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2017-06

西行忌茶会2016〜西行庵 - 2016.03.19 Sat


     願わくば 花の下にて 春死なん

                 その如月の望月の頃


とおっしゃって、その歌の通りに旧暦2月望月に亡くなった西行法師。(すごい根性、、というか執念??)
そのゆかりの真葛が原(円山音楽堂近く)西行庵にて彼を偲ぶ西行忌茶会、今年もいそいそといって参りました。




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朝の西行庵。
昨年は3月末で、もう円山公園の桜が咲いていたが、今年は早めのため桜にはまだ早い。



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朝一番の席はぜいたくなことに三人でしかも!弘道館の太田先生がお正客といううれしい楽しい席であった。なにしろ太田先生の蘊蓄はただごとではないのだ。

最初の二畳台目向板丸炉の部屋で、前茶の薄茶を若奥様(お茶友!やはりお茶友の妹さんもお手伝いしてはる)に点てていただく。ここに掛けられた九条武子さまの「夕春雨」の歌に対して太田先生、蘊蓄炸裂。なにしろ弘道館で「九条武子研究会」主催しておられるので。この歌をかけられたのはたまたまなのに、太田先生のツボにはまってしまった。

(ちなみに九条武子は西本願寺法主の娘で九条家に嫁ぐ。大正三美人のひとりで和歌は佐佐木信綱に学ぶ)




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(ゆえあってとなりの敷地になってしまった西行堂)


粉引のような時代のついた白小萩茶碗でいただく。これは好み。
ここに飾られるのは山桜。


        仏には 桜の花をたてまつれ

            わがのちの世を 人とぶらはば





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となりの広間、浄妙庵(朝茶は毎日ここでおこなわれる。参加可)で点心をいただく。西行法師の座像に香が手向けられここにも桜を奉る。
軸は于良史の「春山夜月」より水を掬すれば月手に在りの「掬水」石川丈山筆。今月の「なごみ」か「淡交」に載っていたが、月、、とくれば秋のような気がしていたがこれは春の夜を歌った漢詩だったんだ。目からウロコ。

主菓子は山もとさん(今は駿河屋も兼任してお忙しいらしい)のきんとん「御吉野」。



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蹲居を使っていよいよ小間・皆如庵へ席入り。この小間は茶道検定にもでていた円相床と道安囲いのある見所満載の茶室なのだ。桃山時代、高山右近作と伝えられる。だから床の円相窓を少しあけて、そこに日が差し込むと光の十字架が浮かび上がるように見える。


庵主に濃茶を練ってもらって居る間、釜の煮えの音を楽しんでいたら庭で何回も鶯が「ホーホケキョ!」を完璧に歌っていた。そこに重なる(次席の客らしい)こちらの檀家寺・真如堂さんの天台声明、、、もう奇跡のように美しい音楽に満ちた空間。ああ、感激。




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今回の濃茶席は千家がテーマとのこと。
一燈(裏千家八代)在判の水指に、その兄である如心斎(表千家七代)箱書きの茶入、一燈の弟子の速水宗達がおこした速水流好みの蓋置、如心斎の一番弟子、江戸千家をおこした川上不白の茶杓などその人間関係を考えながら見ると興味深い道具組、さらにそれに博覧強記の太田先生の解説付き、興味はつきないくらい楽しかった。

主茶碗の金繕いのある古安南がまたすてきだったなあ。箱書きが惺斎、先日覚えたばかりの飛行機判に内心興じてしまった。
千家テーマなので黒楽種壺水指(一入)を使って、その存在感がただものでないので、茶碗は楽をひかえたとのこと、こういうことも考えながら道具組をするんだなと勉強になったが、いかんせん、そんなに悩むほど自分は道具持ってなかったわ。
桜の花を手向けた竹の花入を作った覚々斎は、如心斎、一燈兄弟の父親である。


軸が桃山時代くらいの公家・五条為経の西行の歌の歌論。その西行の歌。


     吉野山 桜が枝に雪散りて
 
              花遅げなる年にもあるかな



桜と雪はおたがいに見まがえることで古来歌の題材になっていた、、、とは太田先生の解説。
ともあれ五感に美しいひととき、こちらですごさせてもらった幸運に感謝。




(西行庵保存会では年に数回、かなりレベルの高い数寄者の方による茶会が開催されます。参加をおすすめ。このすばらしい環境の庵を保存維持するためにも是非ご協力を!→西行庵保存会







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● COMMENT ●

いずこも同じ

西行さんはその日に合わせてなくなったんでしょうね、そう思っています。

N様

しかし医学的に見て、今死ぬぞ!と思ってもそれは無理やと思うので、やはり意志の力というより天の配剤かと。

極楽往生

死期を悟った人が,お粥から水へ食事を変え枯れ木のようになくなるということをしていたと考えたのです。西行さんは結局16日に亡くなります。体力を読み違えたと思っています。桜の花の咲くころのお釈迦様の命日に亡くなりたかったのですね。

N様

いやいや、なかなか自分の命でさえコントロールはむつかしいと思うので、西行さんの場合は確率的に奇跡的だと思います。そもそもなにで(死因)亡くなられたのか興味あります。当時ならけっこう高齢なので老衰?もしや悪性疾患?、、、とか。

ありがとうございました

思い付きではいけませんね。人の命の不思議さ、あまりにも安直でした。ありがとうございます。

N様

いえいえ、仕事現場からの感想でした。

願わくば

‘その望月の如月のころ’としたのも時々見かけるのですが、‘その如月の望月のころ’ではないかと。

この歌を聞くといつも思い出す人がいます。
雑誌の編集長だった詩人から、この歌では昔の桜は山桜だから遅めの開花のはずで、旧暦といえども如月には咲かないだろうになぜなのか調べてくれと頼まれたことがあります。
一説には、この花は梅なのだとも。またこの歌は桜の歌の分類に入っているとも。
その詩人も昨秋亡くなり、益々この季節はその人のことを思い出します。

御所の山桜の赤い葉がもうすぐ広がる季節ですね。

Mariko Ishii 様

あらら、、まちがえてました!!
私も如月の望月派でした。(訂正いたしました)
今年の旧暦如月望月は明日、23日のようです。今年はぬくかったのでそろそろ市立美術館の裏のヤマザクラは咲き始めています。西行のころは温暖化もなかったのでどうかな?やっぱりまだ早かったのかな。
近衛の糸桜は7分咲きのようです。まだ見に行けていません。
桜の開花予想が天気予報とならんで報道される日本って、、、、好きです。


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