をもってきたところが心憎い。こういうのがお茶をやる楽しみでもある。(一種、知的格闘技!)

本席へ向かう露地にはポツンポツンと露地行灯、この灯りがまた美しい。闇の帷に半ば包まれた露地を仄かに照らしてその中を行くのはうっとりするような時間だ。ここでさきほどの画賛の丿貫の赤い野点傘が!その赤も闇にまぎれてなんだかなまめかしい。

本席・皆如庵。
道安囲(宗貞囲とも)もめずらしいが、なんといってもこの小間の茶室のハイライトは円窓床!(茶道検定にもでたよ〜)床の間の真ん中に丸い穴があいているのだ。(裏から障子をたてることもできる)だから墨蹟などは側壁にかけることになる。これを夜見てみたいと思っていた。

円窓は、、、、燈火だけの暗い茶室から見ると、水屋からのほのかな灯りで丸く浮かび上がり、障子の桟のシルエットが美しい。
そして円窓のまんなかに、、、、おお!あの大きな大きな瓢の花入にまた巡り会えるとは!!(千家三代目のあの方のだよ)
昨年席主さんが楽々荘で催された茶事の時におめにかかった迫力ある大瓢。再会にしみじみ感動。

円窓から逆光になるので瓢もシルエット、いれられた胡蝶侘助も真弓の照葉もシルエット、こういう美しさもあるのだなあ。

道安囲のむこうに蝋燭が一本、点前をされる庵主の手元を照らすスポットライト、そうでなくても道安囲は亭主に注目を集める舞台装置なのに。こんな美しい点前の風景はそうそうあるものではない。参席できたことに感謝、感謝。


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ほっと、茶事がおわって、仰ぎ見れば西行堂の上に一片の月。

長安一片月 萬戸擣衣聲 秋風吹不盡 總是玉關情、、、
  (李白)


なんて高歌放吟して帰りたい夜であった。


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