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2017-08

齋號披露茶会〜根津美術館 - 2015.11.29 Sun

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東京の根津美術館に初めて行ったとき、町の真ん中でありながら広大でバードサンクチュアリにもなっているその庭園に感激した。そして庭園内のあちこちに見え隠れする4席の茶室棟を見て、ここでのお茶会にいけたらな、、、と思っていたのだが、このたび(光悦会とはまた別の)さる方のご厚情にてそれがかないました。(お世話になってばっかり、、、、^_^;)



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実は最初この方のことを不肖わたくし、全然存じ上げなかった。ところが美術館地下の待合にいるときに名前と顔が一致する方だけでもY内の家元とかM千家の若とか、陶芸家の辻○△郎さんとか、、、、どひゃ〜な顔ぶれでワタクシもしかして場違い?と思ったり。


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(濃茶席:弘仁亭遠景)


東京宗和会(宗和流)の会長に新たになられたのは、まだまだお若い方だが根津美術館の主任学芸員(?正確には存じません、スミマセン)を長らくされておられたらしい。金森宗和にちなむ(宗和の茶室庭玉軒のある)大徳寺・真珠庵の山田和尚に参禅、そしてそこで齋號「寒鴉(かんあ)」を授与得度された由、そのお披露目の茶会である。

金森宗和の家は江戸末期に断絶、その時門人一同はからって、血脈ではなく一門のなかで一番ふさわしい門弟を宗家にすえる、ということになったのだそうだ。そういう流派の伝え方もあるのだ。流祖家系統合(血脈を重視する)で生き残りをはかった流派もある中で、合理的な判断に思える。(この本参照)



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まずは講堂で点心をいただく。いれものがさすが(真珠庵のある大徳寺ゆかりの)大徳寺縁高だった。そういや待合の煙草盆の火入れが古染付だったな(このあたりですでに垂涎、、)床には真珠庵山田和尚の「寒鴉」、寒鴉齋の号である。真珠庵ゆかりの一休禅師の漢詩集からとったものだそう。よく画題にもなるし冬の季語でもある。なにかこの道の厳しさを象徴するような。




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ついで薄茶席は披錦齋の広間にて。その名のごとくここからの庭園の眺めはまさに錦。ご担当は根津美術館。
こちらで初めて宗和流のお点前を拝見した。帛紗はやはり右腰で藪内にも少し似てたり。柄杓の扱い方が独特。茶碗の仕込みは茶筅が上向き、茶杓は下向き。

こちらで床にかざられていたのがこれまたもう〜〜垂涎の利休所持の井戸の香炉!銘を「此の世」。もちろん根津の所蔵だがガラスなしで至近距離で拝見できるとは此の世ならぬ、あの世にいってまいそうや。内箱利休、外箱遠州の箱書き。

水指が、仁清が別焼きした蓋が添う安南蓮花紋、、、、あれ?これどこかで見たことが、、、そうだ!!今年6月乾山光琳忌茶会の根津美術館席で拝見したんだ!うれしい再会である。(仁清、、といえば宗和、よね)

後見をされた根津の副館長、古陶磁器研究がご専門の西田先生(女性)がとてもすてきな方だった。憧れるわ。



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あと古織(古田織部)の茶杓とか。茶碗の狂言袴(高麗青磁)「ひき木」は手にとらせてもらった。意外とずっしりくる重さ。この箱書きが宗和なんだそうな。(挽木の鞘とは別)
披錦齋と続き棟にある小間・一樹庵(大阪の古美術商・春海から移築したとか)はクヌギの中柱から出た枝がそのまま袖壁をささえる形になっているので一本の木で=一樹らしい。

ここの床には後水尾天皇のご宸翰の消息、曰わく「遠州が香炉をみせにきたから宗和にも見せろと言っといた。」
宗和は宮中での信頼篤かったのでごみのおさん(後水尾)さんもお気に入りだったようだ。




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濃茶席の弘仁亭・広間。新会長・寒鴉齋のお点前にて。

床には真珠庵ゆかりの一休禅師筆「済嶽」の道号説。その時たった五歳だった済嶽に一休がその才能を見抜き与えた號なのだそうだ。と、解説してくださったのが後見をされた真珠庵・山田和尚。現在五島美術館で開催中の一休展からわざわざこの二日間だけ借りているというからすごい。(まあ、もともと真珠庵所蔵なんだが)しかもその5歳だった済嶽が期待通りの法嗣となってのちの書が待合に掛けられていた法語、というのをこの時に初めて知る。



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点前座は台子でなんと南鐐の豪快な皆具。御本人の好み(デザイン)。そういえば薄茶席の数茶碗は大徳寺三玄院の仁清天目茶碗をガラスで写した物でこれも彼のプロデュースとか。(黒の漆を思わせるつるつるのと陶器のような艶消しのと二種)この若さでこれだけできるというのは実力、人脈、人徳、その他、さすがただものではない。なのに、にこやかでどこか人をほっこりさせるような不思議な方だった。



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替え茶碗がまさにその仁清の三玄院天目であった。これで濃茶をいただくしあわせ。これは高台に削り込みがなくべたっとしているのが特徴なんやね。

茶入が古瀬戸の金森肩衝「止信(ひさかた)」。挽家の書付が玉舟宗璠、内箱武野紹鷗、外箱遠州、、、とまあなんときらびやかな。茶入そのものは渋かったけれど。

濃茶席のお菓子がこれまた寒鴉齋お好みの「鴉笑」(赤坂・塩野製)。黒糖のきいたきんとんで切ってみると中に赤い餡が。口をあけて笑った鴉か。こちらもついにっこりしてしまう。この銘にそのお人柄が象徴されているような気がした。



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記念品をいただいたのでみてみると、、、おお!!今日お目にかかった三玄院天目茶碗ガラスの写し透明版!
早速一服頂戴した。



<おまけ>

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渋谷駅にて。ハチ公改札かあ、、、、(←おのぼりさん)



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● COMMENT ●

10月中旬に京都に来て以来、東京に戻っていませんので、
少し東京が恋しくなっていたところ、
しぇるさんのブログに突然、
東京での散歩道の写真(一枚目)が出てきたのでビックリ、、、、
相変わらず精力的に東奔西走されていますね !

S&Y様

そうなんです。青山を歩きながらこのあたりS&Y様、もういらっしゃらないのね〜などと思いながら歩いていました。とんぼ返りだったのでこのあたりゆっくり散策できなかったのが残念。とてもおしゃれできれいな町並みですよね。

しぇるさん、こんにちは

根津美術館と、しぇるさん

ああ、ピッタリ、

イメージが湧きますよ^^

私だったら、

表参道で、足が止まって

チョコばかり食べてしまいそう^^;

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高兄様

根津美術館にぴったりとは!
ほめすぎですよ〜(^◇^;)
あそこの庭園いいですね〜。展示ももちろん茶味があってすてきだけど。
表参道は、、、あまりよく知らないんです。
チョコのおいしいお店があるんですか?

鍵コメ様

いつもありがとうございます。
最近記憶力がちょっと、、、なので備忘録としても書いております。
おもしろく読んでいただければ幸いです。

しぇるさん、再び、こんにちは

>根津美術館にぴったりとは!
>ほめすぎですよ〜(^◇^;)

そうですかぁ~

イメージありますよ^^

表参道ヒルズのエヴァンや、メゾン・デュ・ショコラの

路面店など・・・魅惑でございます^^;

高兄様

さすが高兄様!
なんだかおしゃれそうなお店をよくご存じで。
表参道ヒルズなんておされなところ、まだ行ったことないです。
次の機会にはちょっとがんばって行ってみようかな。


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