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2017-04

松籟を聴く茶事 - 2016.02.24 Wed

お招きいただいた茶事の広い露地には見事な松の木が大きいのから小さいのまで、種類も様々あって、ここが住宅地ということをすっかり忘れてしまいそうであった。


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昨年「お点前の研究〜茶の湯44流派の比較と分析」 を上梓された筆者に、お茶事にお招きいただいた。

数年前最初にお目にかかったとき、諸流派の所作の違いを統計的に処理した(この本の元になったであろう)初期の原稿を拝読した。それは初めて目にする茶の湯の研究方法であり研究対象であり、驚嘆したことを覚えている。そして初めて裏千家以外の流派に目を開かせてくれた記念の日ともなったのだ。

最終的に44流派!!それだけの流派があったことにも驚くし、よくそれだけの流派を忍耐強く調べはったなあ、、と。
筆者のご研究をひそかに応援し、尊敬申し上げているので、上梓のお祝いにささやかなお祝い茶事に昨年およびした。お点前の流派の研究の本なので、御連客はそれぞれ違う流派の方を(計4流派)ご用意(?)(^_^;




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で、「呼ばれたら呼び返すのだぞ」という暗黙のプレッシャーを与えてしまったのか(与えたんだけど)返礼茶事へのうれしいお招きであった。かつて濃茶+薄茶の席はよばれたことがあるが、苦手、とおっしゃる懐石までご準備下さり、ありがたいことこの上ない。

腰掛待合で迎え付けを待つ間、ワクワクしながら、露地にたくさん植えてある松の木の枝を渡る風音を聴く。まさに松籟。ここは海からは遠いはずなのに、すぐ近くに海があって、海風に枝や葉をならす音に思えてしかたなかった。目をつぶれば神戸港の景色が脳裡に浮かんだりして。



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石州流・鎮信派の迎え付けは、手に座箒を持つ独特(たぶん)の形。
三畳台目の小間の茶室は使う木材もかなり正確な宗家の茶室の写しなのだそうだ。

今回、初めて当流派の炭手前を拝見できて感激した。お点前はそれなりに機会があるが、炭手前となるとなかなか他流のは拝見できないからなあ。炭の置き方も違えば枝炭も黒いし(千家では枝炭は白く胡粉で化粧)、練香の扱いも独特。まあ、千家流の方が独特なんかもしれないが(^◇^;)

手前の所作にはそれぞれこういう意味がある、というご説明を受けるとなるほどと思う。なにしろ研究された44の流派についてはいうまでもなく、茶の湯の歴史、いやそれ以外の歴史も文学もあまりに知識が豊富なので、なにをおたずねしても打てば響くお答えがかえってくるのがすばらしく、それがうれしくて楽しい。こういう茶席っていいなあ。




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お手製の白味噌、ダイナミックな大きさの(ご当家伝来らしい)大根のお汁にも感激。なんや酒飲みばっかりで燗鍋を空にして申し訳なかったが、御酒もおいしく頂戴した。高野山の精進料理に欠かせなかったという「ひじり羊羹」(かさ國製)が主菓子でこれも不思議な食感でおいしかった。

中立後の後座でご亭主が入ってこられるまで、小間に端座すればまた聞こえる松籟は外の松風なのか、釜の煮えなのかわからなくなる陶然とする時間。障子を通して入ってくる陽の光の変化もまた楽しみのひとつ。

しわぶきひとつなく進行する濃茶点前。熱々のおいしいお茶をいただく。

どうも道具についてあれもこれも漏らすことなくお聞きするのは裏千家だけなのかな、聞きすぎてうるさかったかもしれませぬ。他流派ではあまりしつこく聞かないともきいているし、、、スミマセン(^◇^;) でも、せっかくのお心入れの道具、聞かないでも意図がわかるものもあれば、わからないものもあるので、絶対見落とすまい!という気持ちでいつも茶席には臨んでいるの。

御連客様も歴史や道具に造詣の深い方、同じく石州流の別の流派の方、ごいっしょできてさらに会話がふくらんで、知的バトル(バトルか?一方的にやられとるが)がくりひろげられ、、、こういう茶席がほんと、楽しくてたまらない。



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お忙しい中、このような茶事をひらいてくださり、ほんとうに感謝。ありがとうございました。
次回の出版予定の本の構想もちらりとお伺いし、それも楽しみであります。

最後、お宅周辺の道に並んで植えられた松の木の松風を聞きながらお見送りをうけて帰路についたのでした。





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● COMMENT ●

御礼

 このたびはお出でいただきありがとうございました。わたくしも楽しい
ひとときを過ごさせていただきました。
 ひとさまをお招きする以上、もうすこし細やかな心配りをしないといけな
いのですが、、、+αの思いもいざとなると、準備の慌ただしさでどこかへい
ってしまいます。お寒い思いをさせまして申し訳ありませんでした。
 まずはお詫びと御礼まで。

ひえん様

こちらこそえらいプレッシャーかけましたが、その甲斐あって(?!)充実した楽しいお茶時間をすごせました。ほんまになんでもようご存じで、いろんなことをお聞きしてばかりでまるで学校の先生、生徒みたいになってしまいました。スミマセン。
いえいえ、十分な心くばりしていただきました。あの白味噌汁は感激いたしました。お忙しい中、ほんまにありがとうございました。
次回作、期待してお待ちしております。

お陰さまで、本当に楽しい一日でした。有難うございました。ご亭主には安心して何でもお尋ねできるから、お話が弾みましたね。私も二度目なので、少し余裕を持って鎮信流のお点前を拝見できました。
先日、Sさんの所にお寄りしたら「一昨日、行かれたんですね。関西の方はそんなによくお茶事をなさるんですか?」と言われて、きゃあビックリ。松風に乗って情報が早いですね。

そらいろつばめ様

こちらこそご一緒できてうれしかったです。
ちがうルートでご亭主とご縁があったのも不思議ですね。
最近いろんな流派のお点前みさせてもらっているので、どれがどれやったか覚えきれず。似ているようで微妙に違う。つくづく裏千家はシンプルで覚えやすくてええな〜と思ったり。
我々のまわりには茶事する人ようけいますね〜。やっぱり関西だから???


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