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2017-11

志村ふくみ〜母衣への回帰 国立近代美術館 - 2016.02.11 Thu

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京都国立近代美術館にて志村ふくみ展。

志村さんはご存じ、紬織で人間国宝になられた方です。御年90歳をゆうに越えて、染色・織物の新しい作品作り、後進の育成などまだまだ先を見据えておられ、その生き方、情熱を反映してそのお姿がとても美しいなあ、、と思える方です。

NHKでも季節ごとに志村さんの草木染め、機織りなどのドキュメンタリーを放映しているのでいつも録画してみています。きれいな光沢の絹糸の束が、それこそ色の無いような枯木や雑草といっていい草によって美しい色をもらう様はTV越しでも感動モノです。



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今回、初期の頃の作品から最近の作品まで、代表的な作品の展示。

若い頃、民藝の柳宗悦に共感して織物をしていた母の影響で布を織り始めて、そのころ母と親交のあった木工の人間国宝・黒田辰秋や陶芸家の富本憲吉などに師事されたという。けっこう筋金入りなのね。

入り口近くの三部作〜青湖・雪炎・蘆刈の紬の着物は、ふくみさんが生まれ育った鳰(にお)の湖・琵琶湖畔の原風景がなければできなかった作品だなと思う。
初めて見た海のような湖の青、比良山系の雪、水辺に生い茂る蘆は謡曲「蘆刈」の翁の衣のようで、、、なんだかイメージが広がる。


そして珍しい紬で織り上げた袈裟が二枚。これをまとった高僧の姿を思い浮かべる。所蔵が二枚とも高野山別格本山というのになるほど〜と納得。
現代能の衣裳も織っておられた。さらに「鳰の湖」と題する藍と刈安(黄色系)茜の着物は能衣裳に着想を得た物だとか。



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(美術館のカフェ505でいただいたおやつ。さすがに疏水べりのテラス席は寒いので遠慮しました。だって小雪が舞ってたもん)


単一の草木染め原料による色見本のような着物が十数枚展示されており、紫根や茜、藍などわかりやすい色と原料から、え?こんな色出るの?とびっくりするような玉葱とかイチイとか。
梅は花は紅白、薄紅とあれど木はそんな色はないのに、薄紅の梅の花を思わせるような色になるんだ。たしか媒染の種類でも同じ草木から違う色ができるんだったよね。

TVのドキュメンタリーでは摘んできた野の草をゆでた液に糸を漬け、「あなたはどんな色になりたいの?」と抽出した液に聞いているシーンがあって印象的でした。自然相手に対話しながら、ときに想像以上のものができ、ときに思ったような結果が出ない、、、試行錯誤しながらも自然の恵みを受け取る、そんな作業に見えました。




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複雑な微妙な色の錯綜する着物は、遠くから見ると印象派の絵のように見えて、身につけるのも恐れ多い感じがします。どのみち手の出るものではありませんが、志村ふくみさん、娘さんの洋子さんの主催する染めと織りの学校、アルスシムラの作品の古帛紗をゲット。



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右は紅梅を思わせる、茜染め。
左は緑と青が繊細に入り交じる藍と刈安で染めたもの。

着物より面積はだいぶん小さいものの(^_^; 手にとってうっとりしております。




<志村ふくみ展  国立近代美術館 3月21日まで>




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● COMMENT ●

お茶から、広がる世界、たくさんありますね。着物もその一つ。お茶会では、着れませんが、紬いいですね。印象派みたいなかんじや、志村さんの生き方も。お濃茶のだしぶくさ、志村さんのおりで出されたことありました。
いろいろな分野の会に、ご参加、いつも、刺激をいただいております。

いなかのおばさん様

お茶をやっていて着物に無関心な人は少ないですよね。
紬は茶席にはNGながら日常にはきつけしやすいし、汚れもあまり気にならないし大好きです。
でも志村さんのきもの、もしゲットできたとしても飾っとくだけでよう着んやろうなあ、、、、


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