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2023-10

甲子釜〜頂妙寺・大乗院 - 2016.04.16 Sat

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仁王門通りをうちの方からまっすぐ西へ行くと頂妙寺がある。仁王門通り、その名の由来がこちらのお寺の仁王門なのである。(昨年はじめて知った^_^;)

いつもは非公開なのだが、昨年京の冬の旅で公開され、さっそく見に行ったっけ(こちら
俵屋宗達の牛図が公開されていた。



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しずかな境内はもう新緑の若いみどりが萌えたち、まぶしいくらいだ。



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その中の塔頭、大乗院。ここで甲子(きのえね)の日に釜がかかる、と茶友がおしえてくれた。自分の休みと甲子の日と、なかなか合わなかったがようやくマッチした貴重な一日、でかけた。(ちなみに甲子の日は60日に1回まわってくる)

あまりメジャーな茶会ではなかろう、、と高をくくっていたらなんとぎょうさんのお客さんではないか。席に入るまで1時間以上待ちマシタ。きけば京都以外のご遠方からの方も多かったようで。

甲子釜、由来はさだかではないものの、境内にある大黒天をお祀りする大黒信仰にあるものと推測する。大黒様は子(ねずみ)がお使いだから甲子の日に法要をするのが一般的なのだそうだ。



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茶室は四畳半で、蹲居をつかって席入り。とくにどこの写し、ともお聞きしなかったが下座床、真行草の天井、躙り口。比較的新しい茶室とのこと、でも小間の雰囲気はやはりいいよね。広間の大人数の大寄せはどうも、、、(^_^;



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(大乗院入り口の八重桜)



この日お釜をかけられたのは大阪の先生だった。

後にも先にも一番印象的だったのが時代の釜!!

まず、そのでかさに驚嘆。炉縁はかろうじてはみでていないものの、最初透木釜かと思ったくらい、きっちり炉壇からははみだしていて、背は低い。ちょうどタイヤを横にしたようなフォルム。おそらく利休らが炉のサイズを1尺4寸に定める前のものではないか、とおっしゃってた。すごい迫力。

次にびっくりしたのがその釜肌。
遠目にやや薄暗い茶室では荒らした釜肌かな、、、と思っていたのに、障子を開けて光をいれると釜肌にびっしり鋳込まれた桜が!!すごいわ、これ(◎-◎;)

さらにさらに、茶会がおわったあと、亭主席側からこの釜をまじまじみるとその桜のひとつひとつの蕊まで、花びらにのる露まできれいに鋳込まれていたのがわかったのだ。大きさも考慮するとやはり桃山以前?そのころにこんな技術があったなんて!ということにも感動する。

時はまさに桜の候で、これ以上のご馳走があるだろうか。


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玄々斎手づくねの楽の酒樽香合は花見の宴席で酒をのむ趣向、田楽箱にはいった串団子は桜の色を抜いて二色(桜は外にも釜にも咲いてますものね)、箱には淡々斎の花押まであったわ。銀柳葉の棗、茶杓の銘は「春カスミ」。

棚が山雲棚。上の棚の木口に雲の蒔絵、下の板に流水の彫り物、その流水の中に洗われるが如き交趾の蛇篭水指。
桜満開の鴨川べりで流れる水に足をひたし、空ゆく雲を眺める風情か。柳も青く芽吹いて若々しい。遠く北山をのぞめば春霞、、、そんなイメージがぱーっとふくらんで、ここでもお花見をさせてもらった気分であった。



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頂妙寺の北門をでると、目の前が先日開拓したばかりのギャラリー・ブック・雑貨カフェユニテさんだったので、ここでランチ。



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本もたくさんあるスタイリッシュなカフェなのである。桜のしめくくりはこちらで。



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しぇるさん、こんにちは

良い雰囲気のカフェ&ギャラリー

私の好きそうな雰囲気

そんな気が致します^^

時間作って、覗いてみようかな~^^

高兄様

ユニテさんのマスター、なにやらなつかしいようなほっこり感あります。
おしゃれでアートな感じのカフェなのにそこだけ喫茶店のような(^_^;
またお近くにおいでの節はのぞいてみてください。


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