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2017-06

洛中より遅い桜満開の伊賀〜笹山窯をたずねて - 2016.04.13 Wed

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信楽を越えて伊賀へ約1時間ちょっとのドライブ。洛中ではソメイヨシノはほぼ散ってしまったというのに、このあたりは時間を1週間ほどまきもどしたような桜の盛りであった。たんぼのあぜ道に一列に満開の桜が並ぶ様は圧巻。
ただし、ハンドルをにぎっているために写真がとれなかったのが残念。信楽あたりに良い景色があったのだが。




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通過した信楽では焼物の店が道の両脇にならび、焼物販売の店もたくさん、店先には狸の大小置物がならんでいたが、伊賀にはいると同じ焼物の里でありながら小売する店は見当たらず、窯の看板もほぼあげていないので、どこに窯場があるのかわからないくらい。隣接する2つの地区の消費者にたいするスタンスの違いがおもしろい。どちらがいい、というわけでなく。


このたびは下鴨の川口美術の川口さんのご案内で伊賀・丸柱(伊賀の陶芸の中心地)にある陶芸家・笹山芳人さんの窯をたずねた。

笹山さんは川口美術でよく個展をされ、その時はその道具でお茶をみずから点ててくださるので、何度かお目にかかっている。作品もいくつか手に入れているが、特に鶴首の渋い景色の花入がお気に入り。



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丸柱についたらまずは笹山窯すぐ近くのお寺で開催中の「伊賀茶碗によるお茶会」へ。

ここも桜が満開で、境内では桜の花を髪飾りにして遊んでいる子どもたちもいてにぎやか。この地域の窯の作品がずらっと展示され、お気に入りの一碗で薄茶を点てていただける。



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選んだのはこれ。どちらも井戸茶碗。どうしてもこういう系統に目が行くわ。特に左の枇杷色がすてきで、梅花皮に無理がない。岸野さんという若い陶芸家さんのだったかな。




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ほんとうにのどかな自然豊かな焼物の里だ。今年中にいまいちど花見をしながらお茶が飲めるとは思わなかった。作品をだされた陶芸家さんもおられてお聞きすれば話もきける。

一服した後、え?車はいれるの?と思うような道をたどって笹山窯へ。




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普段は四日市で生活しておられるが、窯炊きのときは、ここで寝泊まりされるというお家はどうみても古民家を改修したように見えたが、新たに建てられたものなんだそう。



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まわりは林に囲まれ、椿・沈丁花・ツツジがいっぺんに咲いている緑豊かな場所。鳥のさえずりも聞こえ、完璧な谷渡り鳴きをするウグイスの声をなんども聞く。

積み上げられているのは窯炊用のおびただしい量の薪。



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奥様と二人で築いたとおっしゃる登り窯。二連棟の短いものだが、煙をだす煙突までの距離はけっこう長い。



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おお〜!
これが窯の中か!!こうして直に窯の中をのぞいたのは初めてじゃなかろうか。感動。
焼物がくっつかないようにおかれる陶土片がいっぱいちらばっている。窯炊の時は一睡もせず火の番、薪の番をされるのだそうで、その時は窯の煙のむこうに明ける夜明けの景色がとても美しいそうだ。



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建物中にはいると一階は作業場で、道具や未完成の作品やらで足の踏み場もないほど。

笹山さんは現在は四日市におすまいだが、もともとはこの丸柱のご出身で、父上は伊賀と言えば土鍋、の土鍋を主に作っておられたのだとか。
一時サラリーマンをされていたが、かの川喜多半泥子の作品を見て、それに憧れて陶芸の道へ。故郷でもあるこの丸柱に窯を築かれた。



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半泥子は銀行の頭取であったので、陶芸は(半泥子曰わく)光悦と同じく生活の手段でなく趣味だから、売れる売れないは考えず自分の好きな物だけを作れる、環境にあった。だからその作品は自由奔放で飄逸、銘などは人をおちょくっているような物も多い(「閑く恋慕(かくれんぼ)」とか「猫なんちゅ(犬はワンとなくが猫はなんとなく?)」とか、、(^◇^;) )。しかしながら茶もたしなんでいたので、なぜかそこに茶趣もあるのだ。

その半泥子に憧れるだけあって、笹山さんの作品も自由奔放な感じ。典型的な伊賀もあれば粉引や刷毛目の高麗系も、高取みたいな茶碗もある。笹山さんご自身も実に飄々とした方で気どりがまったくないので、こちらも気楽にお話しさせていただく。



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二階はお泊まりスペース、、、というよりむしろコレクションルームと言っていかもしれない。一見日本や李朝のアンティーク家具がおいてあるだけ、、、かと思ったら!何年もかけてこつこつ集めはった骨董のお皿や蕎麦猪口や正体不明の焼物がぎっしりつまっていた!(笹山さん、自分の焼物売って他人の焼物買ってる??、、、?(^_^; )

でも、この空間はとてもすてきで、笹山さんのセンスの良さがわかる。いつも川口美術でお茶点ててくださるときも、下にコレクションされた舟板を敷いて、御自作の鉢を風炉にみたて、すてきなコーナーを作っておられる。

花入れに家のまわりでこの時咲いていたミツバツツジを投げいれ。それだけで絵になる。



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なにげなく長押に掛けられた銅製の小さな扁壺にはこれも玄関にさいていた沈丁花。

あとは李朝の棚に作品の茶碗を並べるとこれがまた絵になる。



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お話しを聞きながら、作品を使ってお茶を点てさせてもらう。椿の入った四角い器は花入にも水指にも。

そういえば1年半ほど前、平水指にしようと手に入れた笹山さんの大きな平鉢、たまたま居合わせた若い木工作家さんに蓋を依頼。なかなかできないんですよ〜という話を以前にもしたが、とうとうそれが出来上がって今週中に受け取る予定、という報告もできてよかった。



目の前は開けた林の風景。ときおり鳴く鶯の声、完璧なシチュエーションでお茶を点てるのはなんと心地のよいことか。

笹山さん、川口さん、しあわせな時間をありがとうございました。









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