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2017-08

世界遺産仁和寺茶会〜遼廓亭・飛濤亭 - 2016.03.30 Wed

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前はよく通るがなかなか中まで入る機会のない御室・仁和寺。受験生の頃は「徒然草」によくでてくる寺としてあこがれていた。

ここには2つの重要文化財の茶室がある。光琳好みの遼廓亭と光格天皇ご遺愛の飛濤亭。
いずれも一般公開はされておらず、かろうじて申し込みにより見ることができる。今回某○交社のお力でもって(^_^;中に入って、遼廓亭では濃茶までいただける、という機会にめぐまれた。しかも数寄屋建築家でもあり茶人でもある飯島照仁先生の解説付きで。
(今回建築拝見と言うことで裏千家出入りの職方さんも客として何人かお見えだった)

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(仁和寺宸殿付近 格高い門跡寺院ゆえ小御所の雰囲気を呈している)



いずれも写真撮影は御法度なので、文章ではうまく伝えられないが、ネット検索で写真探してみながら見てね。

まずは遼廓亭へ。
四畳半の座敷が2つ連なっているが、小間中(1/4畳)ずれている。ここを仕切ったら四畳半がふたつできるかと思いきや、よく見れば鴨居も敷居もない。もともとこういうふうに使うことによって空間に面白みをだした光琳のアイデア。
障子で上半分を仕切った洞庫みたいなスペース付きで、あれ何かな?と思っていると、障子をよければなんと小さな副水屋になっていた。

壁は粗いすさ(藁)がたくさん出て黒い錆もでて渋い感じ。床は板床でこの材がまた木目がけずれてきて古材ふうで渋い。そして塗り回し。飯島先生がおっしゃるには床の天井が座敷の天井より低く、丸太の回り縁は珍しいと。いわれないとわからないポイント。

重文のため火を使えず、HIもひとつしか使えないので、別棟で湯をわかして火のはいっていない炉の釜にうつしかえての濃茶点前、ご苦労です。この日はお彼岸もすぎたというのにみぞれがふるような寒い日だったので、さぞや水屋もご苦労されたことでしょう。


隣接する我前庵は如庵写し。まったくの写しではないところが光琳風。こちらでは薄茶をいただいた。以前建仁寺の永源院にある如庵写しの茶席で茶事に参加したことがあるが、その時も丸くくりぬいた亭主座の前の詰めの席だった。ここは亭主と穴を通して正面に対面するので面白い感じがしたが、今回もその席に。ここで炉にかける柄杓の向きを逆にすれば詰めが亭主役(逆勝手向切か?)に早変わりすることになる、、、と教わる。なるほど、親しい間の人ならそういうことも面白いわね。この板はおそらく光琳屋敷にあった板戸を利用した物ではないかと飯島先生。なのでつい手ですりすり。光琳乾山の絢爛たる時代に思いをはせる。



主菓子が老松製で「花の雲」。
薄紅のきんとんに金箔ちらし、中の餡に桜の葉を練り込んだ緑の餡でとても美しくおいしいお菓子であった。


濃茶席での茶杓が、光格天皇がお昨りになった茶杓を鷹司公が所持し、玄々斎が許しを乞うて写した「幾千代」の茶杓。みれば蓮弁のような幅広のしゃもじみたいな変わった形のおもしろい茶杓であった。
これを光格天皇への序として、次は天皇遺愛の飛濤亭へ。




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飛濤亭は茶道検定にも光格天皇遺愛としてよく出ていたわね。明治天皇の曾祖父になられる方である。先帝の急逝でかなり遠縁になる閑院宮家出身。(私の知識の中では)いまいち有名でない天皇だが、実は幕末の尊皇思想に大きな影響を与えた方なんだそうな。
村上天皇以降、それまでずっと天皇は「院」とおくり名されてきたのを900年ぶりに「天皇」のおくり名を復活されたのが光格天皇だったそう。幕府に対抗し、朝廷の権威、威信回復のためすたれていた宮中行事を積極的に復活させた方でもある。



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その光格天皇御遺愛の飛濤亭は宸殿から遠景に臨むことができる。こけら葺きの侘びた山家のような外観。

さてその飛濤亭に入らせていただく。う〜ん、、、ええなあ、、、。
四畳半、長スサのはいった壁のサビがすごくて渋すぎ。飯島先生おっしゃるには「日本一世界一美しい洞床」。
洞の開口部分になっているところは角の丸みといいなめらかさといい最高の技術なんだそうな。ただしここもサビがすごくて。

洞床は蹴込みになっていてフラット、それに直角になる位置に円窓がついていて、月の夜など窓をあけて楽しみながら茶を喫したのだろう。二方向が障子になっていて、そこを開け放つと宸殿をみおろして望めるよい景色も楽しめる。

一番印象に残ったのは天井の変化。
点前座が蒲、貴人座が網代、残りが対角線にぶっちがいになった化粧屋根裏の掛け込み天井。ぶっちがいの垂木(?)には釣り釜用の蛭釘もちゃんとあった。(今となってはだれもこわくて釜つるせないだろうけど)
あと落掛や回り縁なども専門家がみると面白い材をつかっているようだ。躙り口こそないものの天皇遺愛というにはかなり極渋、極侘の茶室だわ。

ここで心許せる陪臣と幕府への対抗策を練っていたのかも。あるいはそういうことを忘れてただ美を愛でる時空間であったのだろうか。



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すばらしい茶室を2つも堪能した後はたん熊北店さんの点心をいただく。同席された方々は東京とか遠方から来られた方が多い。お聞きすれば昨日は修学院離宮にもいかれたとか。私はまだいったことないんですけれどね〜(^◇^;)



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せっかくなので境内の御室桜をみにゆく。ここの桜はいつも少し遅く四月中旬くらいが見頃なのでまだ蕾もかたい。「わたしゃお多福御室の桜 花(鼻)は低いが人は好く」といわれる背の低い桜だ。
学生の頃、花見の季節はこの木の下で多くの人、とくに朝鮮系の人が毎年宴会をしていたが、最近では中にはいれないらしい。桜の木の養生のためといわれれば仕方ないが、残念でもある。



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土蔵のそばにさいていた早咲きの桜。



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これはツツジか?(ミツバツツジ類だそうです)明るいピンク色が境内でたいそう目立って美しかった。



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今回は茶席メインだったが、また御室桜の頃、来れたらいいな。



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帰りにはほん近くの日本茶カフェ「さのわ」にいかなくちゃ。




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釜の水でいれてくれるほうじ茶にほっこり。





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● COMMENT ●

光格天皇

光格天皇はその歌壇の研究会があり、2回光格天皇および関係歌人の詠草をお持ちしたことがあり大変親しみがあります。
火曜日のお茶会で知り合ったご婦人方がお互いに面識がないにもかかわら飛濤亭と香道のお話で盛り上がっておられました。
ご同席された人かもしれませんね。
シェル様のブログを拝見してお話されていたことの一端が理解できました。

N様

光格天皇って私があまりしらないだけで意外とメジャーな方だったのね(^_^;
飛濤亭では何グループかの参加がありましたので、参加された方でしょう。香道の方は楽々荘の月釜の方かな?最近は関東関西の境をかるがる越えてこられる方も多いようです。
かくいう私も先日根津に行けましたしね!!

さのわ

仁和寺の薄紫の花はミツバツツジの類と思われます。四月後半に高雄に行くと全山薄紫に見える場所があります。そちらはコバノミツバツツジ。京都の山にはよく自生しています。
さのわは出来てすぐの頃一度だけ行きましたが、お茶をいれるお兄さんが、シェリーのベネンシアドールのように、お湯を高いところから細く注いでいたパフォーマンスが印象的でした。今でもそうですか。

Mariko Ishii様

ミツバツツジ、名前ありがとうございます。
葉っぱより前に花だけ咲くところが不思議な花でした。山に紫っぽい花が咲いているのを遠景で見ることがありますが、多分それもミツバツツジですね。
さのわ、さすがに今はそんなパフォーマンスはないみたいです(^◇^;)かわりにゆっくり釜のお湯を柄杓で注いでしっとりと、、、煎れてくれます。(イケメンのお兄さんが)


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