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2017-06

町家で一福能〜新春を言祝ぐ〜第2回常の会 - 2015.12.16 Wed


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高倉あたりの松原通り。ここらも風情ある町家がどんどんなくなっていっているな。



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でも、このあたりで町家を守り、その町家ではぐくまれてきた伝統文化やくらしの習慣もまもって伝えよう、という試みをされているお宅がある。昭和初期に扇製造卸業として創業された大西常商店さんである。

創業者の常次郎さんはお茶を嗜み謡曲を愛し三味線、浄瑠璃も嗜んだという方。ご近所の方々を家によんで茶会や謡の会など楽しまれたそうです。そのお名前にあやかってその名も常の会、今年の祗園祭の頃発足された。




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町家!お茶室!能!

なんと私のツボを刺激してやまない三点セットに迷わず立ち上げの常の会第1回に参加させてもらった。

通り庭・火袋・おくどさん・坪庭の大きなお屋敷町家を拝見し、新たにお茶室として改築された常扇菴でお茶をいただき、耐震補強工事で大勢があつまるスペースになったお二階の広い座敷で仕舞や能にまつわるトークあれこれ、町家のお話し、かつては松原通りを祗園祭の鉾が巡行していたというおはなしなどなど、最後に「土蜘蛛」の蜘蛛の糸(細い紙テープ)をゲットした。あまりに楽しかったので第二回を楽しみに待っていたのだ。



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今回は「新春を言祝ぐ」〜「色」が、テーマ。

能楽師の方々は前回と同じく、明倫の素謡の会でおなじみの田茂井廣道師、味方團師、河村浩太郎師というそうそうたるメンバー。このお仕舞いやら謡を目と鼻の先で拝見できるのだからすごい。

まずはめでたい素謡「鶴亀」から。

スペシャルゲストトーク・昼の部は能装束の復元をてがけておられる渡文の織工・渡辺尚美さん。(ちなみに夜の部は鼓の曽和鼓堂さんで、仕舞に鼓がはいるらしく、これは見たかったなあ〜)



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渡文は西陣織の会社で織成館などでその仕事をみることができるが、主に帯を織っているので、能装束とはもともと関係がなかったのだそうだ。それがご縁あって(今年はじめに亡くなられた観世流の超えらいさんである)片山幽雪先生に協力・後押しされその復元に取り組みはじめられたそうだ。

能装束についてはあまり知識がなかったので、その種類などのお話しはとてもおもしろい。あと日本人の独特の白という色の使い方、色彩感覚についてのお話しも興味深かった。

写真の(写真・アップOKでした!太っ腹!)左の衣裳は唐織りの厚板とよばれるもの、右のはやわらかく刺繍や友禅のほどこされた縫箔とよばれる主に鬘もの(女性のシテ)に腰巻きなどにして使われる物。



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しかし、間近で見ると能装束ってため息が出るほど美しいわ。
やはり身につけて激しい動きをするものなので、いわばいずれ消耗品、このまま失われていくのではなく復元、継承されていくことの意義は大きいなと思う。よいライフワークをみつけられたのだな。手を使い物を作り出す職人さんの仕事って時にうらやましく感じる。



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さて、能の方は仕舞「龍田」と「葛城」。


龍田といえば紅葉の真赤
葛城は雪の白


仕舞は装束も面もつけない舞なので、ここは脳内でそのイメージを構築せねばならぬ。そこが能のおもしろいところでもありむつかしいところでもある。
龍田で、目の前にあたりを真っ赤に染め上げる紅葉の山を思い浮かべ、葛城では月あかり雪明かりの中の銀白の中で舞う葛城の神の姿を思い浮かべる。これは見ているその時よりもあとになってじんわり景色が浮かび上がってくるように感じた。

仕舞はまた今回も、現在習っている形がいくつもでてきてとても勉強になった。



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謡ってみよう、コーナー(?)ではトークのお上手な味方團師の御指導の下、ひとふしをみなさんで謡う。大きな声をだすのは気持ちよいね。しかし未だにゴマとよばれる謡本の音程を表す記号の意味がよくわからない。



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最後に素謡「六浦(むつら)」

鎌倉近くの称名寺にて、かつて冷泉為相が一本の見事な紅葉をめでて歌をうたった。

  いかにして このひともとにしぐれけん 山に先立つ庭のもみぢ葉

それに感動したその楓の木はそれを名誉として身をひくと決め、以後青葉のまま紅葉しなくなった。旅の僧がまわりの山が紅葉のさかりなのにどうしてこの一本だけが青々としているのだろう、と不思議に思う。女(実はその楓の精)が出てきてその由来を語り、明け方にその本性を見せ舞をまって夜明けとともに消えていく。


これはイメージがわくなあ。美しいわ〜。



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最後に能の演目と扇の模様の関係の田茂井師のお話しを聞く。扇の紋様もまた装束に負けず劣らす美しすぎてため息がでる。日本にうまれてヨカッタ、、、と思うひととき。

最後に常扇菴にてお茶席、一服いただく。こちらはもう結び柳とかぶりぶり香合とか新春の室礼であった。六畳を四畳半+相伴席二畳という形に使っていて、ここを茶室に改修するときに相談された、というお茶人さんがご亭主で、改修のおりのおはなしも少しお聞きできた。

いや、今回もグレードアップしてまた楽しゅうございました。次回も期待値大、ですよ。


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北に行けばすぐ仏光寺さん。
イチョウはもうすっかり葉をおとしている。



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ここに来たら境内にあるD&DEPARTMENTは必見。おもしろいグッズ、いっぱいあります。




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● COMMENT ●

はじめまして。いつも楽しく拝見しております。私も夜の部へ参加し、暗闇の中で幽玄なお能を楽しみました。もちろん土蜘蛛の糸も頂いて帰りました。感激です。

忘水様

コメントありがとうございました。
夜の部に行かれたんですね。鼓、ききたかったなあ。
今度は行きたいです。お能のお好きな方は昼夜とおしでいかれるそうです。
次回も是非行きますよ〜!


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