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2017-05

今年は雪じゃない〜第3回珠光茶会 - 2016.02.12 Fri

奈良ゆかりの佗茶の祖、珠光にちなむ珠光茶会、無事3年目を迎えました。(冬の観光客をふやすためオール奈良市がバックアップしている一大イベントになりましたね)


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一昨年は数十年ぶりの大雪の中、昨年も雪が吹雪く寒い時期なのですが、今年はなんとあったか〜。


奈良といえば、もともと大和茶の産地でもあり、赤膚焼もあるし、小堀遠州や片桐石州は奈良ゆかりの茶人だし、「松屋会記」の松屋三代は奈良の漆問屋だったし、茶の湯のゆかりの深い土地。(若干京都の影に忘れ去られ気味ながら、、)
そんな場所でおこなわれる珠光茶会はなかなかすばらしいイベントだと思うわ。



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さて1週間にわたって奈良市内の古刹神社を広く会場にくりひろげられる茶会ですが、今年は曜日めぐりで薬師寺の特別茶席へ。なにが特別かというと、略懐石に濃茶+薄茶という茶事形式なのはここだけなのです。




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近鉄から入るいつもの参道はこの時期にしては早い紅白の梅が蕾をはやほころばせていました。(昨年の写真と比べると一目瞭然)


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まずは慈恩殿にて点心席へ。
中へ入ると薬師寺と言えばこの方、高田好胤猊下の昭和46年の般若心経の大屏風が一双。薬師寺西塔をはじめとする白鳳伽藍を写経勧進によって再建しはった名物管長でした。見ていると心が素直になるような字でしたねえ。



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今年の特別茶会のご担当は宗偏流。懐石を次々出して下さる方々が皆同じ色の色無地一つ紋、おそろいの白地帯に「月」「の」と書いてあるのが気になりました。一つ紋はこののぞき梅。千家でいえばつぼつぼにあたるようなシンボル紋のようです。ちなみに「月」「の」は宗家の茶室の引き手のモチーフだとか。



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なんと懐石具は根來、しかも薬師寺さんの什器なんですって\(^O^)/
調理は地元の天平倶楽部さんですが、食材、出汁の取り方まで細かく指示だされて料理した物とか。食材は地元奈良にこだわって。

杯台の杯には初め水が少量入っていて、これを次々と下の杯に流し込み清める、という所作が独特でした。はじめてみるやり方。お酒も奈良御所市の純米吟醸「斑鳩の里」。おいしい。やっぱり電車できて正解。



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煮物椀、強肴、八寸には十津川村の小さなアマゴに早蕨。大和まな(真菜?)の芥子和えに海老芋薯蕷がとってもおいしい。この「大和まな」(大根の葉っぱに似てる)の名前は松屋会記にも記されている由緒正しい大和野菜なんですね。




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宗偏流では主菓子は水菓子といっしょに出されるのだとか。一口サイズの押鮨までついているのはユニーク。ここでも食材は奈良にこだわって、苺は「古都華」という奈良の銘柄、キウイも奈良産。主菓子のきんとんはこれも奈良と言えばすぐ名前が出てくる老舗菓子舗・菊屋さんのきんとん、「青丹よし」。おお〜〜!なるほど、まさに青と丹(朱)だわ、奈良のシンボルカラー。こだわってるね。



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懐石終了後はまほろば会館にて濃茶席、宗家ご担当です。最近家を継がれた宗匠はまだお若い方でした。
床の軸は流祖・山田宗偏の「利休孫宗旦居士」。
宗偏は宗旦四天王の一人と言われた方ですから、宗旦を師と仰ぐ熱い心があったのでしょう。一般的には忠臣蔵にでてくる吉良家の茶の師匠として有名かもしれませんね。討ち入り茶会は宗偏流のお家芸。

釜が(珠光茶会の立役者である有馬頼底猊下好みの)六祖釜。達磨を初代とした6代目慧能にちなむ達磨型の釜、これすてきでした。慧能が六祖を継ぐきっかけにもなった詩の中、あまりにも有名な「無一物」の字が鋳込まれています。鐶付きは臼。これも寺の米搗きとして働いていた慧能にちなむもの。



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濃茶をいただいた替のお茶碗が萩で時代は不明ながら箱書きが好胤さん、というからやっぱり薬師寺徹底的にバックアップしてますね。

あとお飾りで炭道具がでてましたが、秀吉に焙烙作りで天下一の称号をもらった和泉八田玄斎の角印のはいった灰器、よかったわ〜。




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さて、なんじゃこれ?
と思われた方おられるでしょう。薄茶席に出た超スグレモノの茶箱をどうしても紹介したくて下手くそな絵をそえてみました。(実際の写真はここでみられます→

ご担当は金沢の数寄者、宗偏流の老分にでもあたるかたでしょうか。ご夫婦でされました。

で、この茶箱、何がすごいって鉄瓶をわかす炉までついているんです。しかも建水まで!
なかから入り込みたいにくりだされる箱には美しい花の絵がえががれ、中の小さいお道具もかわいくて、も〜〜〜感激でした!

数茶碗は奈良市が用意した奈良絵シリーズ。全面的奈良バックアップ!!



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これはお干菓子・蕗の薹。

軸は宗達下絵の光悦書。沙(すな)を切る草は三分ばかり、、、という意味の漢詩でちょうど今の季節。もう一つの干菓子はその草によって割れた砂地をあらわしたもののようでした。

花入が空中(光悦の孫)の通い筒、花がご丹精のショウジョウバカマの蕾。五株を金沢からこってこられたものだとか。



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また今日もええもんたくさん見せてもろたわ。これは感謝せんとな、、、、というわけで薬師寺といったら写経勧進なのだし、一巻おさめさせていただきましょう。



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、、、下手な字。
でも心がおちつきますね。筆で字を書いていると。結局6〜7割しかおぼえられない般若心経、でもありがたやありがたや。



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薬師寺白鳳伽藍へもお参り。昭和56年再建された西塔。そういえばまもなくここで花会式の法要も行われる季節です。今年も行けるかな。



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そして幕が下ろされるのが待ち遠しい薬師寺のシンボル国宝・東塔。”ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なるひとひらの雲”と佐佐木信綱先生が歌ったあの東塔の姿を、早くまた見たい。




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薬師寺に来たら忘れずにこれも。樫舎さんの「白鳳の飛天」、葛のほんのり甘いお菓子です。ここでしか買えません。



<おまけ・奈良点描>


帰りは近鉄奈良まで行って、茶道具屋にやっぱり行って、、、。



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山焼き後の若草山。



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「!」




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最近開けてきた感のある奈良きたまち(近鉄奈良の北側)にある、少々薹がたった乙女心がきゅんとなる英国カントリー風のお店でお茶。(




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鍵コメ様

コメントありがとうございます。
金曜日のシンポも行きたかったのですが(券まで買ってた!)諸般の事情により断念。
どうぞ楽しんできてくださいませ。

しぇるさん、こんにちは

茶事の世界も

季節先取り

しかし、ここ、数日の暖かさは何でしょう^^;

あちこちで、一気に梅も満開でしょうか

カメラ持って、出かけようかな~

高兄様

こらえにこらえていたうちの梅も昨日からついに次々開花しだしました。
金曜日までもってほしい、、、(梅見茶事予定)
明日からまた寒くなるようですが、いちど開いた花はしぼみまえんものねえ、、、

ご来席ありがとうございます

寒い中ご来席ありがとうございます
楽しいで頂けましたでしょうか
貴方様の御健勝をお祈り致します

宗徧流 向井宗無

あの茶箱には感激いたしました。
宗偏流のお席はあまりご縁がありませんでしたが、とても楽しかったです。
ありがとうございました。

こんばんは
私も14日(濃:藪内流、薄:官休庵)に行ってまいりました。
お茶箱、素敵ですね~。のぞき梅の紋もパンフレットで初めて見ました。
やっぱり宗偏流特別茶席も申し込めば良かった・・・。
来年の珠光茶会も楽しみです。

忘水様

魅力的な席がたくさんありましたね。一週間全部をまわるのは無理なので、毎年少しずつ新しい場所、流派、を楽しめればいいな、と思っています。それまで奈良市には是非がんばってもらって続けてもらいましょう!


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