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2017-07

夕ざりの茶飯釜茶事〜宗偏流 - 2016.03.15 Tue

宗偏流の先生で京都に移住する前から知ってはいたのですが、なかなかご縁がなかった方がおられます。洛中にあるお宅の前をいつも通り過ぎては、いいお茶室をお持ちなんだろうな〜といつも思っておりました。
ところがところが、これも不思議な茶縁を繋いで下さる方がおられて、このたびあのお宅の中へ茶室の中へお招きいただいたこの感激!思えば叶うものなのでしょうか。


IMG_1460_20160314230653326.jpg
(写真はうちので関係アリマセン)



しかも燈火を使う夕ざりに茶飯釜の茶事とはなんとありがたい。ドキドキしながらいつもはとおりすぎるだけだったお宅の戸をあける。おお〜、、中に一歩はいってすでにこの先生ワールドがひろがっていました。感激。

襖や引き手、衝立、さりげなくおかれている調度ひとつひとつに趣味の良さが感じられて上質の室礼です。時代のあるお雛様が飾られた広間を待合かわりに、台子のような流派の棚、飾られた香道の道具、おさそいくださったお正客が仏壇に香を手向けて読経される。もうはじまりからどきどき。

表からは想像できない奥行きの深さが京の町家、坪庭を露地にした腰掛け待合いで迎え付けを待ちます。足元にはヒバ苔が良い感じに茂っています。枝折り戸の向こうで蹲居をつかわれるご亭主の姿の美しさ。
宗偏流も迎え付けは座掃きを持ってされるのですね。

初座の席入り、ずっと拝見したかった席は四畳小間向切、半間の枡床。壁がなんと濃紺なのです。深い色なので空間がぎゅっと収縮して締まった感じ。普通の土壁は錆が出てくると黒くなるところを、この壁は錆が白っぽく浮きでるのですね。いっそう侘びた感じでこういうのは初めて拝見しました。腰張りの紙がまた謡本を裏向けに貼った物。これもはじめて。

掛けられた軸が「無」なのですが、独特の書体で一見鍋に蓋をして、下から火であぶっているように(下のレンガの部分が火に見える)見えて、茶飯釜にぴったりのご趣向ではありませんか。
茶飯釜は席中でご飯を炊くので、炭はふだんよりたっぷりつぎます。(裏千家ではさらに火吹き竹で連客交代でフーフーします)宗偏流も枝炭は黒でした。炊ける米の香りを楽しむためにお香は焚きません。
煤竹の自在はこれも時代があって侘びていい感じでした。裏千家みたいに上げ下げするだけでなく、反対に炭をするときに伸ばして炉の向こう側の炉縁にかけるのですね。宗偏は宗旦四天王の一人なので、お点前は千家流に似てはいるのですが、やはり流派独特の所作もあります。


米が炊けるまで、お手製の懐石をいただく。折敷までが時代の蒔絵角盆で焼物の向付を置くのがもったいなくはばかれるほど。ちょうど夕刻の陽は明るい影を作ったり暗くなったり、一時もおちつかず、変化をたのしめます。そうこうするうち釜はぶくぶくと泡を吹き出します。でもここでまだまだがまん。
お酒もいただき、懐石もいただき、懐石道具も楽しみ、いよいよ釜で炊いたご飯を!まあ、甘くてとろっとしたご飯でした。この日なによりのご馳走です。ご郷里の東北から送られてきたつきたてのお米だそうですよ。

これも時代の食籠にて供されたお菓子をいただき中立の頃、外は薄暗くなってあちこちにつけられてた様々な種類の露地灯り、待合に帰れば、、、きゃ〜!!蒔絵の箱にはいった短冊に一句もしくは一首したためるご用意が。重硯もまた重厚。お好きでこういう時代の物を集められ、もしくはお家に代々あったものなのだとか。(そんな道具がでてくる蔵があったらな〜〜〜)

四苦八苦しながら一首したため後座の銅鑼を待ちます。



PB080025.jpg



席入りは手燭の交換も。この手燭がまたまた普通のでなく時代のもの。席中はすっかり暗く、短檠の灯り、燭台の灯りで釣り釜はなおゆらゆら。白い唐子の頭みたいな水指がかわいい。他流派でしかも向切なので点前所作はかなり複雑にみえました。おいしく濃茶をいただいたあとは続き薄。
いつも思いますが小間の燈下の茶席は格別です。まるで世界がこの茶室の中だけに閉じ込められているような感じがして、中にいる主客の距離感を縮めるのです。そして季節は、、、やはり炉の季節がいいですね。


一席おわり、後段でお住まいの二階へ案内されたのですが、、、もう絶句!あのお家の二階がこんなことになっているなんて、、、、というくらい素敵な住空間でしたのよ。しかもそこここにあるコレクションのご趣味がはんぱでない。ついついここでお茶の話はまたも尽きず、ずいぶん遅くまでお邪魔してしまいました。

いつも前を素通りするだけだったお宅でかくも素敵な茶事に招かれる機会に恵まれ、想像した以上の世界を堪能させていただきました。(まだ夢見心地)



(おまけ)


こちらのお宅で初めて自分が手燭だとばかり思っていたものの使い方が違うことに気づく!


P3130055.jpg



このように蝋燭を立てる部分がジャイロになっているので手燭交換の時に安定が悪いったら、、、



P3130056.jpg



これはこのように、掛けて使うものだったのだ。手燭をもひとつ買わねばならんが、露地の灯りが一つ増えたと思えば。




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● COMMENT ●

茶事

夕ざりで茶飯釜ですか。それは格別でしたねえ。
手燭のことも使い方があるのですね。奥が深いです。

ひいらぎ様

洛中にはたくさんのかくれた名席がたくさんあるようです。

しぇるさん、こんにちは

またまた、素敵な体験されましたね^^

しぇる様には、縁結びの神様が憑いてるんじゃないでしょうか^0^

高兄様

いえいえ、これもすべてお茶の神様のおかげ、、、?
かな^_^;


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