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2017-04

大炉の茶事 in 但馬 - 2016.03.01 Tue

いつもお世話になっているそらいろつばめ様がお家の茶室に大炉を、ついに!ついに切らはりました。
コンスタントに100人前後のお客さまを自宅でおもてなしされる、というすばらしいお宅(建築系雑誌にも載った)にまたあらたなアイテムが装備され、だんだん天下無敵になっていくようです(^-^)

その大炉の茶事におよばれ。



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これが大炉。
裏千家独特の秘密兵器(?)なので他流派の方に簡単に説明いたしますと、裏千家11代玄々斎が囲炉裏をみて考案したもので基本的には六畳、逆勝手、火の回りがよいので極寒の2月に使うのを習いとします。

普通の炉の一片が1尺4寸(約42cm)なのに対して1尺8寸(約54cm)と大きく、炉縁は北山杉の丸太が一般的、炉壇は鼠色、楽焼きの雪瓦を使う、、といろいろ約束があります。



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世界的に活躍する左官職人・久住さんの塗った土壁のsunken gartenを見下ろす小間の待合にて。



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この家のコンセプトの一つは「家の内外の境をまぎらかす」、なので自然に動線に導かれるままいつのまにか露地と家のあわいのこんなスペースの腰掛け待合いに。

イスラエルのタイル張りに円座がこんなにマッチするとは!




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ふだんの八畳間の茶室を屏風で上手に仕切って六畳使いに。どこの位置に大炉を切るか、あれこれ建築家のI君と検討を重ねた末の施工だそうです。

ご亭主側は(逆勝手ゆえ)足運びに苦労されておられるが、われわれ客は普段通りで楽しませていただく。

大炉はやはりなんといっても炭手前が見所。灰器を使わず雪瓦のむこうに積んである湿し灰を使うのもミソ。灰匙は湿し灰に突き刺しておくので、金属の匙は傷みやすく、楽の匙を使うのが一般的、これも大炉ならでは。

羽根の使い方も灰の撒き方も普通の炉とルールが少し違うので、なかなか手強いお手前なのですが、なんなくこなされました。



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懐石もお手製。ほんとうは和食よりもお得意、というイタリアンもとりまぜて。



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御酒もおいしくて、たくさんたくさんいただきました。うへへへ、、、

あんまり良い気持ちに酔ったものだから八寸の時についに「これ一度やってみたかった」シリーズの一つ、謡曲「猩々」をひとくさり。で、自分はすごい音痴なのでたぶんオリジナルとずいぶんちがった節回しになったかも、ですが御連客にたしなまれている方がおられてすてきにサポートしてくれはりました。感謝!それにしても突然さらっと猩々が歌えるとは、みなさんすてきな数寄者!



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お菓子は東京・上野赤坂の有名な塩野さんのを。銘が好文、、なんとか。(好文木=梅)紅白の咲き分けの梅花。中が黄味餡でこれまたおいしくて。



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中立は中央の広場(ほんまに100人でパーティーできる)の隅にある囲炉裏で。これは以前大津磨きの囲炉裏だったのをリニューアルされた模様。ここでバーベキューもでき、ほんまにパーティー仕様。それも
それだけお客さまが集まるという人脈はすばらしく(地域コミュニティにすごく貢献されている)、そらいろつばめ様ご夫婦のおもてなし上手、お人柄、ご人徳であります。



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後入りの蹲居は、sunken gardenの底にしつらえられて、思わず上を見上げて、井戸の底から空を見上げたようなイメージで手を清めました。
この光の井戸に夜雪がしんしん降る様を眺めるのが冬のなによりのご馳走なのだとか。



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後座は屏風をとっぱらって八畳のなかにうかぶ大炉で濃茶を。
後座の花は小指の先ほどの大きさのかわいい可憐な桃色の侘助の蕾。

大炉の時には大蓋といって口の大きい釜、大きい蓋を使うことが多く、少しでも湯気をたてて暖まってもらおう、という心遣いであり、また景気よくもあもあと立つ湯気が見所でもあるのです。



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そしてなんといっても大炉の醍醐味はこの後炭にあるといっても過言ではないのでは。

釜を上げると、、、おお!さすがに大炉、酸素供給量が多い分、胴炭にもすっかり火が回っています。

後炭は大きな焙烙に湿し灰、匙香、火箸、羽根、鐶、組釜敷を仕込んで、道具をとりやすいように焙烙をくるくる回す所作が風情あるのです。ちなみに炭は雪瓦の向こうに組んであり、輪胴留めが特徴。
最後に残った湿し灰をざ〜っと雪瓦の向こうにあけるのももう一つの見所かも。

ちなみにこの炉壇の中の灰すべて、木を燃やしてご亭主みずからが作られたものなんですって!(@_@;)びっくり!!



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薄茶の干菓子はまたまたかわいらしい春の野を塩野のお干菓子で作ってくださいました。どれを取ろうか迷うこと、迷うこと。黄色い蝶々が卵の黄身の味がしておいしかった!散らばっているまるいのは和久傳の「艶ほくろ」、黒豆のお菓子。

それぞれ違ったお茶碗でお薄を点てていただく。どの茶碗も入手されたときの想い出や思い入れのあるものばかりで、それにまつわるエピソードをたくさん聞かせていただいた。お茶が好きで好きで、という方は必ず道具や茶の湯の歴史にお詳しい。今回も茶の湯にまつわる歴史の話もたくさんおしゃべりできてうれしゅうございました。


心づくしの茶事、しかも今年切ったばかりの大炉、半東役のご主人、水屋のお二人、お招きいただいたこと、すべてに深く感謝いたします。お茶のご縁はほんまにありがたいなあ、、、



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● COMMENT ●

感謝です

しぇるさま
遠路をはるばるお越し下さって感謝です。お客様はお年も違う初対面の2グループ、少々不安でしたが、お茶という共通項で和やかな茶事になりました。「猩々」もご披露下さって感激です。体力勝負の大炉ですが、お陰様で何とかやってみました。これもしぇる様繋がりでIさんとめぐり会ったから。

大炉をやってみると、それぞれのお客様から色んな発言が出ます。道具や座る位置や、所作について。大炉は意見交換のチャンスでもありました!

ではでは次、秋を目指して精進しま~す。
塩野のお菓子、好文花、美味しかったですね。上野じゃなくて赤坂よ。

そらいろつばめ様

ほんまに楽しい茶事をありがとうございました。
あの大きい炉に入れる灰を手作りされたというだけでもすごいごちそうでした。
大炉は比較的新しい手前だし、もっている先生も多くはないので所作とかいろんな説があるようです。でも自前で持ってはるのでこれからは毎年研究できてそのうち大炉のオーソリティーになるかもよ〜。(1年に1回の稽古では全然頭に入らない)

ご一緒したお姉様方もすごくお茶好き、という感じが伝わってお話ししていてとても楽しかったです。みなさま遠方からいそいそとおいでになるのね。これもよきご縁をいただきました。

秋の口切りも楽しみにしています。これも私は当分できそうもないので、どんどん先こされていってますな〜。うれしいうれしい。

塩野さん、訂正しておきました。(うっかりマチガイ)

なんと贅沢な時間なんでしょっ!

大炉でのお茶事、興味深く拝見いたしました。
ご亭主さまの隅から隅まで行き届いた演出に感動なさったのも無理ありませんよね。
タイルの腰掛けにまずビックリポン!和洋の素敵な融合ですね。
手作りの灰というのも本当に尊敬〜です。
お干菓子も可愛かったなぁー
お茶碗もさぞ素敵なのがいっぱいあったんでしょうね。
なかなかお茶事に行くチャンスがないのでしぇるさんのを見てバーチャルに自分も行った気になっています^^;

大原、、三年前の秋に行ったことを懐かしく思い出しながら読んでました。

ノリーナ様

まずはここのお家のすごさにおどろきます。(もう何回もおじゃましていますが)
はっきりしたポリシーをお持ちの建築家の作品です。
次ぎにめったにされることのない大炉の茶事に参加できたうれしさです。
通しで初炭、後炭まで見られますものね。
そして茶事を開くにあたって懐石のご準備から灰の制作まで、がありがたいご馳走でした。
道具へのひとつひとつの思い入れを楽しそうに語られるご亭主との茶事の客になれたことは、うれしいことこの上ありません。

、、、というわけでこの幸せな気持ちをブログでおすそわけ。(^_^)b


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