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2017-05

千本ゑんま堂大念仏狂言2016 - 2016.05.05 Thu

大念仏狂言といえば壬生狂言があまりに有名だが、ローカル色(ご近所の方が自転車で来ている率高い)ゆたかな千本ゑんま堂こと引接寺の大念仏狂言も忘れちゃならない。(私はどちらかというとコチラの方が好き)

まずは幕間にきこえる「カンデンデン(太鼓と鉦の音)」をお聞き願おう。









なんだか、ひなびたような、なつかしいような音色。

ゑんま堂の念仏狂言は5月1〜4日までおこなわれるが、初日と2日は夜の部のみ。3年前は昼の部にいったが、今回、宵になってからの19時〜の部に。




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ここは平安時代の野辺送りの地、蓮台野の入り口にあたるのだが、千本通り鞍馬口あたり、庶民的な商店街がまだまだ元気だ。




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陽もおちてくると赤い提灯に火がはいる。ここのご本尊は閻魔様、こわいよ(^_^;
寺の建物は再建ながら15世紀というからすごく古い。




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本日の演目。

かつては西陣の特定の家の男子のみ世襲で継承されてきた狂言で、一時は20日以上も延々と演じられるほど人気があったらしいが、TVの普及ともに狂言を見る人もいなくなり、昭和39年に中断、昭和49年に舞台と衣裳焼失で一時は完全消滅かといわれたらしい。

現在ではゑんま堂狂言保存会の方々の(幼稚園児からシルバーまで)手弁当の努力で復活、維持されている。
出入り自由、料金無しの公演なのだ。ありがたさに頭がさがる。

地元のおっちゃん、おばちゃんがつっかけばきでくるようなイメージで、これこそもともとの演芸の姿かな、と思う。



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第1演題は「花盗人」

壬生狂言はすべてセリフ無しの無言劇だが、ここの狂言はすべてセリフあり。その台詞回しがまたユーモラスでおもしろくもある。

大名に花を取ってくるようにいわれた太郎冠者が、花を持った悪人とのかけひきにだまされて、自分の刀、大名の刀までとられてしまう。



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おこった大名が悪人をとらえようとするが、まぬけな太郎冠者はまちがえて大名をしばってしまう、、、というおはなし。



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太郎冠者のまぬけぶりもさることながら、大名も意外とへたれでまぬけなところが笑える。二人を翻弄したあげくさっさと逃げおおせる悪人の悪人振りが痛快。



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幕間の「カンデンデン」
壬生狂言はセリフがないので劇中ずっとカンデンデン♪なのだが、こちらは幕間のみ。




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第2演目「伯母ヶ酒」


酒屋の伯母から、なんとかしておいしいお酒を振る舞ってもらおうとするがうまくいかない甥。伯母さんはなかなかしたたか。



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そこで酒屋ばかり狙う鬼がいる、という法螺をふきこみ、夜に鬼に化けて伯母さんをおどし、まんまと銘酒をしこたまいただく甥。飲んでいる間は鬼の面をはずさないといけないので、「のぞくなよ〜、のぞくとわにわにするぞ〜」とおどす。
伯母さんは「こわやこわや、、、(でも)わにわにとはなんやろ??」

案の定酔っ払って寝込んだ甥は伯母に正体をしられてあとは、、、というおはなし。

見るなよ、といわれてコワイながらもこっそりのぞこうとする伯母さんのしたたかさがおもしろい。




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第3演目「でんでん虫」


これが一番おもしろくて大笑いしてしまった。しかも歌がつくので賑やかで華やか。ゑんま堂狂言でも人気の演目らしい。
この太郎冠者の衣裳もすてき。蕪の紋様なのだ。




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高齢になった伯父の長寿の薬に、でんでん虫の黒焼きが良いと聞いた大名は、太郎冠者を呼び、でんでん虫を捕まえに行かせようとする。しかし、太郎冠者は今まで「でんでん虫」と言うものを見たことも聞いたこともない。

そこで、大名はでんでん虫とは、頭が黒い、腰に貝がついている、二本の角を出すもの、と教える。

太郎冠者は、屋敷の裏山へ探しに出かけ、竹やぶの中で眠っている山伏を見つける。

頭が黒い→黒い兜巾
腰に貝がついている→法螺貝を腰につけている
二本の角→鈴懸がそうみえなくもない



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山伏をすっかりでんでん虫とおもった太郎冠者はつれてかえろうとするが、いっしょに囃しながら踊りながらなら行こうといわれ

山伏「♪ でんでんむしむし ででむし でむし」

太郎冠者「♪ 雨も風も吹かんのに出ざ釜打ち割ろう 」

この歌がまた調子よくてまだ頭の中まわってるわ。

大名はこれはいかん、と太郎冠者をとめようとするが、いつしか自分も「雨も風もふかんのに〜〜」と歌いながらミイラ取りがミイラに。だんだん早いスピードになっていき三人とも踊りながら退場。

大笑い。



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最後は「靫猿(うつぼざる)」


狂言役者は「猿に始まり狐に終わる」といわれるその猿。
子役が最初に演じるのが靫猿の猿役なのだ。(ちなみに引退するときには「釣狐」を演ずる)

ここでも猿を演じるのは幼稚園か小学校低学年のお子だった。
猿なので、いっときもじっとしていなくて猿らしいしぐさをくりかえさなければならないので、これも大変な役だと思う。



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大名が矢をいれる靫にその毛皮を使いたい、と猿引きに猿を殺せという。小猿の頃から育てた猿引きは涙ながらに命乞いをするが叶わず、棒をふりあげると、猿は芸をする合図だと思って一生懸命艪をこぐ芸をする。そのけなげさにうたれた大名は猿も猿引きも許し、最後に猿が囃子にのって踊り、めでたしめでたし、というもの。


人情物でしんみりかというと、そこは狂言、大名の言葉を直接伝えず太郎冠者を通じてするまどろっこしさがおかしみになっている。




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夜9時頃終了。夜はすっかり更けた。
初めの頃はぱらぱらだった席も帰る頃には観客がびっしりであった。今年もまた楽しませてもろうた。いにしえの芸能を普段の生活の中で楽しめる、これがなんといっても一番だ。



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● COMMENT ●

しぇるさん、こんにちは

よろしゅうございますね、エンマ堂

久しぶりに観たくなりました

壬生寺の方にも、お越しの際は

是非、御連絡くださいね^^

高兄様

お互いなかなか忙しくあれこれごいっしょに、、、が、むつかしゅうございますね(^_^;

壬生寺も焙烙割りは是非見たいのですが、あそこはやっぱり人気で人が多く待ち時間が長くなるのでついつい今年は敬遠してしまいました。また秋にいけるとよいのですが。


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