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2017-06

南大和古寺・その3〜花の長谷寺 - 2016.05.01 Sun

室生口から近鉄で大和八木へ向かう急行はこの季節だけ長谷寺にもとまる。なにせ牡丹の季節だから。

(なので今日は文章のあいだにサブリミナルでもねらっているのか、というくらい牡丹の写真が唐突にでてくるが、なにせ牡丹の季節だし、牡丹の長谷寺だから^_^;)


長谷寺駅から歩くこと約20分、けっこう上り坂もあってそれなりに健脚でないとしんどいよ。



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なぜに数十年ぶりに初瀬参りを思い立ったかというと、先日舞った仕舞の「玉鬘」の連想が大きい。

源氏物語の玉鬘(夕顔と頭中将の娘)はたよりない身をよせていた九州から上洛し、長谷寺の二本(ふたもと)の杉で夕顔の元侍女右近に出会い、それが縁で源氏にひきとられるのだ。

謡いでは「、、、迷いもよしや 憂かりける 人を初瀬の山おろし はげしくおちて露も涙もちりぢりに、、、」
百人一首で「憂かりける 人を初瀬の山やまおろしよ はげしかれとはいのらぬものを」 源俊頼朝臣

そう、「初瀬」「初瀬」、、、が頭にこびりついた結果。
ちなみに初瀬の枕言葉は「隠國(こもりく)の」



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これこれ!清少納言が泣きをいれたという108間399段の登廊!
段差が低くてちまちま登るので歩きにくいが、平安時代の女子の歩幅ならこれくらいでないとあかんか。




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長谷寺参りは平安時代には1種のブームだったようで、清少納言だけでなく紫式部も(「玉鬘」の舞台だし)「更科日記」の菅原孝標の娘も参拝の様子を書き残している。その時代からのつながりを感じられてなんだかうれしい。




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登廊の両脇にはたくさんの牡丹がびっしり。



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学生時代に行った時には、一つでもゴージャスな花なのに、こんなにたくさんだと暑苦しくてむしろうざかった牡丹が、なぜか今は素直に美しいと思える。思考の経年変化。どの花もひとつひとつの生命なれば、、、あれから人生いろいろありました、はい。



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さらに右に折れて左に折れて本堂まで登廊は続く。



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途中、紀貫之故郷の梅、という梅の木があった。
「人はいさ 心も知らずふるさとは 花ぞ昔の香に にほいける」と歌ったゆかりの梅とか。(多分何代目か)

長谷寺詣での定宿にしばらくいかなかったら宿の亭主にイヤミをいわれたので、梅の枝を一枝折って、この歌をさらりと詠んだとか。あんたこそ忘れてたんじゃないの?と切り返したわけ。かっこいい〜♪



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寺伝によれば、長谷寺は天武天皇の時代(686年)、僧の道明が初瀬山に三重塔を建立したのが始まりと言うから、これまた1300年以上の歴史をほこる。建物はいくたびも焼失再建をくりかえしたので、清少納言の時代そのままとはいかないのだが。



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登廊をやっと登り切ると、国宝・本堂。右手にはご本尊の十一面観音、左手は清水の舞台と同じく懸け造りの舞台になっている。




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暗いお堂の内々陣(内陣とさらにその内々陣で二重構造になっている)から上半身をのぞかせる観音様は右手に錫杖を持ち、左手に水瓶をもつ高さ10mの巨大な立像だ。(外からみるとそんなに大きくはみえないけれど)錫杖を持つ姿は観音様としてはめずらしく長谷寺様式というそうだ。室町時代の再興。




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外陣のまわりは緑したたる。



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長谷寺の舞台。



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ここから見下ろすと仁王門(修復中)とか本坊とかが見える。



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人が思い思いに腰掛けて憩うきざはしのところは、長年の使用に良い具合にへこんできて、ますます腰掛けやすくなっていた。



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この日はまだ人出は少なかったが、GWにはぼたん祭があり、たくさんの人がおしよせることだろうな。牡丹は8〜9割が盛り、まだ蕾の株もあった。



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ご本尊の前から舞台を見る。この景色もさまになって美しい。



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現在期間限定で(6月まで)国宝の本堂の内陣、内々陣まではいれるのだ。1000円はちょっと高いけれどもう来る機会もないかもしれないから、入って見よう。



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入り口のところで腕に「結縁の五色線」という五色の紐をまいてもらう。ご本尊にむすんだ五色の紐のさきを信者が持って縁を結ぶ、というのはよくあるのでその簡略版か。



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内陣のさらに内側に入り込むとご本尊の足元に出る。(おみ足に触れることもできるよ)狭い空間で見上げる観音様のなんと大きくりっぱなことよ。金色の後背、瓔珞も神々しく美しい。外陣から遥拝するのとまた違った荘厳さ。(できれば最近になって描かれた壁画はない方がいい)



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そして長谷寺は花の寺でもある。
ここにも御衣黄桜を発見!



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藤の花もそろそろ盛りを迎え、、、



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ポンポン手鞠のようなオオデマリ。



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山吹も咲けば、、




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本坊の奥にはノムラモミジの赤い色(画像いまいち、、)




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本坊から本堂を見上げる。若い緑がすがすがしいよい季節になった。



これにて南大和古寺めぐり終了です。


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● COMMENT ●

花盛り

いいなあ。憧れのコースですね。
仏と花。
信仰と安らぎでしょうか。

N様

この季節たくさんの人がたどるコース、ウン十年ぶりに再訪することができました。
感じ方も、学生の頃とはずいぶん違う。
仏の前にぬかづく気持ちは昔より強いかも。自分の努力ではどうにもならないことが世の中多いと身を以て知ったからかな。

 しぇる様へ
南大和の古刹巡り、ご苦労さまでした。
今、奈良は、京都市中ほどではありませんが、外国人観光客で溢れています。
彼らは、東大寺や興福寺、春日大社等の奈良東部の寺社を巡るだけで、
帰って行きます。
奈良は、県内に広く、長谷寺、室生寺、法隆寺、当麻寺等・・・・古の文化を伝えている古刹
在りますが散在しているので、彼らの関心を引かないのかも知れません。
折角、奈良に来ているのに勿体ないことです。
まあ、京都に比べて、交通の便に恵まれていない事もありますが・・・・

narahimuro様

奈良にはわるいですが、できればここは外国人観光客に占領されないままでいてほしです(^_^;)
日本人観光客も団体さんはどうも、、、
確かに奈良公園周辺に比べるとちょっと遠いなあ、、と思いましたが、この三寺はまとめて廻れるのがいいですね。
といいつつ、明日は東大寺にまたいきます。帰りに国博で信貴山縁起絵巻見なくちゃ!


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