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2017-11

早春の大原〜来迎院・音無の滝 - 2016.02.26 Fri

大原といえば都人にとって山奥の里、、、という印象もありますが、サキョーカー(左京区住人)にとって大原は同じ左京区、うちからは車で30分ほどもあればたどりつく身近な山里なのです。

スタッドレスはかなくてもいい程度に雪が降ると、それっとばかりに雪の大原を見に行こうと思うのですが、今年は雪が極端に少なかった。大原の冬は人も少なくて静かな山里なのです。


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そろそろ暖かくなると観光客も増えてくるので今のうちに、、、と出かけた早春の大原はこの季節静かに眠っているが如く静かです。



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桜の木はまだ蕾もかたく



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菜の花畑もまだ苗の状態。




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ミツマタの花。この冬と春のあわいの季節は1年で一番好きかも。





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駐車場から山道を登るにあたって必ず寄るのが辻しばさん。大原だし柴漬けが有名なのだが、私はいつもここで刻みすぐきを買います。これでご飯三杯はいける。



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呂川沿いのゆるやかな上り坂を登る。この季節川沿いにある土産物屋は半数は閉まっている。途中開いている店のおじさんが「今日の大原は静かです。あと少しです。」と少ない道行く人に声をかけていた。なんだかのどかだ。

呂川は三千院をはさんで南を走り、北を走るのが律川。大原は天台声明発祥の地だから、こんな名前がついたのね(古代中国の音階で、呂はいわば長調、律は短調、、か?)。呂律がまわらないの語源でもあります。



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この道を少しはずれるとのどかな里山の景色が楽しめ、こんなお地蔵さんもいてはります。



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大原のこのあたり、薮椿が多く、見頃をむかえていました。



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三千院や勝林院、宝泉院へ行くのと逆の方向へ行くと来迎院がありますが、実はコチラの方ヘは行ったことがない。なので初めて来迎院とその奥にある律川の源流近くの音無の滝を見に行こう。

けっこうな山道です。だ〜れもいません。




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どんどん川を遡ります。



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そろそろ不安になってきたころにやっと到着!



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音無の滝。

平安後期、大原声明を完成させ来迎院を再建した良忍上人が、この滝に向かって声明を唱えていたところ滝の音と声明の声が和し、ついには滝の音が消えた、という伝説から来た名前だそうだが、音波がぶつかり合って相殺されて消える、、、ということは科学的にもあるのかな。

今は声明の声もとだえ、滝の音が残るばかり。




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水量もなかなか多く、絶え間ない流れを見ていると癒される。これは油照りの頃訪れると涼しいのではないだろうか。

行き帰り、誰にも会わなかったし、山に入っている人もいないと思うのになんとなく、ヒソヒソ話をしている声が聞こえたような気がした山の不思議。(本来霊感はほぼゼロの人ですが)こういう現象はよくあるらしい。



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でも鶯は確かに鳴いていたよ。



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この山のあたり、川の水気、山の水気でどうも湿気が半端ないようで、なんでもかんでもええぐあいに苔むしている。




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倒木も道の石もお地蔵さんも苔・苔・苔。

うちの庭のすぐだめになる苔を思えば、うらやましいような良い苔があちこちに。




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さて、音無の滝からまた少しもどって来迎院。

大原のこの寺がかたまっているあたりを魚山といいまとめて魚山大原寺。だから来迎院も三千院も勝林寺もその塔頭ということになるのかな。ちなみに魚山は中国・唐の声明の聖地の名前であり(山東省)このあたりがその地形によく似ていたので、声明を輸入した円仁上人(9世紀)がここを日本の声明道場としたという。

うち二つの道場が勝林院(下院)そしてこの来迎院(上院)である。

音無の滝で研鑽をつんでいた良忍上人が細かい流派にわかれていた声明を統一して魚山声明として集大成、現在も天台声明として伝わる。あれは機会があれば是非YTubeでも聞けるし聞いて欲しい。ほんまに音楽的で美しい。


(そういえば2年ちょっと前、勝林院で開創千年記念一千年紀・千年響流行事があり、ライヴで声明聞いたっけ)



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ひところは声明道場として48もの僧房があり、日々声明が山々に響いたそうだが、現在はその面影はあまりないのです。特に三千院を中心とする西の院の群れからこの来迎院だけ(あと非公開・浄蓮華院)ひとりぽつんと離れているので人の姿をみなかった。




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本堂は室町のころの再建、全体の雰囲気は勝林院によく似ているが、お堂の中は天井も低く、もっとこぢんまりとしている。



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重文の三尊(薬師如来、釈迦如来、弥陀如来)や脇侍の不動明王、毘沙門天(いずれも平安後期のもの)を息がかかるくらいけっこう近くで拝めます。天井にはやや退色しつつも美しい天女の絵が。




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そしてこの寺も山の湿気、川の湿気でなにもかもが苔むす。



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木の根と石畳のせめぎ合い。


かつて声明が響き渡った魚山、今は人離れの時でもあり響くのは呂律川の川音と野鳥の声と、山をわたる風の音ばかり。



  声明の音は たえてひさしくなりぬれど
           滝の音のみ なお聞こえけり  (滝の音はたえてひさしく、、、のもじり  (^_^;  )




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しぇる様へ

私の学生時代は大原は大勢の観光客で賑わっていましたが、
最近は、観光客が減って、元の静かな雰囲気の里に回帰しているようです。
あまり、人が多いと平家物語のヒロイン建礼門院を追想できなくなります。

 治承、寿永の御国母、三十にして経読ます・・・そして、まもなく逝去

 (本当は長命で、今の東福寺辺りで、承久の乱の後まで生活されていたとか。
 ヒロインは薄命がよいのですね。)

 ともかく、今の、静かな大原の里が、大原らしい感じします。



narahimuro様

大原に人があふれるのは紅葉の頃だけですかね。そういえば観光シーズンをはずして来るといつも静かです。
この日はお休みでしたが大原朝市では若手の農家さんが協力し合って新鮮な農産物を売ってはります。本来は農業地域なんですよね。
建礼門院については、大原にいたのはちょっとの間だけなんだよね、とあまり思い出しません。寂光院が火災で建て直されたというのもちょっと残念。秋海棠の季節はいいですけれどね〜。


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