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2017-04

修二会2016・その3〜修二会の頃の奈良〜入江泰吉旧居 - 2016.03.14 Mon

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二月堂を辞し裏参道から戒壇院のあたりへぬける。




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戒壇院の庫裏は練行衆たちの別火坊(法会に入る前の精進潔斎)にもなる。ここの四天王像は四天王の中でも最高に美しいと思う。でも、今日はここはスルーして、このちかくのこちらへ。



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ちょうど1年前公開されるようになった入江泰吉旧居

奈良の写真を見た人はかならず入江先生の写真を一度は見ているはずである。


かつて郷里で受験生をしていたころ、図書館で勉強しつつ息抜きは図書館蔵書の奈良の写真集をみることだった。そのなかで二月堂への裏参道の写真は深く印象にのこり、首尾良く京都の大学へいけたらここへも足をのばすんだ、と誓った(?)のである。




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(東大寺別当206世上司雲海師による表札。師は入江先生と同級生で、多くの人脈を入江につないだ方でもあった。)



その写真をはじめ、多くの奈良の写真が入江泰吉(1905〜1992)先生の写真であったと知ったのはずっとあとのこと。

高畑の入江泰吉記念奈良市写真美術館にはなんどか行ったことがあるが、戦後入江先生が亡くなるまですごされた東大寺畔のこの旧宅が奈良市に寄贈され、公開されていると知ったのは今年になってから。



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玄関をはいったところ。万葉の植物が多く育てられていたらしい。

入江先生は大阪大空襲で焼けだされ、戦後くしくも幼い頃をすごしたこの東大寺旧境内の町へ帰ってきて、写真家としてスタートされたそうだ。



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こちらの家は平屋で大正年間の建築か、といわれているがさだかなことはわからないそうだ。


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廊下の化粧裏天井。


現在は痛んだところの改修がなされて住んでおられたころそのままとはいかないが、残された本や調度、日常遺愛のものはそのまま残され展示されている。




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広間。

入江先生の軸がかかる。奥様が能書家であったので、習っておられたらしい。この朱色のテーブルも当時のものだそうだ。




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ここには写真のお弟子さんをはじめたくさんの方が訪れたそうだが、中には高畑に一時住んでいた志賀直哉、「大和古寺風物誌(高校生の頃の愛読書!!)」の亀井勝一郎、歌集「自註鹿鳴集(これも!!)」の会津八一、小林秀雄、須田剋太、白州正子など綺羅星のごとき人々も集まり、文化サロンを形成していたのだとか。



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その人々をつないだのが表札を揮毫した幼なじみの上司和尚なのだ。

廊下には気持ちの良い春の陽射しが入り、正面には、、、、



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吉城川(依水園を流れる川)が流れる。そのほとりに咲く椿がみごとな借景。こんな美しい景色を眺めながら写真の構想を練っておられたのか。



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広間続きの応接間。ここにもたくさんの蔵書があふれんばかり。



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入江先生は風景だけでなく、万葉の植物の写真もたくさん撮っておられた。



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アトリエにされていた、というサンルームは吉城川に乗りだすような場所でまことに気持ちがよい。



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写真だけでなく余技はいろいろお持ちだったようだが、ここには削り掛けの仏像が残されていた。



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サンルームに隣接する座敷は書斎でもあったようだ。部屋一杯に床から天井まで蔵書が残されている。




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庭の片隅にはモノクロフィルム時代の暗室。現在みたいにデジカメで簡単に、、、という時代ではなかったからね。



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暗室の中。



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ここを運営しているのは市民をまじえたワーキンググループ。そのうち茶会やいろんなイベントもおこなわれるようになるのだろう。

このあたりは観光客も少なくひっそりと奈良の昔のたたずまいをよく残しているので、奈良へお出かけの節は足を伸ばしてみられてはいかがでしょう?



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さて、今年のお松明の燃えさしの収穫。



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小さい束を人に差し上げるのに、こんなものを作ってみたりして余韻にひたっている。



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● COMMENT ●

しぇる様へ
12日深夜から13日黎明までの若狭井のお水取り参詣ご苦労様でした。
私も、参拝した事がありますが、底冷えがしてとても寒かったことが記憶に残っています。

ところで、大和に魅せられた写真家と言えば、入江泰吉さんの前の土門拳さんも
忘れないで下さい。
チョット余談になりますが、私の中学の歴史部が当時の加茂町の古刹に見学に
出かけた時、境内で写真撮影をしていたイカツイ大柄の男性に頼み込んで、記念に
歴史部の集合写真の撮影のシャッターを切って貰ったのですが、後で、
土門拳さんその人と知って顧問の先生が驚くやら恐縮するやら・・・・

奈良やその周辺には、あまり有名でないはありませんが、由緒深い古刹が
散在していますので、拝観に来て下さい。

narahimuro様

土門拳さんも有名な方ですが、私はどうしても奈良といえば入江先生、、、ですね。
しかしプロ中のプロにシャッターを切ってもらったとは、ぜいたくなことでしたねえ。

今年は若狭井のお水取りは見ていないのです。(昨年見た!)特別な法会がなくても最初から最後まで楽しめるのが修二会で毎年行けるときに行って楽しんでおります。
次の目標は最終日の尻つけ松明かなあ。

南山城と奈良は混在している感があります。昨年南山城の古刹はいくつか尋ねました。


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